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2部 再起編

Project.37 残すは時間だけ

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 彼女が施設に行き出てくるまで約二年。その間にきっと彼女の周囲の反応だったりは大きく変わるだろう。みんなが彼女の芸能界復帰を心待ちにしている。そんな状況にきっとなっている。
 それはなにより私達が保証するしこの後私達はそれぞれが本格的に行動し始める。私は探偵さんと共にこの事実をまとめあげてレポートとしてまとめなければ。

「よし、じゃあそっちは宜しく」
「はいはい。これでいいんですよね?」

 資料やその他証言などを書いたレポート。これらをまとめて裁判......とかではなく真実の告発として発表する。もちろん止める人間もいるだろう。だけどその止める人間、というのは裏組織の人間ばかりだろう。故に私達に彼らが接触すれば警察のお縄になる。そういうことまでしっかり考えた上で発表するのだ。これを。
 それに、世間的には浅篠和希という存在の炎上から母である浅篠弘子にも注目が集まっている。業界でも真実を知るものがほとんど居ない弘子さんの一件もまとめて告発するという。デメリットとか危険を承知の上で当然やる。だからこそ探偵さんはひとりでやると言っていた。私にはまだやるべき事があるからと。

「ここまでありがとう、七穂ちゃん」
「そういえば......まだ名前聞いてなかったです」
「ああ、僕か......柊木四郎だよ」
「柊木......?」

 どこかで見た事のある名前だった。だけど思い出せなかった。どこかで見たはずではあるけどどこで見たのか。それが分からなかった。それに本人もあまり詮索されたくないのか自分の情報に関しては事務所の中でもシャットアウトしていた。それほどに自分の情報に関しては徹底的に私の人に触れられないようにしていた。
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