俺の兄貴、俺の弟...

俺は...これからどうしよう...？（尊目線です。）

 ...目が覚めたのは...お昼すぎだった...俺は、大きく伸びをすると...自分の部屋を出てリビングに向かうところだった。
 すると背後から声が聞こえた。
「...たっ...たける！！」
 俺が...今一番聞きたくない声だった...。
 その声の持ち主は...兄貴だった...。
 俺は、兄貴の方を見ると
「...おかえり。」
とだけ言ってリビングの方に行き、すぐに戻ってくると、出かけるために玄関の壁に身体を預けるようにして座る兄貴に
「...ごめん...ちょっとどいてくれないかな...俺...今から出かけるから...。」
 と兄貴の顔を見ないようにして言い放った。
 すると兄貴は、そんな俺の手を掴むと
「...ごめん...たける...。...一昨日約束したばかりなのに...もう裏切るような真似して...でも、昨日は...ちょっと上城の家にいて...。」
なんて言ってきたんだ...。俺は呆（あき）れてものも言えなかった...だって、兄貴は...俺にこの期に及んでまだ嘘をつくのだから...。
 俺は、ありえないと思い、兄貴を冷たい目で見つめると
「...なにに対しての謝罪なの...？...俺に嘘をついたこと？？...俺との約束を守らなかったこと？？...それとも女の人と一夜を明かしたこと？？(怒)...やましい事が無いのなら、嘘つかなくてもいいよね...？？...もう...俺たちは...終わりだね...兄貴は、あの女の人と仲良く暮らせばいい...。」
 そう言うと俺は、出ていこうとした。
だが、兄貴が膝で仁王立ちして俺のことを抱きしめてきた。
 兄貴は涙を流しながら
「...たける。...その...お前を裏切るようなことして...今更許されるとも思ってない...だけど...俺には尊しかいないんだ...たけるじゃないとダメなんだ...お願いだから...たける...俺を捨てないでくれ...お前がいないと...俺は...生きていけない...(泣)」
と言って俺に抱きついてきたが、俺は
「...もう...聞き飽きたよ...今の兄貴の言葉は...何にも...信じることが出来ない...分かったら...とっとと俺を掴んでいるこの汚い腕を...早くどけてくれないかな...？(怒)」
こう言って俺は、兄貴を突き飛ばすと家を出て行った。

 俺が向かったのは、恋の家だった。
 恋にこの間の返事を返そうと思っていたからだ...。

 暫く歩いて、恋の家の前まで来るとインターフォンを、鳴らして...少しして、玄関が開くと恋が顔を出した。
 俺は、恋にこの間の返事を返そうと思ってきたと言って家に入っていった...。