引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。ファイナル

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夢の続き

 あれから数ヶ月。

 ーーフランスの進軍は続いた。
 私は、フランス軍の女神として進軍の中にいた。そして、戦った。
 剣を取り、旗を掲げ、戦った。未来を見つめて、何をすればいいかをフランス軍のみんなに伝えて。

「フランス軍の同士達よ！ これより我々は勝利へ近づく！！」
「おっー！！！！」

 私の声で、フランス軍は一丸となった。この、百年戦争に区切りを打つのだ。

「あれを！」

 信煙弾。色は緑。私たちは、勝利したんだ。この戦いに、勝利したんだ。
 でもーー私は知らなかった。このあとの結末を。最悪の結末を。

「裏切り者め」
「え……？」

 救国の女神は敵に負けるように仕向けた。と、そんな噂が立っていた。そしてーー私の処刑が決まった。

「処刑法は魔女狩り。ジル、ＯＫか？」
「ええ。ですが、良いのですか？」
「未来はもう見えないーー彼女は危険すぎる。箱に何を願うのか。それがな」

 処刑の前、私はフェルンフェンに会っていた。

「活躍聞いたよ。大活躍だったんだってな」
「……」
「なあ、箱の願いさ、良ければ俺の願い聞いてくれないか？」
「……」
「俺さ、不老不死になりたいんだよ」
「え……？」

 不老不死。確かに、この箱なら、この力なら叶えられるだろう。だけどーーそれでいいのだろうか。

ー処刑の時間ー

「言い残すことは無いか？」

 恐怖ですくんでいた。火あぶりーーそれは魔女を殺すために用いられた処刑法だ。そしてーー

「着火」

 そんな無慈悲な声が聞こえた。そしてーー日の中で私は願った。私を助けてくれたフェルンフェンの願いを。
 そしてーー後悔した。火の中で一人泣きながら。後悔した。

「リリーーリリをーー生き返らせて上げたかった」

 そうーー私は一人泣き続けた。