引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。ファイナル

ジャンマル

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伊勢谷慎二/miu√

世界の崩壊

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 添付……切り抜き……成功したのか? いや、だったらもっとこう、一瞬意識が飛ぶはずだ。無いって事は――

「慎二さん! 世界が――世界に――穴が――」

 世界? 穴? 何のことだ?

「な、なんだよ、これ……」

 世界の中心に突如現れた穴。おそらく、時空をつなげるための次元の扉だろう。しかし――にしてもだ。こんなに『早く』現れるのはおかしい。いや、それどころか――これじゃあ世界の崩壊じゃないか!!

 そうだ。これじゃあ、これじゃあ――世界の崩壊だ!! 何故だ? 何故、こんな急に――

「慎二さん……おそらく、能力の使いすぎた結果かと……」
「は……? なんだよ、それ……」

 能力の代償。能力を酷使した代償。そう、美雨さんはいった。しかし、だから、しかし。くそ……くそ、くそ、糞オオオオオオ!! こんなんで何が勇者だよ!!! こんなんで何が殴ってやるだよ!!! これじゃあ、これじゃあまるで――情けない奴じゃないか……

 ああ。そうだ。僕は、情けない奴だったな……

「慎二さん!!」

 ばしん。
 でかい音が響いた。はは……読唇術にはかなわないなあ……でも、でも、でもだ!!! 情けない奴が勇者でいけない道理なんてない!!! 情けないから勇者であっちゃいけない道理なんてない!! だから!! だから!!

 その日、僕は考えた。この件をどうするか、でだ。圭に報告するか……? いや、ヘレンが怖い。というか、あいつらどうしてるかな……

 ここしばらくnext組には会っていない。というのも、長期出張でいないのだ。で、いない間YIKを任されてるのが僕たちOBということだ。現役復帰はあくまで一瞬の事で、完全復活ではない。

「圭に報告……しますか?」
「いや、駄目だ」
「え?」

 それは駄目だ。あいつらに迷惑だろう。それに、それにだ。もうあいつらだって立派な勇者だ。俺たちが迷惑をかけるなんてあっちゃいけない。

「慎二さん。一人で抱え込むのは違います」
「でも、でも!!」

 そうだ。今の僕には何をしていいのかわからなかった。というか、どうすりゃいいんだよ……まじで。報告は駄目だし、僕たちだけで解決が必要だ。……そうだ、三国さんならわかるかも。

 そうして僕たちは、三国さんにこの件を報告することにした。
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