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第5章 「動き出した...言の葉。」
「サラと俺の関係。」
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「サラ...手術、頑張れよ。それで手術が成功したら、直ぐに結婚しような。」
こう言った壮馬に、これから手術室に向かおうと、ベッドを移動させに来た看護師さんに
「待って!!」
と短く告げたサラは、
「お兄ちゃん...うん、私頑張ってくる!!だから、退院したら...結婚しようね!!(笑)」
と言うと、そのまま看護師さんに連れられて、手術室へと入っていったのだった。
一人取り残された壮馬は、手術室の使用中ランプが点灯したのを確認すると、小さく一言
「サラ...ほんとに頑張れよ。兄ちゃん、応援してるからな。」
と言って、待合室へと足を運ぶのだった。
待合室に入った壮馬は、入り口近くのソファに、ストンと腰を下ろすと、頭の中であることを考えていた。
ぶん太は、このことを知らないんだな...だから、サラも俺のことを知らなかったんだな...まぁ、この際好都合だけどな。
実を言うと...ぶん太の両親は、再婚している。
あのレイプ魔の変態オヤジが、前に付き合っていた女の人との間に生まれた恵まれない子供が俺ってわけで...。
まさか、俺と同じようにぶん太もあのエロ親父に、毎晩嫌々抱かれていたなんて...。
俺が身代わりになってやれなくて、ぶん太があんなふうになって......俺は、母親は違えど、紛れもなくぶん太の兄だ。
だから、助けてやらなければならなかった...なのに、酷いこともした......はぁ...。
そうして、ぶん太の妹であるサラが誕生してからというもの...ぶん太は、妹であるサラの事を守るために、幼いながらも、毎日あのエロ親父の相手をしていた。
ぶん太は守りたかったんだ。
唯一、自分のことを慕ってくれる可愛い可愛い妹を。
でも、現実はそう甘くはなかった...。
ぶん太が...恋を好きになったことで、ぶん太の妹であるサラは、自身と交したある約束を破られたと言い、そのまま3階建てのアパートの屋上から飛び降りて......。
サラは、それ以来記憶を無くしているらしい...それも兄であるぶん太の...。
ぶん太は、自分のせいでとそれ以来、自分を酷く責めるようになり、唯一の罪滅ぼしという意味合いも込めて、サラの病室に通っては、毎回思い出して貰えるように、声をかけていたのだそうだ。
そんな、報われないぶん太の過去を知った時、俺は決めたんだ。
ぶん太の妹は、俺が一生をかけて面倒をみるって。
だから...これでいいんだ。
これで、ぶん太とサラの両方を救ってやることが出来る。
恋...ぶん太のことを...俺の大切な弟のことをよろしくな。
こう考えながら、俺は静寂の中、待合室のソファで、小さくうたた寝をしてしまっていたのだった。
こう言った壮馬に、これから手術室に向かおうと、ベッドを移動させに来た看護師さんに
「待って!!」
と短く告げたサラは、
「お兄ちゃん...うん、私頑張ってくる!!だから、退院したら...結婚しようね!!(笑)」
と言うと、そのまま看護師さんに連れられて、手術室へと入っていったのだった。
一人取り残された壮馬は、手術室の使用中ランプが点灯したのを確認すると、小さく一言
「サラ...ほんとに頑張れよ。兄ちゃん、応援してるからな。」
と言って、待合室へと足を運ぶのだった。
待合室に入った壮馬は、入り口近くのソファに、ストンと腰を下ろすと、頭の中であることを考えていた。
ぶん太は、このことを知らないんだな...だから、サラも俺のことを知らなかったんだな...まぁ、この際好都合だけどな。
実を言うと...ぶん太の両親は、再婚している。
あのレイプ魔の変態オヤジが、前に付き合っていた女の人との間に生まれた恵まれない子供が俺ってわけで...。
まさか、俺と同じようにぶん太もあのエロ親父に、毎晩嫌々抱かれていたなんて...。
俺が身代わりになってやれなくて、ぶん太があんなふうになって......俺は、母親は違えど、紛れもなくぶん太の兄だ。
だから、助けてやらなければならなかった...なのに、酷いこともした......はぁ...。
そうして、ぶん太の妹であるサラが誕生してからというもの...ぶん太は、妹であるサラの事を守るために、幼いながらも、毎日あのエロ親父の相手をしていた。
ぶん太は守りたかったんだ。
唯一、自分のことを慕ってくれる可愛い可愛い妹を。
でも、現実はそう甘くはなかった...。
ぶん太が...恋を好きになったことで、ぶん太の妹であるサラは、自身と交したある約束を破られたと言い、そのまま3階建てのアパートの屋上から飛び降りて......。
サラは、それ以来記憶を無くしているらしい...それも兄であるぶん太の...。
ぶん太は、自分のせいでとそれ以来、自分を酷く責めるようになり、唯一の罪滅ぼしという意味合いも込めて、サラの病室に通っては、毎回思い出して貰えるように、声をかけていたのだそうだ。
そんな、報われないぶん太の過去を知った時、俺は決めたんだ。
ぶん太の妹は、俺が一生をかけて面倒をみるって。
だから...これでいいんだ。
これで、ぶん太とサラの両方を救ってやることが出来る。
恋...ぶん太のことを...俺の大切な弟のことをよろしくな。
こう考えながら、俺は静寂の中、待合室のソファで、小さくうたた寝をしてしまっていたのだった。
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