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ECO社を訪れた後、僕は父さんの手紙に書いてあった住所へ向かった。途中まで、ECO社の車で言っていたが、山に入る前に下りた。山に車を入れるわけにいかないしな。
「この山を登れば、もう少しだ」
地図の通りに僕は足を動かす。ここに来る途中で、水は尽きてしまったので、ここからは根気だ。根性を持ってかないと、山に息を持ってかれて呼吸できなくなりそうだ。いやあ、しかし……
「山の坂はキツイ……」
山登りにおいて最大の難関、坂。それは、のぼるものの体力を奪っては、あざ笑うようにこちらを離さない。だが、ここを超えれば……
山の後半の、一番きつい坂にさしかかったとことだろうか。次第に、呼吸が……あ、あれ……意識が……薄く……
「あ……」
そのままその場に倒れる。山の真ん中で倒れたから、ちょっとまずい。ちょっと、無茶しすぎたな――
――
次第に、意識が戻ってくる。でも、山奥で僕は倒れていたはずだった。見つけられる人などそうそういない。山奥に住んでなければ。だけど。
それにしても酸素が、ある。涼しいし……山奥じゃない……
え? 山奥じゃ……無い!?
「こ、ここは!?」
目を覚ますと、そこは施設のような場所だった。まるで、外と全くを持って交流を遮断しているような内装だった。ここは、一体……?
「よお。お目覚めかい?」
だ、誰だ……誰だ!? 僕はこんな人知らないぞ!? 目の前に、筋肉モリモリの、凄い男が立っていた。この人、一体……
「お前、父親に言われてるんじゃないのかよ? 俺の事」
「あ、あなたが、じゃあ!」
心当たりはそれしかないので、それしかないだろう。この人が――協力者……!
父さんの助けた人で、現在は刀鍛冶をはじめ、様々な鍛冶をしている人物。
伝説の刀鍛冶にして、伝説のSAMURAI……神代鉄さん……!
「んで、何しにうちへ?」
「あ、ああ……そうでした」
危うく、目的を忘れるところだった。
「僕と一緒に、旅に出て欲しいんです!」
「ああ? 突然だな……でも、はっきり言ってやる。無理だ」
ええ……どうして。
「どうしてって、当たり前だろうが! 突然旅に出ようって言われて断らないわけないだろ!」
た、確かに。でも、なんでも聞いてくれるって……
「それに、ここを離れるわけにはいかんのだ」
「え?」
「俺はどんな武器でも、防具でも打つ。だから、もともとあったアトリエでは、毎日毎日、武器を作れのオンパレードだよ」
「で、でも、正体隠せば……」
「はあ? 馬鹿か。とりま、俺はここから出ないからな」
……これは、真っ先に諦めたほうがいい気もする。
「でも、お前仲間いるんじゃなかったのか?」
……いるにはいるけど。美雨さんは消息不明、三国さんには迷惑を掛けたくない。頼れる人は……もう自分だけだ。
「まあ、詳しいことは聞かないが。旅をすると決めたんだろ? だったら、成し遂げてみろ。ここに行ってみろ」
渡された地図には、スラム街と書いてあった。
「スラム……街?」
「ああ。そこには貧しい子供たちがあふれてる。まずは、そう言うとこから回ってみるのも手だろ?」
確かに。それもそうだ。
でも、そこまで言うなら一緒に来てくれてもいい気もする。まあ、無理強いは出来ないか。
「さあ、わかったらとっとと出ていけ。俺は忙しい」
そう言って、追い出されてしまった。でも、追い出される前に、お茶と食料。それも、旅をするには困らない量の。それを渡してくれた。
「……よってよかったのか、悪かったのやら」
僕の旅の目的は大方固まった。
しかし、僕はまだ知らない。これが、大きな決めなければいけない分岐点だということに。
「さて、まずはスラムだな」
手渡された地図は、千葉のとある場所の路地裏だった。元々、そこはヤンキーや族のたまり場だったらしいが、そこで、ガキ大将が暴れまわった。らしいが……
明らかに、そんなたまり場をものに出来る子供など居ないのだ。となると……
「はあ、めんどくさいなあ……」
とは言いつつも、僕はそこへ向かった――
目的地に到着。案外、近いところにあった。バスで行ける範囲の。
さて、厄介だな。どうしたものか。
「はあ、何? やくざさん?」
「ああ? なんだてめえは」
子供のスラムになっていたのではないのか? なんか、ここを取り返しに来てるっぽいけど。これは、まあ、やるしかないよね。
「うがあああ!」と、振りかざされる右手。落ちてくる前に、とりあえずしびれの壺をついておく。これは、あの後結局三国さんに旅に出るならもってけ。と、半ば無理やり体得されたものだ。こんとこで役に立つとは。
「ひいいいいい!!」
多分、ボスだろうか。そいつを蹴散らしてからは、周りの連中は逃げ出した。まあ、当然の反応だろう。
「ありがと―!!」
と、子供たちにお礼を言われる。そして、僕は子供たちに、みんなを集めてきてくれと言った。
集まるだろうか?
そして、この場に居合わせた中では、僕だけしかわからないであろうが、そこで確かに、分岐点は発生した。
それは、僕の運命だけでなく、未来を紡いでくれるはずだった子供たちも巻き込んで。これは――そんな分岐点だった。
「この山を登れば、もう少しだ」
地図の通りに僕は足を動かす。ここに来る途中で、水は尽きてしまったので、ここからは根気だ。根性を持ってかないと、山に息を持ってかれて呼吸できなくなりそうだ。いやあ、しかし……
「山の坂はキツイ……」
山登りにおいて最大の難関、坂。それは、のぼるものの体力を奪っては、あざ笑うようにこちらを離さない。だが、ここを超えれば……
山の後半の、一番きつい坂にさしかかったとことだろうか。次第に、呼吸が……あ、あれ……意識が……薄く……
「あ……」
そのままその場に倒れる。山の真ん中で倒れたから、ちょっとまずい。ちょっと、無茶しすぎたな――
――
次第に、意識が戻ってくる。でも、山奥で僕は倒れていたはずだった。見つけられる人などそうそういない。山奥に住んでなければ。だけど。
それにしても酸素が、ある。涼しいし……山奥じゃない……
え? 山奥じゃ……無い!?
「こ、ここは!?」
目を覚ますと、そこは施設のような場所だった。まるで、外と全くを持って交流を遮断しているような内装だった。ここは、一体……?
「よお。お目覚めかい?」
だ、誰だ……誰だ!? 僕はこんな人知らないぞ!? 目の前に、筋肉モリモリの、凄い男が立っていた。この人、一体……
「お前、父親に言われてるんじゃないのかよ? 俺の事」
「あ、あなたが、じゃあ!」
心当たりはそれしかないので、それしかないだろう。この人が――協力者……!
父さんの助けた人で、現在は刀鍛冶をはじめ、様々な鍛冶をしている人物。
伝説の刀鍛冶にして、伝説のSAMURAI……神代鉄さん……!
「んで、何しにうちへ?」
「あ、ああ……そうでした」
危うく、目的を忘れるところだった。
「僕と一緒に、旅に出て欲しいんです!」
「ああ? 突然だな……でも、はっきり言ってやる。無理だ」
ええ……どうして。
「どうしてって、当たり前だろうが! 突然旅に出ようって言われて断らないわけないだろ!」
た、確かに。でも、なんでも聞いてくれるって……
「それに、ここを離れるわけにはいかんのだ」
「え?」
「俺はどんな武器でも、防具でも打つ。だから、もともとあったアトリエでは、毎日毎日、武器を作れのオンパレードだよ」
「で、でも、正体隠せば……」
「はあ? 馬鹿か。とりま、俺はここから出ないからな」
……これは、真っ先に諦めたほうがいい気もする。
「でも、お前仲間いるんじゃなかったのか?」
……いるにはいるけど。美雨さんは消息不明、三国さんには迷惑を掛けたくない。頼れる人は……もう自分だけだ。
「まあ、詳しいことは聞かないが。旅をすると決めたんだろ? だったら、成し遂げてみろ。ここに行ってみろ」
渡された地図には、スラム街と書いてあった。
「スラム……街?」
「ああ。そこには貧しい子供たちがあふれてる。まずは、そう言うとこから回ってみるのも手だろ?」
確かに。それもそうだ。
でも、そこまで言うなら一緒に来てくれてもいい気もする。まあ、無理強いは出来ないか。
「さあ、わかったらとっとと出ていけ。俺は忙しい」
そう言って、追い出されてしまった。でも、追い出される前に、お茶と食料。それも、旅をするには困らない量の。それを渡してくれた。
「……よってよかったのか、悪かったのやら」
僕の旅の目的は大方固まった。
しかし、僕はまだ知らない。これが、大きな決めなければいけない分岐点だということに。
「さて、まずはスラムだな」
手渡された地図は、千葉のとある場所の路地裏だった。元々、そこはヤンキーや族のたまり場だったらしいが、そこで、ガキ大将が暴れまわった。らしいが……
明らかに、そんなたまり場をものに出来る子供など居ないのだ。となると……
「はあ、めんどくさいなあ……」
とは言いつつも、僕はそこへ向かった――
目的地に到着。案外、近いところにあった。バスで行ける範囲の。
さて、厄介だな。どうしたものか。
「はあ、何? やくざさん?」
「ああ? なんだてめえは」
子供のスラムになっていたのではないのか? なんか、ここを取り返しに来てるっぽいけど。これは、まあ、やるしかないよね。
「うがあああ!」と、振りかざされる右手。落ちてくる前に、とりあえずしびれの壺をついておく。これは、あの後結局三国さんに旅に出るならもってけ。と、半ば無理やり体得されたものだ。こんとこで役に立つとは。
「ひいいいいい!!」
多分、ボスだろうか。そいつを蹴散らしてからは、周りの連中は逃げ出した。まあ、当然の反応だろう。
「ありがと―!!」
と、子供たちにお礼を言われる。そして、僕は子供たちに、みんなを集めてきてくれと言った。
集まるだろうか?
そして、この場に居合わせた中では、僕だけしかわからないであろうが、そこで確かに、分岐点は発生した。
それは、僕の運命だけでなく、未来を紡いでくれるはずだった子供たちも巻き込んで。これは――そんな分岐点だった。
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