ダメな私と吸血鬼

日向 ずい

文字の大きさ
47 / 62
第8章 「人間界と魔界の繋がりについて」

いざ、戦闘開始だ!

しおりを挟む
 次の日、エピーヌは自室で気合を入れるとベッドから立ち上がり、元気に一階のリビングへと降りていった。
「おはよう!!さあ!!今日は、いざ、戦闘開始よ!!!」
と言ってリビングで自分の武器でもある携帯用ナイフと魔石の手入れをするニーソンは、エピーヌを見るとニコッと笑い
「...ははっ、気合十分だな~!!おはよう!昨晩は、よく眠れたかな???(笑)」
と言って聞くとエピーヌは曖昧な顔をして
「うーん、今日のことが楽しみすぎて...あんまり眠れなかったわ...。(笑)」
と言ってニーソンを見つめた。
そんなエピーヌにニーソンは、一瞬表情を歪めたが、ニコッと笑うと
「そっか...。今日の戦闘で応えなきゃいいな...。(汗)」
と言って、ラグルに声をかけておいでとエピーヌの頭を撫でると、自分の道具の整備を再開しだした。
「ねぇ??ラグル...おはよう!!昨日は、ワガママ言ってごめんなさい...。でも、私...『あぁ、大丈夫だ。全部わかってる...。だから今日は、お前の気が済むまで暴れまくっていいぞ...。だけど、一つだけ...絶対に後悔だけはすんな...。...分かったな??』......えぇ...もちろんよ!!!」
と言ったエピーヌの頭を乱暴に撫でると優しい表情をして一回深く頷いた。
そうして各自の準備が済み、ラグルが一声かけた。
「...皆...ちょっといいか??...もしこの戦いで誰が殺られてもそれは...無駄ではない...。戦場では、己が第一だ!!...それを決して忘れるな...!!」
「...何を今更。(笑)んなこと...百も承知だ!!!(笑)」
と言ってラグルの肩を叩き、家を出ていったニーソンは、強い意志を背負っているようだった。
 「...エピーヌ??...お前も...人より己だ...。ただ自分を守り...ただ敵...相手を倒すことだけを考えて...全力でやりきれ!!!分かったな??」
「...えぇ!!わかったわ!!!己がいちばんね!!(笑)」
と言ってラグルに元気よく頷くと、頭を撫でられて
「ははっ、それでこそ...俺とニーソンが認めただけはあるな!!!(笑)」
と言って玄関を出ていった。
残されたエピーヌは
「...えっと...つまり、それって...仲間ってこと!???嘘!??ねぇ、ラグル!!さっきの言葉の意味って...!!!」
と興奮気味に玄関を出ていったエピーヌなのであった。
「...頑張ってくださいね...。天上からしっかり見守っていますから...。」
と静寂に包まれた家の中から優しく暖かな声が響いているのは...誰も知らないお話...。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

冷徹宰相様の嫁探し

菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。 その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。 マレーヌは思う。 いやいやいやっ。 私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!? 実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。 (「小説家になろう」でも公開しています)

【完結】番である私の旦那様

桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族! 黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。 バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。 オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。 気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。 でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!) 大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです! 神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。 前半は転移する前の私生活から始まります。

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは六歳の誕生日までは天使のように可愛らしい子供だった。ところが突然、ロバのような顔になってしまう。残念な姿に成長した『残念姫』と呼ばれるアンジェリカ。友達は男爵家のウォルターただ一人。そんなある日、隣国から素敵な王子様が留学してきて……

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

処理中です...