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木山春斗の勇者録/花沢美雨の勇者録
オクタヴィア
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「ケビン!」
「んー?」
「戦争を止めよう」
「あっ!? どうやってだ」
「父さんに昔聞いたことがある……7人のオクタヴィアと呼ばれる女性を集めたとき、願いが叶うって」
当時既に戦争は加速していて、日本はアメリカやロシアに押されていた。だが、日本は何故かケビンの母国でもあるフランスに攻撃を始めてしまった……
それが何を意味するか。日本は戦火を広げていくことだけに集中していた。現在の日本は、戦争病――と言ってもいいほど戦争が好きだった。昔から武士とかいて、好戦的な人民が多いのも事実だけども……それでも、流石に今回は僕もケビンも我慢ならない。戦争大国――何が戦争大国だ。そんなの間違っているに決まっているじゃないか。
「オクタヴィア……宛はあるのか?」
「取りあえず、オッドアイって事はわかってるんだ」
「オッドアイ……ねえ……」
左右非対称の目。オッドアイ。目を見ればすぐにわかるだろう。だがしかし……どう探し出すか、だよな……
「うかうかしてられない。フランスへの攻撃は始まってるんだ」
「……」
(わりいな……春斗……後の世代に重大な爆弾、抱えさせちまうかもしれない)
ケビンを引き連れて情報収集を開始した。
「すいません――」
……外れだ。
「すいません――」
……ここも、外れだ。
「すいません――」
「ん? なんだい、あんちゃん」
「あのー、この辺でオッドアイの子を見ませんでしたか?」
「お。おっだ……? なんだそりゃ」
「左右で違い瞳の色をしている子を探しているんです」
「あー、そんな子最近見かけたなあ」
「ほ、本当ですか!?」
三十軒以上回って――やっとだ。やっと、たどり着けたこの情報に、僕は歓喜をあげた。涙をあげた。
「で、その子はなんて――?」
「南町へ行くって言ってたなあ」
「ありがとうございます!!」
「お、ちょっとあんちゃん!!」
南町――ここから行くと、山梨のあたりか……?
「で、情報は」
「南町の方にいるかもって……」
「なっ、まじか!?」
「うん」
その貴重な情報だけでもうれしかった。わずかな情報だけでもうれしかった。何故なら、情報なんて元から宛にできなかったから。情報なんて、今更宛にしたって……でも、それでもやり通す。それが僕と父さんの唯一の約束だった。
「オッドアイ……ねえ……」
「オクタヴィアは身体が弱かったり強かったり、色々あるらしいんだ」
この時、僕たちはいずれも行動を共にする女性の事を知らなかった。南町のオクタヴィア――名前を、ヴィヴィアンというらしい。日本とロシアあたりのハーフだろう。名前は、先ほどの店主から聞くことに成功した。
それだけでなく、彼女の特徴も聞くことに成功している。……それが、吉と出るか凶と出るか――蛇が出るか馬が出るか。わからなかった。
「んー?」
「戦争を止めよう」
「あっ!? どうやってだ」
「父さんに昔聞いたことがある……7人のオクタヴィアと呼ばれる女性を集めたとき、願いが叶うって」
当時既に戦争は加速していて、日本はアメリカやロシアに押されていた。だが、日本は何故かケビンの母国でもあるフランスに攻撃を始めてしまった……
それが何を意味するか。日本は戦火を広げていくことだけに集中していた。現在の日本は、戦争病――と言ってもいいほど戦争が好きだった。昔から武士とかいて、好戦的な人民が多いのも事実だけども……それでも、流石に今回は僕もケビンも我慢ならない。戦争大国――何が戦争大国だ。そんなの間違っているに決まっているじゃないか。
「オクタヴィア……宛はあるのか?」
「取りあえず、オッドアイって事はわかってるんだ」
「オッドアイ……ねえ……」
左右非対称の目。オッドアイ。目を見ればすぐにわかるだろう。だがしかし……どう探し出すか、だよな……
「うかうかしてられない。フランスへの攻撃は始まってるんだ」
「……」
(わりいな……春斗……後の世代に重大な爆弾、抱えさせちまうかもしれない)
ケビンを引き連れて情報収集を開始した。
「すいません――」
……外れだ。
「すいません――」
……ここも、外れだ。
「すいません――」
「ん? なんだい、あんちゃん」
「あのー、この辺でオッドアイの子を見ませんでしたか?」
「お。おっだ……? なんだそりゃ」
「左右で違い瞳の色をしている子を探しているんです」
「あー、そんな子最近見かけたなあ」
「ほ、本当ですか!?」
三十軒以上回って――やっとだ。やっと、たどり着けたこの情報に、僕は歓喜をあげた。涙をあげた。
「で、その子はなんて――?」
「南町へ行くって言ってたなあ」
「ありがとうございます!!」
「お、ちょっとあんちゃん!!」
南町――ここから行くと、山梨のあたりか……?
「で、情報は」
「南町の方にいるかもって……」
「なっ、まじか!?」
「うん」
その貴重な情報だけでもうれしかった。わずかな情報だけでもうれしかった。何故なら、情報なんて元から宛にできなかったから。情報なんて、今更宛にしたって……でも、それでもやり通す。それが僕と父さんの唯一の約束だった。
「オッドアイ……ねえ……」
「オクタヴィアは身体が弱かったり強かったり、色々あるらしいんだ」
この時、僕たちはいずれも行動を共にする女性の事を知らなかった。南町のオクタヴィア――名前を、ヴィヴィアンというらしい。日本とロシアあたりのハーフだろう。名前は、先ほどの店主から聞くことに成功した。
それだけでなく、彼女の特徴も聞くことに成功している。……それが、吉と出るか凶と出るか――蛇が出るか馬が出るか。わからなかった。
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