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第3章 「私と二人の男。」
あっ、やべ...どーするかな...?
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エピーヌが意識を手放し、身体がぐったりとしたことによりようやく吸血鬼の男は、エピーヌの首から口を離した。
「...あっ、やべ...ちょ~っと貰うつもりだったのに...また、やっちまった...。」
そう言って片腕でエピーヌの身体を支えるともう片方の手で、頭をかいてこれからどうするかを考えていた。
こいつの名前は、ラグル・クリトス。さっきも言っていたが、大の女嫌いで、人間のことは、餌としか見ていない。
そんなラグルは、困った挙句ある一人の男の元を訪れた。
コンコンッとドアをノックすると
「はーい、何方(どなた)ですか??」と言って中から出てきた男は、ラグルを見据えると
「えっ...ラグル??どうした...??というか、えっ...なに??女嫌いのお前が、綺麗な女の子を抱えて来るって...。一体どういう風の吹き回しだ??」
と言って訝(いぶか)しげな顔をしたこの男、ニーソンは、ラグルをじっと見つめていた。
「...違う...。こいつは...森の中に真夜中だというのに入ってきてて、この時間帯にこんなに人気のないところに来るぐらいだから、てっきり自殺願望のあるやつだと思って...。だったら、血を貰ってもいいかな~って...。飲んだら...気ぃ~失っちまってて...どうしようかな~なんて考えて、咄嗟にお前の顔が頭に浮かんだから来たって訳だ。...頼む。一日だけこの子を泊めてあげてほしい...。もう夜も遅いし...外にいることは、危険なんだろ...??」
ラグルは、そっぽを向き少し頬を赤らめながらニーソンに頼み事をした。
そんなラグルの様子に目を丸くして
「他人には、興味を示さないお前にしては、優しいところもあるんだな...。どういう風の吹き回しだ...??」
と言って聞くと、ラグルは、ムキになり
「...あぁ??...わりぃ~かよ...。(照)」
と言った。
そんなラグルに対してニーソンは、ごめんごめんという仕草をして
「いや、俺は、構わないよ...??わかった。この子を泊めてあげればいいんだね。」
と言ってラグルに微笑むとラグルは
「...あぁ、それじゃあ...。」
と言って去っていこうとしたため、慌ててニーソンは
「おい!もう夜も遅いし、お前も久しぶりに泊まっていったらどうだ??」
と言い、ラグルの様子を伺った。
ラグルは、少し考えるような仕草をして
「...まぁ、たしかに最近起こっている事件を調べるために、ただでさえ息苦しいこっちの世界に居ないといけないしな...。だが、仮にも俺は...『大丈夫だよ!!お前は、他の吸血鬼とは違う...。それは、俺が一番よく分かっている。だから、俺の前では、気なんか遣わなくていいんだからな...??』...。」
ラグルが気を遣っていることを察したニーソンは、ラグルに自分の前では、気をつかわないでほしいと言うと、ラグルは、暫く沈黙したままだったがやがて、ふっと息を吐くと
「...はぁ、わかった。なら、泊まっていかせてもらうことにする。」
と言い、一瞬足を進めるか戸惑っていたが、やがて決心するとニーソンの家に、足を踏み入れたのだった。
「...あっ、やべ...ちょ~っと貰うつもりだったのに...また、やっちまった...。」
そう言って片腕でエピーヌの身体を支えるともう片方の手で、頭をかいてこれからどうするかを考えていた。
こいつの名前は、ラグル・クリトス。さっきも言っていたが、大の女嫌いで、人間のことは、餌としか見ていない。
そんなラグルは、困った挙句ある一人の男の元を訪れた。
コンコンッとドアをノックすると
「はーい、何方(どなた)ですか??」と言って中から出てきた男は、ラグルを見据えると
「えっ...ラグル??どうした...??というか、えっ...なに??女嫌いのお前が、綺麗な女の子を抱えて来るって...。一体どういう風の吹き回しだ??」
と言って訝(いぶか)しげな顔をしたこの男、ニーソンは、ラグルをじっと見つめていた。
「...違う...。こいつは...森の中に真夜中だというのに入ってきてて、この時間帯にこんなに人気のないところに来るぐらいだから、てっきり自殺願望のあるやつだと思って...。だったら、血を貰ってもいいかな~って...。飲んだら...気ぃ~失っちまってて...どうしようかな~なんて考えて、咄嗟にお前の顔が頭に浮かんだから来たって訳だ。...頼む。一日だけこの子を泊めてあげてほしい...。もう夜も遅いし...外にいることは、危険なんだろ...??」
ラグルは、そっぽを向き少し頬を赤らめながらニーソンに頼み事をした。
そんなラグルの様子に目を丸くして
「他人には、興味を示さないお前にしては、優しいところもあるんだな...。どういう風の吹き回しだ...??」
と言って聞くと、ラグルは、ムキになり
「...あぁ??...わりぃ~かよ...。(照)」
と言った。
そんなラグルに対してニーソンは、ごめんごめんという仕草をして
「いや、俺は、構わないよ...??わかった。この子を泊めてあげればいいんだね。」
と言ってラグルに微笑むとラグルは
「...あぁ、それじゃあ...。」
と言って去っていこうとしたため、慌ててニーソンは
「おい!もう夜も遅いし、お前も久しぶりに泊まっていったらどうだ??」
と言い、ラグルの様子を伺った。
ラグルは、少し考えるような仕草をして
「...まぁ、たしかに最近起こっている事件を調べるために、ただでさえ息苦しいこっちの世界に居ないといけないしな...。だが、仮にも俺は...『大丈夫だよ!!お前は、他の吸血鬼とは違う...。それは、俺が一番よく分かっている。だから、俺の前では、気なんか遣わなくていいんだからな...??』...。」
ラグルが気を遣っていることを察したニーソンは、ラグルに自分の前では、気をつかわないでほしいと言うと、ラグルは、暫く沈黙したままだったがやがて、ふっと息を吐くと
「...はぁ、わかった。なら、泊まっていかせてもらうことにする。」
と言い、一瞬足を進めるか戸惑っていたが、やがて決心するとニーソンの家に、足を踏み入れたのだった。
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