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「俺たちの活動開始んげき。」
「...イベント当日。」
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俺達は、その時が来るのを、じっと息を潜めて、賑わうイベント会場の観客席で待ち構えていた。
そうして、ついに奈良間と話していた運命の時がやってきたのだった。
「はいっ!!クールで刺激的な音楽をありがとうございました!!...オンラインの皆さんでしたー!!...ということで、次に移りたいのですが、機械トラブルが出たようで...少々お待ちください。」
奈良間がこう言って、観客席にいる俺たちに目配せすると、ステージの袖に歩いていった。
奈良間の行動に観客席の学生からは、大ブーイングが起き始めていた。
ここからが、俺達の作戦実行スタートだ。
こう思った俺は、周りに座って俺の合図を、今か今かと待ち構えている仲間に目を合わせると、その場を立ち上がり、隠し持っていたギターを担ぐと、ステージに向かって走り出した。
それを合図に奏也は、奈良間からこっそり手渡されていたマイクを構えると、その場に立ち上がり、ステージに向かいながら、こう話し始めた。
「...はい!!!どうも~!!!大学一年でバンドに入った小宮山 奏也です。っていっても、多分知らないと思うけど...。そんなことは置いておいて、皆は知らないと思うけど、俺たちは今回このイベントを楽しみにしていたんだけど、どっかの誰かさんのせいで、俺たちはこのイベントに出ることが出来なくなっていたんだ。誰でも参加出来る、素晴らしいイベントのはずなのに、こんな理不尽な事があっていいと思いますか???俺は、思います!だって、俺たちだけ参加出来なくなっていたってことは、裏を返せば俺たちの演奏が、神がかりすぎていたって事とも捉えられない???っていうと、自意識過剰だ!!!って、野次を飛ばしてくれる人もいると思うので、時間もないですし~、早速、始めちゃいましょう!!!」
奏也のこの言葉に、同じく観客席に座っていたはやと先輩は、焦った顔をして事務と話をしているようだった。
後でこっぴどく叱られるだろうけど、そんな事、今は気にしてられない。
折角もらった機会だ。
自由なこの時を、精一杯楽しもう。
こう思った俺は、同じくステージに上がっていた仲間に視線を向けると、ギターを一回鳴らした。
それを合図に奏也が、観客の心を掴む必殺トークを繰り出したのだ。
「は~い!!バンド名は、未だに未決定ですが...、大切なのは、メンバー皆が皆さんに覚えてもらえること!と言うことで、みなさんの心を鷲掴みにしちゃうような曲をご提供するので、司会の方が戻られるまで、派手に暴れさせてもらいますね~!!!それじゃあ、いってみよう!!!ミュージック...スタート!!」
奏也の声を合図に俺はギターを、翔真はベース、優はピアノだけど...ピアノがないから代わりに...キーボード!奏也はボーカル、七緒はドラムを、それぞれ奏でだした。
始めは、野次を飛ばしまくっていた観客たちも、次第に俺たちの演奏と奏也の歌声に野次を飛ばすことさえ忘れて、聴き入りだしたのだった。
こうなれば、俺たちのペースに落としこんだも同然。
その後は、良く覚えていない。
最後までやり終わった後、ステージ袖から奈良間が出てきて、俺たちを外に連れ出して、混乱がなくなるように自然にイベントを続行させてくれた。
この後、当然のように俺たちは、大学の事務に呼ばれてお叱りを受けたことは、言うまでも無い。
でも、はっきり言うと、これまでのどのイベントよりも楽しかったし、やりきったという達成感があった。
それは、俺だけじゃなかったらしく、みんなも事務のお説教から解放された後、奏也の意見でパフェのおいしいカフェでお疲れ会をした時に、満面の笑みで俺にお礼を言ってくれた。
俺だけじゃない。
みんなが、翔真や優...それに奈良間が協力してくれたおかげで、実現できたんだ。
俺たちのバンド活動も、これからだと思っていた矢先...スプーンで生クリームをすくっていた奏也がこう尋ねてきた。
「ねぇ??今日思ったんだけど、俺たちのバンド名ってなんでないの???」
「あー、確かにそれは俺も思っていた。虎雅さん??なんで名前ないの??」
「...えっ、バンド名ないんですか!??(汗)」
「虎雅。確かに、今思えば俺たちってバンド結成決めたときから、名前つけてなかったね...。この際だし、今日のイベントの成功を祝って、記念にバンド名つけてしまう???」
俺は、皆の視線から逃れたくなり、目を一瞬伏せた。
だって、バンド名決めるの...俺、センスないから絶対いい案だせないんだから...。
だが、みんなは乗り気らしく、断る事が出来ない空気となってしまった。
「ねぇ?虎雅??皆でどんどん案を出していっていい物から決めない???」
俺の気持ちを察してくれたのか翔真が、こんな案をだしてくれたおかげで、皆の視線は俺から外れた。
俺は、隣に座る翔真に小声でありがとうというと、翔真は俺の方に視線を向け、小さな声で
「...いいよ。こんど飲み物おごってね!」
と笑いながら言うと、みんなの話に混ざりだしたのだった。
俺は、そんな翔真にこう思うのだった。
翔真は、馬鹿に見えて一番頼れる奴だと。
こんなこと翔真に言えば、また調子に乗るだろうから、一生言わないけどな。
そうして、ついに奈良間と話していた運命の時がやってきたのだった。
「はいっ!!クールで刺激的な音楽をありがとうございました!!...オンラインの皆さんでしたー!!...ということで、次に移りたいのですが、機械トラブルが出たようで...少々お待ちください。」
奈良間がこう言って、観客席にいる俺たちに目配せすると、ステージの袖に歩いていった。
奈良間の行動に観客席の学生からは、大ブーイングが起き始めていた。
ここからが、俺達の作戦実行スタートだ。
こう思った俺は、周りに座って俺の合図を、今か今かと待ち構えている仲間に目を合わせると、その場を立ち上がり、隠し持っていたギターを担ぐと、ステージに向かって走り出した。
それを合図に奏也は、奈良間からこっそり手渡されていたマイクを構えると、その場に立ち上がり、ステージに向かいながら、こう話し始めた。
「...はい!!!どうも~!!!大学一年でバンドに入った小宮山 奏也です。っていっても、多分知らないと思うけど...。そんなことは置いておいて、皆は知らないと思うけど、俺たちは今回このイベントを楽しみにしていたんだけど、どっかの誰かさんのせいで、俺たちはこのイベントに出ることが出来なくなっていたんだ。誰でも参加出来る、素晴らしいイベントのはずなのに、こんな理不尽な事があっていいと思いますか???俺は、思います!だって、俺たちだけ参加出来なくなっていたってことは、裏を返せば俺たちの演奏が、神がかりすぎていたって事とも捉えられない???っていうと、自意識過剰だ!!!って、野次を飛ばしてくれる人もいると思うので、時間もないですし~、早速、始めちゃいましょう!!!」
奏也のこの言葉に、同じく観客席に座っていたはやと先輩は、焦った顔をして事務と話をしているようだった。
後でこっぴどく叱られるだろうけど、そんな事、今は気にしてられない。
折角もらった機会だ。
自由なこの時を、精一杯楽しもう。
こう思った俺は、同じくステージに上がっていた仲間に視線を向けると、ギターを一回鳴らした。
それを合図に奏也が、観客の心を掴む必殺トークを繰り出したのだ。
「は~い!!バンド名は、未だに未決定ですが...、大切なのは、メンバー皆が皆さんに覚えてもらえること!と言うことで、みなさんの心を鷲掴みにしちゃうような曲をご提供するので、司会の方が戻られるまで、派手に暴れさせてもらいますね~!!!それじゃあ、いってみよう!!!ミュージック...スタート!!」
奏也の声を合図に俺はギターを、翔真はベース、優はピアノだけど...ピアノがないから代わりに...キーボード!奏也はボーカル、七緒はドラムを、それぞれ奏でだした。
始めは、野次を飛ばしまくっていた観客たちも、次第に俺たちの演奏と奏也の歌声に野次を飛ばすことさえ忘れて、聴き入りだしたのだった。
こうなれば、俺たちのペースに落としこんだも同然。
その後は、良く覚えていない。
最後までやり終わった後、ステージ袖から奈良間が出てきて、俺たちを外に連れ出して、混乱がなくなるように自然にイベントを続行させてくれた。
この後、当然のように俺たちは、大学の事務に呼ばれてお叱りを受けたことは、言うまでも無い。
でも、はっきり言うと、これまでのどのイベントよりも楽しかったし、やりきったという達成感があった。
それは、俺だけじゃなかったらしく、みんなも事務のお説教から解放された後、奏也の意見でパフェのおいしいカフェでお疲れ会をした時に、満面の笑みで俺にお礼を言ってくれた。
俺だけじゃない。
みんなが、翔真や優...それに奈良間が協力してくれたおかげで、実現できたんだ。
俺たちのバンド活動も、これからだと思っていた矢先...スプーンで生クリームをすくっていた奏也がこう尋ねてきた。
「ねぇ??今日思ったんだけど、俺たちのバンド名ってなんでないの???」
「あー、確かにそれは俺も思っていた。虎雅さん??なんで名前ないの??」
「...えっ、バンド名ないんですか!??(汗)」
「虎雅。確かに、今思えば俺たちってバンド結成決めたときから、名前つけてなかったね...。この際だし、今日のイベントの成功を祝って、記念にバンド名つけてしまう???」
俺は、皆の視線から逃れたくなり、目を一瞬伏せた。
だって、バンド名決めるの...俺、センスないから絶対いい案だせないんだから...。
だが、みんなは乗り気らしく、断る事が出来ない空気となってしまった。
「ねぇ?虎雅??皆でどんどん案を出していっていい物から決めない???」
俺の気持ちを察してくれたのか翔真が、こんな案をだしてくれたおかげで、皆の視線は俺から外れた。
俺は、隣に座る翔真に小声でありがとうというと、翔真は俺の方に視線を向け、小さな声で
「...いいよ。こんど飲み物おごってね!」
と笑いながら言うと、みんなの話に混ざりだしたのだった。
俺は、そんな翔真にこう思うのだった。
翔真は、馬鹿に見えて一番頼れる奴だと。
こんなこと翔真に言えば、また調子に乗るだろうから、一生言わないけどな。
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