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第8章 「俺達の...スタートライン。」
「奴らとの出会い。」
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俺たちが控え室に入り、緊張した面持ちで、出番を待っていた時...そう...事件は起こった。
「あれ~!!!誰かと思えば、虎雅くんじゃーん!!!どうしたの~、こんな所まで???」
...嘘だろ...なんでこいつらが、ここに居るんだよ!!!
だって、このウィン・ソニは、デモテープを送って選ばれた人達だけが、実際に会場に来ることを許される世界のはずだろ...。
...なのになんで...なんで......奴らが???
俺は、目の前に現れた人物に...同様が隠しきれず、唇を震わせながらその人物を見つめていた。
「ねぇ...久しぶりにあった先輩に対しての態度が......これ???......生意気なんだよ。」
俺の耳元に顔を寄せてきた......俺の元バンドメンバーの先輩......は、俺にこんなことを言って、その場を去っていった。
「...気の遣えないお前らのバンドが、ちゃんと演奏出来るわけないじゃん。...夢見るのも大概にしな??...じゃあね、恥かかないうちに、とっととお家へ帰った方がいいよ。(笑)」
俺は、怒りで震える拳を必死に握りしめていた。
そんな俺に気がついたのか、翔真は俺の肩を叩くと満面の笑みで、苛立つ俺へこんな言葉をくれた。
「虎雅???...なんだろうね、さっきの人たち。...初対面のくせして失礼だよね~。...ほら、もうすぐ俺たちの番だよ??ねぇ、リーダーなんだから、仲間をビシッとまとめてよね!」
「...あっ...あぁ...そうだよな。......ありがとう...翔真。」
正直...翔真が俺に声をかけてくれなかったら、俺は憎い先輩達を追って、思い切り拳をふり下げていたと思う。
...だから...翔真には、感謝している...。
そうして、俺たちの番がやってきた。
『...失礼します。』
みんなで声をかけながら、部屋の中に入ると...そこには、いかにも面接官です!っていう雰囲気が漂う3人の面接官が、俺たちのことを待っていた。
俺達は、彼らと向き合う形で部屋の中央まで行くと、横一列に並び、面接官の言葉を待った。
「...はい、よろしくお願いします。...早速なんですけど、受付番号と...名前を1人ずつ教えてくれるかな??」
面接官のこの言葉に俺たちの、心拍数は上昇真っ只中だった。
そんな緊張した空気の中、俺たちの運命を決める第一歩の面接が始まりを告げたのだった。
そうして無事に面接が終わり...
「はい...本日は以上となります。...綺麗な音色......とてもよく揃っていて聴いていて心地よかったです。これからも......頑張って下さいね。」
『...ありがとうございます。......失礼します。』
と言って、みんなで部屋を出たのだった。
部屋を出た瞬間に俺達は、一斉に溜息をつき出した。
緊張しすぎて、ろくに酸素を吸っていなかったからか...呼吸が苦しくてたまらなかった...。
俺たちは、それほどまでに、緊張していたのだと、部屋を出てから始めて実感したのだった...。
俺達は、会場を出るまで一言も喋らずに朝と同じように電車に乗り込むと、これまた朝と同じように、陽気な声で...翔真が、話し出した。
「いや~、楽しかったねぇ~!!!...俺達のこと、きっと分かってくれたよね!!」
全く...翔真の能天気さには呆れるな...。...でも今は、この行きすぎるぐらいの能天気さが、みんなの疲れた心を癒してくれる、丁度いいものになっていたのも、事実だった。
そんな翔真に、珍しく反応したのは優だった。
「...翔真。...俺も楽しかった。...面接官に、俺たちの思いが伝わっているといいな。」
「だよな!!...いや~、優はやっぱり分かるやつだよな!!!」
優と翔真の会話に、その場にいた全員の肩の荷が、やっと減少していき、気がつけば、いつもの『月並み』の温度に戻っていた。
...面接官が...褒めてくれたんだ。
手応えがあったと思うのは、悪いことじゃないだろう...多分な。
俺は、内心こう考えながら、目の前で持参した駄菓子をみんなに配って、簡易お菓子大会をしている奏也に、苦笑いを向けこう言うのだった。
「奏也、散らかしたらダメだからな???お菓子、クズこぼさないように、上手に食べるんだぞ??」
「あれ~!!!誰かと思えば、虎雅くんじゃーん!!!どうしたの~、こんな所まで???」
...嘘だろ...なんでこいつらが、ここに居るんだよ!!!
だって、このウィン・ソニは、デモテープを送って選ばれた人達だけが、実際に会場に来ることを許される世界のはずだろ...。
...なのになんで...なんで......奴らが???
俺は、目の前に現れた人物に...同様が隠しきれず、唇を震わせながらその人物を見つめていた。
「ねぇ...久しぶりにあった先輩に対しての態度が......これ???......生意気なんだよ。」
俺の耳元に顔を寄せてきた......俺の元バンドメンバーの先輩......は、俺にこんなことを言って、その場を去っていった。
「...気の遣えないお前らのバンドが、ちゃんと演奏出来るわけないじゃん。...夢見るのも大概にしな??...じゃあね、恥かかないうちに、とっととお家へ帰った方がいいよ。(笑)」
俺は、怒りで震える拳を必死に握りしめていた。
そんな俺に気がついたのか、翔真は俺の肩を叩くと満面の笑みで、苛立つ俺へこんな言葉をくれた。
「虎雅???...なんだろうね、さっきの人たち。...初対面のくせして失礼だよね~。...ほら、もうすぐ俺たちの番だよ??ねぇ、リーダーなんだから、仲間をビシッとまとめてよね!」
「...あっ...あぁ...そうだよな。......ありがとう...翔真。」
正直...翔真が俺に声をかけてくれなかったら、俺は憎い先輩達を追って、思い切り拳をふり下げていたと思う。
...だから...翔真には、感謝している...。
そうして、俺たちの番がやってきた。
『...失礼します。』
みんなで声をかけながら、部屋の中に入ると...そこには、いかにも面接官です!っていう雰囲気が漂う3人の面接官が、俺たちのことを待っていた。
俺達は、彼らと向き合う形で部屋の中央まで行くと、横一列に並び、面接官の言葉を待った。
「...はい、よろしくお願いします。...早速なんですけど、受付番号と...名前を1人ずつ教えてくれるかな??」
面接官のこの言葉に俺たちの、心拍数は上昇真っ只中だった。
そんな緊張した空気の中、俺たちの運命を決める第一歩の面接が始まりを告げたのだった。
そうして無事に面接が終わり...
「はい...本日は以上となります。...綺麗な音色......とてもよく揃っていて聴いていて心地よかったです。これからも......頑張って下さいね。」
『...ありがとうございます。......失礼します。』
と言って、みんなで部屋を出たのだった。
部屋を出た瞬間に俺達は、一斉に溜息をつき出した。
緊張しすぎて、ろくに酸素を吸っていなかったからか...呼吸が苦しくてたまらなかった...。
俺たちは、それほどまでに、緊張していたのだと、部屋を出てから始めて実感したのだった...。
俺達は、会場を出るまで一言も喋らずに朝と同じように電車に乗り込むと、これまた朝と同じように、陽気な声で...翔真が、話し出した。
「いや~、楽しかったねぇ~!!!...俺達のこと、きっと分かってくれたよね!!」
全く...翔真の能天気さには呆れるな...。...でも今は、この行きすぎるぐらいの能天気さが、みんなの疲れた心を癒してくれる、丁度いいものになっていたのも、事実だった。
そんな翔真に、珍しく反応したのは優だった。
「...翔真。...俺も楽しかった。...面接官に、俺たちの思いが伝わっているといいな。」
「だよな!!...いや~、優はやっぱり分かるやつだよな!!!」
優と翔真の会話に、その場にいた全員の肩の荷が、やっと減少していき、気がつけば、いつもの『月並み』の温度に戻っていた。
...面接官が...褒めてくれたんだ。
手応えがあったと思うのは、悪いことじゃないだろう...多分な。
俺は、内心こう考えながら、目の前で持参した駄菓子をみんなに配って、簡易お菓子大会をしている奏也に、苦笑いを向けこう言うのだった。
「奏也、散らかしたらダメだからな???お菓子、クズこぼさないように、上手に食べるんだぞ??」
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