引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。ファイナル

ジャンマル

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LEVELZEROafterSTORY~Venus Tune~

peace

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 部室に戻るために、廊下を歩いているときだった。
 パリーン。

 窓が割れる音だ。
「な、なに!?」
 場所は、すぐ近くだった。私たちは慌てて駆け寄る。
 そこには――
「あ、あなたは!」
 千佳は、知っているような雰囲気で、近寄っていく。
 そして、それに答えるように、その場で膝をついていた人が叫ぶ。
「来ないで!! 死ぬわよ!?」
 その言葉の意味は、すぐさま分かった。

 彼女を追ってくるように、巨大な『何か』が迫ってきた。
「あれは、ビースト! それを退治するのが私たち『魔法少女』なの!」
 そう言って、今の状況を簡単に説明する。
「でも、あれあんた一人じゃ倒せないんじゃない!?」
「そうよ! だから、逃げ――」
 言い切る前に、腹部に強力な一撃を目の前で、食らった。
「はは……もう、駄目みたい……」
 よく見なくても、わかるようなボロボロの状態だった彼女が、今の一撃で完全にダメになったのだろう。しかし、彼女は千佳に、あなたがやって。そう言って、契約を持ち掛ける。
「いい、魔法少女は、瀕死の魔法少女から引き継がれる……の、だから、今が、その時……よ」
 今、この場で魔法少女がいなくなれば、あれを倒す手段はなくなるだろう。迷っている暇なんて、私たちには与えられなかった。
「分かり……ました!」
 そう言って、千佳は彼女と契約を交わす。
「ありがと……う……」
 契約が終わると同時に、彼女は力尽きたようだった。
「ねえ、綴。不安だけどさ、私、やれるかな?」
「大丈夫、千佳なら出来る……!」
 そう言って、彼女はぜってえに生きて帰るから。と、言ってビーストに立ち向かっていった。
 ……ああいったのはいいけど、それを言っちゃうのは、駄目だよ……だって、それって、死にに行くときみたいじゃん――

「おら、ビースト! 私が相手だ!」
 ビーストを挑発し、注意を寄せる。しかし、挑発したと同時に、彼女は不安になる。
「戦い方なんて……分からないけど、なんとかしてやる……!」
 そう言って、やみくもにイメージを始める千佳。もちろん、そんなことをしていれば、隙を作ってしまう。
 当然のように、ビーストの攻撃が彼女に当たる。
「ぐふっ……で、でも……痛くない……?」
 当たる直前に、いたくないとイメージすることで、痛みを軽減できるようだった。そんな、やせ我慢みたいな力だけど、確かに、イメージするとその通りになるんだと、戦い方のコツをつかんでくる。
「行動をすると同時にイメージしろってか……でも、やってやるよ!」

 私は、魔法少女になった。
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