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「俺たちの活動開始んげき。」
「初めての練習。」
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俺は今、サークル棟にある練習部屋にきている。
ここは、俺が思っていた以上に凄い。
だって...。
俺がこんなことを考えていると、部屋の扉を開けて中に入ってきたのは、桜宮さんだった。
俺の姿に気付くと桜宮さんは、部屋に入り、楽器の準備をしながら、俺にこう声を掛けてきた。
「なぁ、優??優は、このバンドが毎回参加しているイベントの事って知ってるのか?」
俺は、ちょっと前に大学内をのんびり歩いている時に、芝生の近くにあるミニステージで、楽しそうに演奏をしていた桜宮さん達をみたことがあったから、そのことを桜宮さんに話した。
すると、桜宮さんは、少し驚きながらも嬉しそうな顔をして
「確かに、あの頃は大学内のステージに立って皆の前で発表していた。『していた???...ってことは...今は、発表してないんですか??』あぁ、まぁな。ちょっと...二ヶ月ほど前に、ごたごたがあってな...。」
桜宮さんの言葉に、俺はびっくりして、それまで窓の外に向けていた目を、桜宮さんの方に勢いよく向けた。
すると桜宮さんは、俺が思った通りで、とても悲しそうな顔をしていた...が、俺の目線に気がつくと、にこっと愛想のいい笑顔を見せてきた。
「まぁ、なんだ...。ごたごたは、俺が何とかするからさ!!今から一ヶ月後にあるステージ発表のために、練習頑張ろうな!!」
「...は...はい。」
桜宮さんは、こう言ってくれているけど、俺はさっきの桜宮さんの悲しそうな表情が頭にべっとりとこびりついて、曖昧な返事を返すことしか出来なかった。
そんな俺たちの間に流れていた、悲しい雰囲気を盛大にぶちこわして部屋に入ってきたのは、他でもない冬月さんだった。
「おはようごーーーーざいまーーーーす!!!!!虎雅~~~。(泣)聞いてよ~~~~!!!今日の朝、琉架(るか)におはようっていっただけなのに、殴られて...ほら、頭にたんこぶ出来ちゃったよ...!!!!!慰めて~~~~!!!」
「はぁ...。ま~た、五月蠅いのが来た...。...どうせお前が、弟くんにちょっかいかけかんだろ????...だから!!!って、毎回なんで抱きついてくるんだよ!?気持ち悪っ!!!お前...ちょっ!いいから離れろって!!!!『虎雅が慰めてくれるまで離れないからな!!!!』...何だよ!そのヘンテコな意地は!!迷惑じゃ、この馬鹿が!!!!!『そう言って...本当は、俺がこうやって絡んでこないと、さみしいんでしょ???もう、素直じゃないな~~~虎雅くんは!!!『はぁ!?誰が、寂しがってるだぁ~??自意識過剰も大概にしろよ!!この頭お花畑野郎めが...!!」
こう言って、目の前では冬月さんに抱きつかれた桜宮さんが、冬月さんの頭にげんこつを落としていたのだった。
そんな二人の様子を微笑ましく見ていた俺が、部屋の扉に付いた小窓から、俺たちの事をじぃーっと覗いている視線に、気がつくことはなかったのだった。
ここは、俺が思っていた以上に凄い。
だって...。
俺がこんなことを考えていると、部屋の扉を開けて中に入ってきたのは、桜宮さんだった。
俺の姿に気付くと桜宮さんは、部屋に入り、楽器の準備をしながら、俺にこう声を掛けてきた。
「なぁ、優??優は、このバンドが毎回参加しているイベントの事って知ってるのか?」
俺は、ちょっと前に大学内をのんびり歩いている時に、芝生の近くにあるミニステージで、楽しそうに演奏をしていた桜宮さん達をみたことがあったから、そのことを桜宮さんに話した。
すると、桜宮さんは、少し驚きながらも嬉しそうな顔をして
「確かに、あの頃は大学内のステージに立って皆の前で発表していた。『していた???...ってことは...今は、発表してないんですか??』あぁ、まぁな。ちょっと...二ヶ月ほど前に、ごたごたがあってな...。」
桜宮さんの言葉に、俺はびっくりして、それまで窓の外に向けていた目を、桜宮さんの方に勢いよく向けた。
すると桜宮さんは、俺が思った通りで、とても悲しそうな顔をしていた...が、俺の目線に気がつくと、にこっと愛想のいい笑顔を見せてきた。
「まぁ、なんだ...。ごたごたは、俺が何とかするからさ!!今から一ヶ月後にあるステージ発表のために、練習頑張ろうな!!」
「...は...はい。」
桜宮さんは、こう言ってくれているけど、俺はさっきの桜宮さんの悲しそうな表情が頭にべっとりとこびりついて、曖昧な返事を返すことしか出来なかった。
そんな俺たちの間に流れていた、悲しい雰囲気を盛大にぶちこわして部屋に入ってきたのは、他でもない冬月さんだった。
「おはようごーーーーざいまーーーーす!!!!!虎雅~~~。(泣)聞いてよ~~~~!!!今日の朝、琉架(るか)におはようっていっただけなのに、殴られて...ほら、頭にたんこぶ出来ちゃったよ...!!!!!慰めて~~~~!!!」
「はぁ...。ま~た、五月蠅いのが来た...。...どうせお前が、弟くんにちょっかいかけかんだろ????...だから!!!って、毎回なんで抱きついてくるんだよ!?気持ち悪っ!!!お前...ちょっ!いいから離れろって!!!!『虎雅が慰めてくれるまで離れないからな!!!!』...何だよ!そのヘンテコな意地は!!迷惑じゃ、この馬鹿が!!!!!『そう言って...本当は、俺がこうやって絡んでこないと、さみしいんでしょ???もう、素直じゃないな~~~虎雅くんは!!!『はぁ!?誰が、寂しがってるだぁ~??自意識過剰も大概にしろよ!!この頭お花畑野郎めが...!!」
こう言って、目の前では冬月さんに抱きつかれた桜宮さんが、冬月さんの頭にげんこつを落としていたのだった。
そんな二人の様子を微笑ましく見ていた俺が、部屋の扉に付いた小窓から、俺たちの事をじぃーっと覗いている視線に、気がつくことはなかったのだった。
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