引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。Re:boot

ジャンマル

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任務更新

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 始まりの地とはどこなのか。そんな疑問がある僕は聞いてみた。誰でもない、美雨さんにだ。聞いてみたけど――その答えは明確だった。始まりの地。すべての始まり、すなわちジャンヌの遺産を巡る戦いの始まりの地だ。話によると、王族派は既に始まりの地であるフランスへ終結を始めているという。だが、そこには欠点がある。それは、ジャンヌの子孫が居ないと箱は起動しないということだ。そんな問題もあってか、王族派も悩んでいるらしい。今後どうするかに。しかしそんな問題は今はないだろう。なにしろ子孫である杏子が向こうに居るのだ。そんな簡単な問題奴らにはどうってことはないだろう。

 僕たちにできるのは奴らが戻ってくる前に日本支部である奴らの本拠地を潰すこと。そうすれば何とかなるだろう。何とかなるといってもあくまでその場しのぎだ。箱の力を使ってしまえば後はどうにかなる。そんなことがあるから、奴らは未だに大きく動き回れるのだろう。だけど、こっちにだって秘策はあるという。その秘策が何かは知らないが、戦局を大きくひっくり返せるものだという。そう、大きく――ひっくり返せるもの――

「で、それって何です?」
「教えません。というか、私たちも知らないんです」
「えー。ケチい」
「は??」
「さーせん」
「調子乗んなよ」
「はい……」

 そんないつも通りの会話をしながら戦局をひっくり返すのを待つ。それだけが任務だった。要は僕たちはその時が来るまで待機という任務だ。あまりにも単純すぎて難しい。そんな任務だからこそ、刻一刻と迫るタイムリミットにも対応できないと思っていた。だけど、あくまで僕と美雨さんと晴ちゃんの日本支部3班にのみ与えられた任務だった。他の班は既に行動を開始しているという。
 そんなこんなで日本支部のメンバーについて聞いてみる。僕を入れて8人になるというけど。美雨さんと晴ちゃんはわかるから、後は他の5人だな。どうなんだろ?

「まずは伊賀島半蔵。彼は優秀な暗躍者。つまり、日本支部屈指のスパイです」
「へえ。スパイなんて現実に居るんだ」
「ええいますよ」
「で、それから?」
「やかましいですねえ、あなたは。次に三国エルザ。日本支部ナンバーワンの実力者です。その実力は自身の流派、三国流から来ているらしいです。三国流が何なのかは会ってのお楽しみです」
「ほうほう……」

 と、ここで説明は打ち切りとなった。任務が更新されたのだ。次の任務は日本支部を離れフランスへ出向くこと。そして他の班員と合流することだという。

「あ、いたいた! お姉ちゃん!」
「あ、晴」
「もー、探したんですよっ!!!」
「ごめんごめん」

 いやあ、現実で初めて見たけどなんだこのロリ。すごいぞ。とにかくすごいぞ。僕の心にロックオンされたぞ。キモイこというのはやめとこ……さてさて、班員が揃ったところで行きますかとの号令。行きますよ。フランスへ。出向くんだ。
 僕たちの新しい戦いもまたここから始まる。そう――新たな戦いが。 
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