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第1章 「俺たちの出会い。」
俺たちVS優さん。
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楽器店に着くと、店主のおじさんが嬉しそうな声を上げて、俺たちを出迎えてくれた。
「いらっしゃ...おおっ!!虎雅くんじゃないか!!なに...??また、買い物に来てくれたのかい???おじさん、貧乏だから沢山楽器買っていってくれると嬉しいな~!(笑)」
「あははっ、おじさんは俺たちから、はしたお金貰わなくても、たくさん儲けているでしょ???...おじさん、いい人だし、若いし!!」
「おっ!!!虎雅くんも褒めるのが上手いな!!...よし、バックヤードに型が古いからもう捨てようと思っていたギターやベースの本体とか...弦とかあるんだけど、特別に好きなやつ持って帰っていいよ!!」
おじさんと素晴らしい会話を繰り広げた虎雅は、心底嬉しそうに俺を見てきた。
そんな虎雅が無性に可愛く思えて、俺はつられて笑ってしまった。
おじさんは、その後も虎雅と少し会話を楽しみ、少し外に出てくるからお店を見ておいて欲しいと言葉を残し、店を出ていった。
おじさんが居なくなった後、バックヤードの方に向かった俺達は、おじさんが言っていた処分品を眺めていた。
「おじさん、型が...って言っていたけどこれって、ある意味高値で売れるんじゃないのかな???」
目の前で、年季の入ったギターを見つめていた虎雅が俺にこう声をかけた。
「えっ、まぁ確かにビンテージって感じはするね。...って、あっ!!!このピックって、今はなきあの楽器の専門店にあった超レアものじゃないの!???(汗)嘘っ!???えっ、どうして!???」
俺があまりにも驚いた声を出したせいか、目の前にいた虎雅は、眉間にシワを寄せ、嫌そうな顔をしていた。
そんな虎雅は、全く目に入らず俺は、目の前にあるピックをただただじっと舐めまわすように見つめ続けていた。
俺達がバックヤードで品定めをしていた時、ガチャン...とお店のドアが開く音がした。
俺は、楽器を漁る手を止めて、バックヤードからおもむろにお店の方へと出ていった。
すると、目の前には俺達が今日、この店に来たとうの目的の人がたっていた。
「...あっ、貴方は...この間の。」
「お久しぶりです。...今日は、焚ちゃんでしたっけ?...一緒じゃ無いんですね??」
俺は、目を丸くしてバックヤードから出てきた、俺の事を見つめていた優さんに、ぎこちなく声をかけた。
そんな俺と同じように、どこか居心地の悪そうな顔をして、俺を見ていた優さんは、少し考えたあと、踵を返してお店から出ていこうとした。
俺は、そんな優さんを慌てて引き留めた。
「ちょっと待ってください!!...なにか用事があってこられたんじゃないんですか???...例えば、その~...ピアノを引きに来たとか...。『...っ!??...いや、別にそういうわけじゃ...。』...すみません...俺もこんなこと言うために、引き留めたんじゃないのに...。その...えっと、優さんのピアノを間近で聞かせて欲しいんです。無理を承知で失礼だってわかっているんですけど...でも、やっぱりあの時に聴いた乙4奏者であるあなたの曲に惹かれてしまって...。」
俺がここまで言うと、目の前の優さんは、何故か頬を少し赤らめて俯くと、小さな声でこう答えた。
「...俺の...ピアノ...そんなに気に入ってくれたんですか??...俺は、別に聴かれることは、気にしないので...。...それよりも、何故あなたが乙4奏者のことを知っているのですか!??...このことを知る人は、極一部のマニアだけだと言うのに...。」
優さんは、俺にピアノを聴かれることではなく、そのあとの乙4奏者の話に何故か妙に食いついてきた。
俺は、そんな優さんの様子に少しびっくりしたが、小さく微笑むと俺が乙4奏者のことを知った経緯を話した。
そんな俺の話に納得すると、乙4奏者のことを知っている二人に会わせて欲しいと言って、終始微笑んでいた。
なかなかバックヤードに戻ってこない俺を心配して、虎雅もバックヤードから出てくると、俺と優さんが仲良く話をしている姿を見て、声を荒らげて近づいてきた。
「えっ!???何がどうして...こんな状況に!???」
「いや...ちょっと、虎雅!??痛い...痛いから、そんな力強く肩を揺らさないで...!!!脱臼するよ!?」
「あっ、悪い悪い...。脱臼は言い過ぎ、骨折ぐらいだろ??って、骨折のが上だけどな!」
俺の肩を、思い切り前後に揺らしてきた虎雅と、俺の様子を見ていた優さんは、ビックリしていたが、次の瞬間、ぶっと吹き出した。
そんな優さんに俺は、苦笑いを浮かべながら、虎雅のことを紹介した。
「さっき話していた乙4奏者のことを知っている桜宮虎雅(さくらみや たいが)が、この人です。」
「えっ!??...俺の事で盛り上がっていたの...???」
虎雅がこの状況を理解出来ていないのは、放っておいて...俺は優さんに虎雅のことを改めて紹介した。
「いらっしゃ...おおっ!!虎雅くんじゃないか!!なに...??また、買い物に来てくれたのかい???おじさん、貧乏だから沢山楽器買っていってくれると嬉しいな~!(笑)」
「あははっ、おじさんは俺たちから、はしたお金貰わなくても、たくさん儲けているでしょ???...おじさん、いい人だし、若いし!!」
「おっ!!!虎雅くんも褒めるのが上手いな!!...よし、バックヤードに型が古いからもう捨てようと思っていたギターやベースの本体とか...弦とかあるんだけど、特別に好きなやつ持って帰っていいよ!!」
おじさんと素晴らしい会話を繰り広げた虎雅は、心底嬉しそうに俺を見てきた。
そんな虎雅が無性に可愛く思えて、俺はつられて笑ってしまった。
おじさんは、その後も虎雅と少し会話を楽しみ、少し外に出てくるからお店を見ておいて欲しいと言葉を残し、店を出ていった。
おじさんが居なくなった後、バックヤードの方に向かった俺達は、おじさんが言っていた処分品を眺めていた。
「おじさん、型が...って言っていたけどこれって、ある意味高値で売れるんじゃないのかな???」
目の前で、年季の入ったギターを見つめていた虎雅が俺にこう声をかけた。
「えっ、まぁ確かにビンテージって感じはするね。...って、あっ!!!このピックって、今はなきあの楽器の専門店にあった超レアものじゃないの!???(汗)嘘っ!???えっ、どうして!???」
俺があまりにも驚いた声を出したせいか、目の前にいた虎雅は、眉間にシワを寄せ、嫌そうな顔をしていた。
そんな虎雅は、全く目に入らず俺は、目の前にあるピックをただただじっと舐めまわすように見つめ続けていた。
俺達がバックヤードで品定めをしていた時、ガチャン...とお店のドアが開く音がした。
俺は、楽器を漁る手を止めて、バックヤードからおもむろにお店の方へと出ていった。
すると、目の前には俺達が今日、この店に来たとうの目的の人がたっていた。
「...あっ、貴方は...この間の。」
「お久しぶりです。...今日は、焚ちゃんでしたっけ?...一緒じゃ無いんですね??」
俺は、目を丸くしてバックヤードから出てきた、俺の事を見つめていた優さんに、ぎこちなく声をかけた。
そんな俺と同じように、どこか居心地の悪そうな顔をして、俺を見ていた優さんは、少し考えたあと、踵を返してお店から出ていこうとした。
俺は、そんな優さんを慌てて引き留めた。
「ちょっと待ってください!!...なにか用事があってこられたんじゃないんですか???...例えば、その~...ピアノを引きに来たとか...。『...っ!??...いや、別にそういうわけじゃ...。』...すみません...俺もこんなこと言うために、引き留めたんじゃないのに...。その...えっと、優さんのピアノを間近で聞かせて欲しいんです。無理を承知で失礼だってわかっているんですけど...でも、やっぱりあの時に聴いた乙4奏者であるあなたの曲に惹かれてしまって...。」
俺がここまで言うと、目の前の優さんは、何故か頬を少し赤らめて俯くと、小さな声でこう答えた。
「...俺の...ピアノ...そんなに気に入ってくれたんですか??...俺は、別に聴かれることは、気にしないので...。...それよりも、何故あなたが乙4奏者のことを知っているのですか!??...このことを知る人は、極一部のマニアだけだと言うのに...。」
優さんは、俺にピアノを聴かれることではなく、そのあとの乙4奏者の話に何故か妙に食いついてきた。
俺は、そんな優さんの様子に少しびっくりしたが、小さく微笑むと俺が乙4奏者のことを知った経緯を話した。
そんな俺の話に納得すると、乙4奏者のことを知っている二人に会わせて欲しいと言って、終始微笑んでいた。
なかなかバックヤードに戻ってこない俺を心配して、虎雅もバックヤードから出てくると、俺と優さんが仲良く話をしている姿を見て、声を荒らげて近づいてきた。
「えっ!???何がどうして...こんな状況に!???」
「いや...ちょっと、虎雅!??痛い...痛いから、そんな力強く肩を揺らさないで...!!!脱臼するよ!?」
「あっ、悪い悪い...。脱臼は言い過ぎ、骨折ぐらいだろ??って、骨折のが上だけどな!」
俺の肩を、思い切り前後に揺らしてきた虎雅と、俺の様子を見ていた優さんは、ビックリしていたが、次の瞬間、ぶっと吹き出した。
そんな優さんに俺は、苦笑いを浮かべながら、虎雅のことを紹介した。
「さっき話していた乙4奏者のことを知っている桜宮虎雅(さくらみや たいが)が、この人です。」
「えっ!??...俺の事で盛り上がっていたの...???」
虎雅がこの状況を理解出来ていないのは、放っておいて...俺は優さんに虎雅のことを改めて紹介した。
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