俺の兄貴、俺の弟...

...もう次はないって言ったよね...？（尊目線のみです。）

 俺は、学校から帰ろうとしていると...ほら、今日も来た...俺は、いつまでこんなことしないといけないんだか...。

 俺の方に来たこいつ...阿澄さんは、俺を見つめると
「...たける！...早く帰ろ！！（笑）」
と言って笑みを浮かべる...毎日毎日...よく飽きねぇーな...（笑）
 と俺は、思いながら
「...あぁ、早く帰ろうか...りお...。」
と言って阿澄の肩を組んだ...。
 学校の正門に着くと、途端に俺は顔色を変え
「...じゃ...。(汗)」
と言って足早に帰る。...俺は、阿澄に脅されて...ずっと偽装彼氏をしている...だが、正門から少し歩いた時、今日は、帰ろうとした瞬間、後ろから声をかけられた...。
「...ねぇ、成瀬さんであってるかしら？？」
と言って俺の名前を呼ぶもんだから、俺はびっくりして振り返ったんだ...。
 すると俺の前には、美人のお姉さんが立っていた...。
 俺が顔をかしげて
「...えっと...すみませんが...どなたですか？？」
って聞くと、その人は
「...私はね、あなたのお兄さんと同じ会社で働いているの...ちょっとあなたに聞きたいことがあるから、お茶でもしないかしら？？」
と言ってきたので、俺は警戒しながらも...その人について行った。

 カフェに入り、飲み物を頼むと女の人は
「...それでね、あなたに聞きたいことっていうのは、あなたとお兄さんの関係についてなんだけど...。」
と言われ俺はびっくりした...が、
「...えっと...俺と兄貴は、ただのどこにでもいる兄弟ですよ...(汗)」
と言って誤魔化した...。
 すると女の人の顔色が変わり
「...とぼけないでくれる？？(怒)...あなたと都和は、付き合っているんでしょ？？...その証拠に夜、公園で...熱烈に抱き合っていたわよね...？(怒)」
と言われて、俺は咄嗟に
「...なんで知っているんだ...と言うよりだったら何だって言うんですか...？」
と聞いた。
 すると女の人は、携帯の写真を俺に見せてきた。
 俺は...言葉を失った...。
 だって、その写真には、兄貴と目の前の女の人がベッドに横になって裸で写っていたのだから...。
 何も言えない俺を見て、女の人はさらに続けたんだ...。
「...今すぐ...都和と別れて...元々...兄弟で恋人同士とか...社会が黙ってないわよ...都和だって、あなたとのことは、軽い遊びだって言ってたし...いい加減鬱陶（うっとう）しいと思っているって言ってたしね...（笑）」
と言われて、俺は聞いていられなかったから
「...すみませんが...失礼します...。」
と言ってその場を立ち去ったんだ。

 俺の後ろ姿を見てニヤッと女の人が笑っていたことは、全く知らなかった...。

俺は、家に帰るとリビングのソファに座り
「...なんで...何でだよ！！(怒)...兄貴...(泣)...兄貴言ったよな...俺のことを一番に考えて生きてきたって...俺のことが一番大切だって...なのに...なんで...(泣)」
と言って涙が一粒落ちたのを合図に滝のように涙が出てとまらなかった...そして俺の中で...何かが崩れた...。
「...兄貴は...あの人を選んだ...だから、俺も...。(泣)」
と言って俺は、あることを決意した...。