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フェルンフェンの過去
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――数年前――
「おっし。出来たぞ、フェルンフェン」
「出来たって何がだよ……」
「何がって……もちろん、家だよ」
家、もちろん、俺たちの住む家だ。こいつは、ものづくりに関してはプロ中のプロ。こいつの右に出るものはいないほどだ。家づくりを頼んだのは、住む家がなくなったからではない。ここを、隠れ家にするためだ。
「でも、本当にやるのか? フェルンフェン。黒箱の強奪なんて?」
「ああ。もちろんだ。あれを強奪できれば、望みが何でも叶うからな」
黒箱。それを手にすればこの世のすべてを手に入れたのと同じだ。だからこそ、自由が欲しい俺たちはそいつを欲した。そいつで、皇太子にでもなってやろうか。そんな冗談を言うと、あいつ、なんて言ったかわかるか? 「皇太子なんてめんどくせえもんにはなりたくねえな」だってよ。確かに、それもわかる。が、皇太子になれば国を自由に動かせる。そうなったとき、俺は、自分たちのような奴隷にされるしかないやつらを解放してやるんだ。その為には、どうしても黒箱が必要だ。しかし、黒箱は現皇太子、「フェルフラッソ皇太子」が所持している。どうしても強奪するしかないのだ。
「でもなぁ……やったとしても、強奪の罪をかぶった皇太子なんて尚更嫌だなぁ……」
「なら、俺一人でやるよ」
「いや、お前ひとりにこんな重いことはさせられない。もう逃げられないんだ。だからよ、俺の命はお前に預けておくよ」
彼は、駄目なことと知っていて、俺に協力してくれるといった。彼は、俺のいた施設で出会ったんだが、俺に優しくしてくれた。その時から、俺とずっと一緒に居る。そう言ったんだ。しかし、今、そんな彼も自分の野望に巻き込もうとしている。どうすればいい? 彼をこのまま逃がすか、このまま――いや、変なことを考えるのはやめよう。彼を殺してしまうという選択肢も出てしまったが、それは駄目だ。彼を殺してしまえば、それこそ子の野望は遂げられない。彼には、俺の下でやってもらいたいことがあるしな。
「なあ、でもお前さ、自分と同じ境遇の奴らを解放した後は、どうすんだ? そのまま皇太子続けんのか?」
解放した後……どうなんだろうな。その時に、考えればいいか。
―― ――
「奴を拘束せよ!!」
「だ、駄目なんです! 彼にはまだやることが!!!」
「ええい、黙れ、貴様はこの場であの大悪人をかばった罪で処刑だ!」
やってしまった。自分のせいで、俺のせいで関係ないあいつまで巻き込んで。駄目だ。駄目だ駄目だ駄目だ!!
「た、隊長! たった今――」
「皇太子が死んだ!?」
「は、はい!」
チャンスだ。今のうちに――
「に、逃げた!! 捕まえろおおおおおおお!!」
―― ――
「……ちっ。ジャンヌ、お前のせいで変なこと思い出しちまったじゃねえか……久しぶりに、あいつんとこ行ってやるか……」
あいつのとこ。墓だ。あいつの墓は、ここからそう遠くないとこに建てられているんだ。ジャンヌもあいつに見せてやりたいしな。
コンコン。ドアをたたく音。入れ、という俺の声に反応して、ジャンヌがドアを開けた。
「あ、あの……」
「……何も言わず、支度しろ。出かけるぞ」
「え、でも――」
「いいから、黙って支度だ」
ジャンヌを連れ出して、あいつの墓に出向いてやる――
「おっし。出来たぞ、フェルンフェン」
「出来たって何がだよ……」
「何がって……もちろん、家だよ」
家、もちろん、俺たちの住む家だ。こいつは、ものづくりに関してはプロ中のプロ。こいつの右に出るものはいないほどだ。家づくりを頼んだのは、住む家がなくなったからではない。ここを、隠れ家にするためだ。
「でも、本当にやるのか? フェルンフェン。黒箱の強奪なんて?」
「ああ。もちろんだ。あれを強奪できれば、望みが何でも叶うからな」
黒箱。それを手にすればこの世のすべてを手に入れたのと同じだ。だからこそ、自由が欲しい俺たちはそいつを欲した。そいつで、皇太子にでもなってやろうか。そんな冗談を言うと、あいつ、なんて言ったかわかるか? 「皇太子なんてめんどくせえもんにはなりたくねえな」だってよ。確かに、それもわかる。が、皇太子になれば国を自由に動かせる。そうなったとき、俺は、自分たちのような奴隷にされるしかないやつらを解放してやるんだ。その為には、どうしても黒箱が必要だ。しかし、黒箱は現皇太子、「フェルフラッソ皇太子」が所持している。どうしても強奪するしかないのだ。
「でもなぁ……やったとしても、強奪の罪をかぶった皇太子なんて尚更嫌だなぁ……」
「なら、俺一人でやるよ」
「いや、お前ひとりにこんな重いことはさせられない。もう逃げられないんだ。だからよ、俺の命はお前に預けておくよ」
彼は、駄目なことと知っていて、俺に協力してくれるといった。彼は、俺のいた施設で出会ったんだが、俺に優しくしてくれた。その時から、俺とずっと一緒に居る。そう言ったんだ。しかし、今、そんな彼も自分の野望に巻き込もうとしている。どうすればいい? 彼をこのまま逃がすか、このまま――いや、変なことを考えるのはやめよう。彼を殺してしまうという選択肢も出てしまったが、それは駄目だ。彼を殺してしまえば、それこそ子の野望は遂げられない。彼には、俺の下でやってもらいたいことがあるしな。
「なあ、でもお前さ、自分と同じ境遇の奴らを解放した後は、どうすんだ? そのまま皇太子続けんのか?」
解放した後……どうなんだろうな。その時に、考えればいいか。
―― ――
「奴を拘束せよ!!」
「だ、駄目なんです! 彼にはまだやることが!!!」
「ええい、黙れ、貴様はこの場であの大悪人をかばった罪で処刑だ!」
やってしまった。自分のせいで、俺のせいで関係ないあいつまで巻き込んで。駄目だ。駄目だ駄目だ駄目だ!!
「た、隊長! たった今――」
「皇太子が死んだ!?」
「は、はい!」
チャンスだ。今のうちに――
「に、逃げた!! 捕まえろおおおおおおお!!」
―― ――
「……ちっ。ジャンヌ、お前のせいで変なこと思い出しちまったじゃねえか……久しぶりに、あいつんとこ行ってやるか……」
あいつのとこ。墓だ。あいつの墓は、ここからそう遠くないとこに建てられているんだ。ジャンヌもあいつに見せてやりたいしな。
コンコン。ドアをたたく音。入れ、という俺の声に反応して、ジャンヌがドアを開けた。
「あ、あの……」
「……何も言わず、支度しろ。出かけるぞ」
「え、でも――」
「いいから、黙って支度だ」
ジャンヌを連れ出して、あいつの墓に出向いてやる――
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