昴の輝く空の下で

ジャンマル

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十六節/ソフィの妙案

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「お二人に任せてたんじゃずっと決まらないです!」
「なにー!?!? じゃあソフィは何がいいのさ!」
「そうよ、ソフィさんは何がいいのよ」
「お好み焼き、やりたいです!」
「えっと……もう一回」
「お好み焼きがいいです!」

 歓迎会。ソフィさんの感覚的にはどうやらお祭りに近いらしく実際間違っては居ないものの、少し違う感じが否めない気もする。だけど二人は迷ってたのが馬鹿みたい、そう言ってお好み焼きでどうやら決まったらしい。
 お好み焼きのどれを作るか、と言うので次は議論にならないようにソフィさんの絶対指導の元案が進んでいく。喧嘩させるつもりのないという強い意志を感じるけど、一人で頑張り過ぎないかも心配になる……

「ソフィさん、決まったなら僕達が手伝うよ」
「ありがとうございます。ではここをこうして……」

 ソフィさんの感性は少し独特な気がしていたけど彼女のイメージをだいたい聞くとしっかりと楽しんでもらうための工夫だったりを垣間見ることが出来た。
 まず、お好み焼きを焼いている間も 退屈しないような工夫をしたいということだったらしく焼いている間に店員役である生徒が話しながら焼き加減だったりを見てくれる、というものだ。
 しかも普通とは少し違う点としてゲーム感覚で話題を決めながら話すという言わば居酒屋に近い形のお好み焼き屋さんである。

 おもてなし。日本人の心得ですから! そう言うとソフィさんはテーブル等の配置とかも考えたい! とかなり気合が入っているらしく、冴城さんと淺霧さんも感化されたのかソフィさんの考えているものになるべく近いイメージの配置だったりを各々で判断し準備を始めた。あくまでも二人のイメージ故に時たま違う時だったりもあるけど、三人それぞれの意見を合わせたりすることでなんやかんやで仲良くやることが出来た。

「なあ駿斗」
「んー?」
「ほんとは付き合ってるだろ」
「いやぁ、誤魔化しきれねぇよな」

 やけに素直なのがちょっと気になるけど、やはり淺霧さんとは付き合っているということらしく本人が認めた。そうと分かれば前よりかは気兼ねなく接することが出来るな、くらいの感覚ではあるが。
 ただソフィさんのことに関しては付き合っているとかそういう理由で二人でこっそりやっていた訳では無いらしい。

「お前さ、『昴星の伝説』って信じる?」
「なにそれ?」
「プレイアデスがいちばん輝く日の夜そいつの心からの願いが叶うんだってよ」

 それはあくまでも都市伝説の域ではあるらしいが学校で有名な話だと言う。

「お前さ……昔とは別人かもしれないって自分で思ったことあるか?」
「それって……どういう意味?」
「俺らは親友だろ? 昔のお前だって少しは知ってるしさ」
「だからどういう意味だって」
「気になってたんだよ……お前高校入ってから急に人が変わったような性格になったのがさ」

 自分自身で違和感を感じたことは無いが隼人曰く昔とは第三印象くらいまでまるっきり違うらしい。
 それは性格云々とかそういうのも含めてらしくそれなもしかしたらその噂と関係があるかもしれないぞ、ということだった。
 でもそんな事言われてもな……自分に記憶がないのかもしれない、とは思いたくはないし……
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