引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。ファイナル

ジャンマル

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LEVELZERO

新たな目標

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「能力失ってもよかったって……本気で思ってます?」
「能力は平気だって……名越先生に教えてもらう」
「でも、レベル6って……危険分子じゃないですか……」
「戦いは終わってない。って事だな」

 レビスト財団はあくまで能力の研究をしていただけ――本当の敵は日本政府そのものだった。日本政府を止めない限り、まず、能力者の平和は訪れないだろう。しかし――本当に彼らに出来るのだろうか……?

「出来るんですか? 僕たちに」
「まあ、無理だろうな」
「な、む、無理って!?」
「まあ、無理だろ」

 はっきりと少年はいった。無理だろう、と。しかし、無理は無理なりにやるべきことがある。それが彼らの新たな目標だった。

「日本を裏から潰す」
「え?」
「能力者が一斉に暴れればそちらに視線が集まるだろう。その隙に叩く」
「確かに筋は通ってますけど……」
「でも、問題はいかに人数を集められるか、だ」
「そこですよね……」

 少年たちの疑問は、そこだった。人数をどうするか。人数をどう、いかに集めるか。

「なんかそう言うのに詳しい人知らない?」
「ふふ・・・・・・」
「な、なんだよ」
「いるじゃないですか!! 能力者に詳しい人が!!」
「あっ!? 先生か!」
「そうです!」

 柏樹――彼の集めていた能力者のリスト。それが今、役に立とうとしていた。

「前回のお前らの襲撃ってあれクラスでだもんな」
「そうですよ」
「んー、どうするか」
「集めましょう」
「集めるってあのリストの奴ら全員か!? 300は軽く超えてるぞ!?」
「それでもやるしかないじゃないですか!!」
「……そうだな」

 少年たちは、次のステージへ歩もうとしていた。

「柏樹先生!」
「ん?」
「リスト、もう一度ください」
「リスト?」
「はい」
「ああ。能力者リストか」
「はいっ!」
「ほらよ」

 受け取った能力者リスト。そして、二人は黙々と読み漁り――

「よし、こっちはOK」
「おう。こっちもOKだ」

 リストに記された名前をすべて暗記。所在も暗記――それだけ、熱心だった。記された名前をこぼさず拾い上げそして、そしてそれぞれがクラスの全員に配り、一人一人を当たるのだという。それが最善の手だというが……

「いいか、誰か一人でも協力しないと言ったらそこで諦めろ。無理強いはするな。命を……無駄にするな!」
「了解!!」

 クラスが一致団結する。そして、それぞれが目標に向かって歩み始めた。

 出席番号1番。相沢花楓。彼は、風使い。そして、クラスで唯一のレベル4である。故に、一人いるだけでも十分に戦力になりえた。
 得意技はかまいたち。風の力で切り裂く大技である。そして、それを成せる能力があるということは、相当な実力ということだ。

「相沢」
「……?」
「お前が一番頼りになる。いや、お前を一番頼りにしてるからな」
「おう!」
「作戦名はリベリオン!! 今こそレベル制度をなくし、すべてを取り戻せ!!」
「お―っ!!!」

 人類全員をレベル5以上にすればいい。そんな単純なことではあった。が、それでは物理演算ができるようになった瞬間にまた平和が崩れ去る。故に、それは出来なかった。人類の情理を覆してはいけない。あくまでも自分たちは人であるんだ、と。

「……憑、お前の本当にやりたかったこと、今成し遂げるからな」
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