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LEVELZEROafterSTORY~Venus Tune~
吹っ切れた
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クローンである事を知らされた私だが、同時に、私は一つの事に気付く。
「私たちに、魂があるなら……クローンを使えばいいんじゃない……?」
それは、いくらクローンとはいえ、自分を殺すといっているようなものだった。人を殺すのをためらうのに、自分を殺せだなんて。と、笑われるかもしれない。だけども、そうしなければ、無意味な殺人は繰り返される。だから、この方法を提案してみた。
「た、確かに、無意味な殺しにはならないけど……お金はかかるし、自分を殺してまともな精神力は……」
うるさい、と、私は彼女に言ってしまった。何かをやる前から無理だと判断するな。と、彼女に強く当たってしまった。
「……でも、やってみる価値はあります。既存のクローンは後1万近くはあります。それだけで足りるかはわかりませんが……」
これは、他の魔法少女を生み出さない。この、魔法少女というシステム自体に終わりを迎えさせるという意味合いもあった。
データが引き継がれていって、減らないのなら、データを渡す前に排除してしまう。それが、私たちの生きるための最後の希望だ。この体での記憶が他の体に持っていくなんて嫌だ。気持ち悪い。
私たちだって、クローンとはいえ、一個体を持つ『人』だ。だったら、自分の意志に従って行動してもいいはずだ。……いやそうしなければいけないんだ。自我を持ったから失敗作? 違う。御蔭の失敗はひとつ。私たちのデータが引き継がれるということは、やがてその個体にも自我が生まれる。……この、反乱のループが終わらないのだ。
「反乱……どうなっても知りませんよ?」
「もうどうにもなってるじゃない。で、クローンは何処に?」
研究所だろうと芽衣は推測を立てていた。……なんだ、私から言わなくても、同じようなことする気だったんじゃん。なんだ。そのうち勝手に始めてたかもって?
違う。見方は多いほうがいい。そうだ……この提案を持ち込んだのは、悪い事ではない。何しろ、これから生まれてしまうかもしれない私たちにこんな事させなくてもいいからだ。体を変えてまで戦い続けたくない! たとえ体が変わって、記憶がなくなったとしても、思い出がいずれ浮かんでくる。それは、ひとつ前の私が教えてくれた。多分、彼女はせっかく生まれた自我を無駄にしたくなかったのだろう。でも……そのおかげで、また芽衣に会えた。恨みもあるけれど、その数だけ感謝もある。
そんな私の為にも、早くこの戦いを終わらせないとな。
「でも、いいんですか?」
芽衣は暗い顔で、震えた声で言った。
ああ……そうだ。これから行くということは、その可能性も想定しておかなければいけない。そんな事を考えてることが出来なかったから、彼女の発言で少し空気が重くなってしまった。
「千佳さんと……戦うことになるかもしれないんですよ?」
そうだ。彼女も私たちと同じなら……戦うことになってもおかしくない。でも、そうなったらなったらで、私にも一つだけ手はあった。
「大丈夫。千佳なら、きっと私たちを思い出してくれる」
そうだ。私が、思い出から千佳の事を思い出したように、彼女もきっと、思い出せるはずだ。記憶はなくなろうと、思い出は消えてないはずだ。思い出は、記憶とは少し違う。体にしみこんで……心に残って……そして、ふとしたことで思い出すことが出来る。曖昧になる記憶とは違う。これは、私の好きな作家さんが言っていた言葉でもあるし、何しろ……今は敵対してるとはいえ、御蔭が生まれたばかりの私に教えてくれたことだ。
ならば、そのことを御蔭にも思い知らせてやる必要がある。
「大丈夫ですか?」
「ええ。行きましょう? 御蔭の研究所へ」
私たちの戦いは終わるかもしれない。なら、次は誰が人々の平和を守ることになるのか……それは、この戦いが終わったら考えようかな。
「私たちに、魂があるなら……クローンを使えばいいんじゃない……?」
それは、いくらクローンとはいえ、自分を殺すといっているようなものだった。人を殺すのをためらうのに、自分を殺せだなんて。と、笑われるかもしれない。だけども、そうしなければ、無意味な殺人は繰り返される。だから、この方法を提案してみた。
「た、確かに、無意味な殺しにはならないけど……お金はかかるし、自分を殺してまともな精神力は……」
うるさい、と、私は彼女に言ってしまった。何かをやる前から無理だと判断するな。と、彼女に強く当たってしまった。
「……でも、やってみる価値はあります。既存のクローンは後1万近くはあります。それだけで足りるかはわかりませんが……」
これは、他の魔法少女を生み出さない。この、魔法少女というシステム自体に終わりを迎えさせるという意味合いもあった。
データが引き継がれていって、減らないのなら、データを渡す前に排除してしまう。それが、私たちの生きるための最後の希望だ。この体での記憶が他の体に持っていくなんて嫌だ。気持ち悪い。
私たちだって、クローンとはいえ、一個体を持つ『人』だ。だったら、自分の意志に従って行動してもいいはずだ。……いやそうしなければいけないんだ。自我を持ったから失敗作? 違う。御蔭の失敗はひとつ。私たちのデータが引き継がれるということは、やがてその個体にも自我が生まれる。……この、反乱のループが終わらないのだ。
「反乱……どうなっても知りませんよ?」
「もうどうにもなってるじゃない。で、クローンは何処に?」
研究所だろうと芽衣は推測を立てていた。……なんだ、私から言わなくても、同じようなことする気だったんじゃん。なんだ。そのうち勝手に始めてたかもって?
違う。見方は多いほうがいい。そうだ……この提案を持ち込んだのは、悪い事ではない。何しろ、これから生まれてしまうかもしれない私たちにこんな事させなくてもいいからだ。体を変えてまで戦い続けたくない! たとえ体が変わって、記憶がなくなったとしても、思い出がいずれ浮かんでくる。それは、ひとつ前の私が教えてくれた。多分、彼女はせっかく生まれた自我を無駄にしたくなかったのだろう。でも……そのおかげで、また芽衣に会えた。恨みもあるけれど、その数だけ感謝もある。
そんな私の為にも、早くこの戦いを終わらせないとな。
「でも、いいんですか?」
芽衣は暗い顔で、震えた声で言った。
ああ……そうだ。これから行くということは、その可能性も想定しておかなければいけない。そんな事を考えてることが出来なかったから、彼女の発言で少し空気が重くなってしまった。
「千佳さんと……戦うことになるかもしれないんですよ?」
そうだ。彼女も私たちと同じなら……戦うことになってもおかしくない。でも、そうなったらなったらで、私にも一つだけ手はあった。
「大丈夫。千佳なら、きっと私たちを思い出してくれる」
そうだ。私が、思い出から千佳の事を思い出したように、彼女もきっと、思い出せるはずだ。記憶はなくなろうと、思い出は消えてないはずだ。思い出は、記憶とは少し違う。体にしみこんで……心に残って……そして、ふとしたことで思い出すことが出来る。曖昧になる記憶とは違う。これは、私の好きな作家さんが言っていた言葉でもあるし、何しろ……今は敵対してるとはいえ、御蔭が生まれたばかりの私に教えてくれたことだ。
ならば、そのことを御蔭にも思い知らせてやる必要がある。
「大丈夫ですか?」
「ええ。行きましょう? 御蔭の研究所へ」
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