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17歳
818 間違えてない
結婚結婚とうるさい毛玉を睨んで黙らせる。驚きに目を見開くマーティーは、忙しなく俺とティアンを見比べた。しかし俺とティアンが口を閉ざしたままなので、マーティーの困った視線がガブリエルへと向かう。
そっと目を伏せるガブリエルは、おそらく色々なことを聞かなかったことにしてくれるつもりなのだろう。すごく気の利く従者である。王族に仕えるには、これくらい気が利かないとダメなのだろうか。マーティーの視線に気がついていながら、決して目を合わせることはない。
「知らなかったのか? ティアンはルイスのことが好きなんだと」
なぜか積極的にバラしにいくユリスは、タイラーに注意されても平気な顔である。
「……なんでルイスなんだ? たしかに顔はいいが、中身はちょっと」
「ちょっと、なに?」
中途半端な姿勢で固まるマーティーは、なんだか失礼なことを口走っている気がする。俺がちょっとなんだって?
肘で小突いて先を促すが、マーティーは口をもごもごさせるだけではっきり言わない。
「俺がなに!?」
「あ、いや。その、恋人にするにはちょっと面倒だろ」
「俺のどこが面倒なんだ!」
腹が立ったので、勢いでマーティーの頭を叩いてやった。あまり叩かれた経験がないのか。驚いたように肩をすくめたマーティーは「なにをするんだ!」と大声を出す。まぁ、これでもマーティーは王族である。普通に考えて叩かれることなんてないだろう。
俺に触発されたのか。ユリスがわざわざ立ち上がってマーティーの背後をとった。そのまま無言でマーティーの頭を叩こうとしている。危機を察知したタイラーによって止められているけど。
ユリスにビビるマーティーは、立ち上がって俺の隣にぴたりと張り付いた。鬱陶しいが、なんだか情けない顔のマーティーを振り払うのは可哀想な気もする。
「本当か? 本当にルイスのことが好きなのか? なんか騙されてないか」
ティアンに向けて真剣な顔で確認をするマーティーはすごく失礼。ティアンが気まずい顔で咳払いをしている。ガブリエルは、なにも聞こえませんという顔で控えている。すごいな、ガブリエル。ここにジャンがいたら、きっと目に見えて動揺していたと思う。
ジャンは今頃、俺の部屋の片付けでもしていると思う。エリックを綿毛ちゃんと共に出迎えると言って部屋を出てきた俺である。あとでエリックのこと連れてくるから片付けといてとジャンにお願いしていたのだ。俺がなかなか戻ってこないので、ジャンも心配しているかもしれない。
ぼんやりそんなことを考えていると、ティアンが俺をじっと見つめていることに気がついた。なんだろう。俺にお伺いを立てたいような雰囲気である。
あ、マーティーにどこまで言っていいのかってこと?
マーティーだしな。従兄弟だし。別に隠す必要はない。
「あのね、俺はティアンと付き合うことにしたから。俺、恋人できたってことだよ。マーティーと違ってモテるからね」
「……は?」
もう一度「は?」と言ったマーティーは、眉間に皺がぎゅっと寄っている。変な顔。
「……僕も、それなりにモテるが?」
「あ、そうなんだ」
さすがマーティー。
たっぷり時間をかけて発した言葉がこれである。マーティーがモテる場面なんて想像できないけどな。でも一応は王子様だしね。なんかモテちゃうのかもしれない。
けれどもユリスは納得しない。
「なんで変な見栄を張るんだ?」
マーティーに強気で詰め寄るユリスに、マーティーがたじろいだ。「見栄なんて」ともごもご言っている。見栄を張ったのか?
『オレもモテるよ! 可愛い毛玉だからね!』
えっへんと胸を張る綿毛ちゃんは、いまいち話を理解していない。綿毛ちゃんはもふもふ毛玉だから人気なだけだ。モテるとは違う。
「ルイスと付き合って、大変じゃないのか?」
「さっきから失礼だぞ」
ティアンに対して変な質問を投げるマーティーは、まるで俺が面倒な人間と言わんばかりの態度だ。
しかしティアンは優しい。やや引きつった顔ではあるが、笑顔で「大変ではないですよ」と言ってくれた。これに俺は笑顔になっちゃう。へへっと笑っていると、綿毛ちゃんが『オレも? オレも大変じゃない?』と変な割り込みをしてくる。毛玉は黙っているんだ。微妙に話が噛み合っていないぞ。
そっと目を伏せるガブリエルは、おそらく色々なことを聞かなかったことにしてくれるつもりなのだろう。すごく気の利く従者である。王族に仕えるには、これくらい気が利かないとダメなのだろうか。マーティーの視線に気がついていながら、決して目を合わせることはない。
「知らなかったのか? ティアンはルイスのことが好きなんだと」
なぜか積極的にバラしにいくユリスは、タイラーに注意されても平気な顔である。
「……なんでルイスなんだ? たしかに顔はいいが、中身はちょっと」
「ちょっと、なに?」
中途半端な姿勢で固まるマーティーは、なんだか失礼なことを口走っている気がする。俺がちょっとなんだって?
肘で小突いて先を促すが、マーティーは口をもごもごさせるだけではっきり言わない。
「俺がなに!?」
「あ、いや。その、恋人にするにはちょっと面倒だろ」
「俺のどこが面倒なんだ!」
腹が立ったので、勢いでマーティーの頭を叩いてやった。あまり叩かれた経験がないのか。驚いたように肩をすくめたマーティーは「なにをするんだ!」と大声を出す。まぁ、これでもマーティーは王族である。普通に考えて叩かれることなんてないだろう。
俺に触発されたのか。ユリスがわざわざ立ち上がってマーティーの背後をとった。そのまま無言でマーティーの頭を叩こうとしている。危機を察知したタイラーによって止められているけど。
ユリスにビビるマーティーは、立ち上がって俺の隣にぴたりと張り付いた。鬱陶しいが、なんだか情けない顔のマーティーを振り払うのは可哀想な気もする。
「本当か? 本当にルイスのことが好きなのか? なんか騙されてないか」
ティアンに向けて真剣な顔で確認をするマーティーはすごく失礼。ティアンが気まずい顔で咳払いをしている。ガブリエルは、なにも聞こえませんという顔で控えている。すごいな、ガブリエル。ここにジャンがいたら、きっと目に見えて動揺していたと思う。
ジャンは今頃、俺の部屋の片付けでもしていると思う。エリックを綿毛ちゃんと共に出迎えると言って部屋を出てきた俺である。あとでエリックのこと連れてくるから片付けといてとジャンにお願いしていたのだ。俺がなかなか戻ってこないので、ジャンも心配しているかもしれない。
ぼんやりそんなことを考えていると、ティアンが俺をじっと見つめていることに気がついた。なんだろう。俺にお伺いを立てたいような雰囲気である。
あ、マーティーにどこまで言っていいのかってこと?
マーティーだしな。従兄弟だし。別に隠す必要はない。
「あのね、俺はティアンと付き合うことにしたから。俺、恋人できたってことだよ。マーティーと違ってモテるからね」
「……は?」
もう一度「は?」と言ったマーティーは、眉間に皺がぎゅっと寄っている。変な顔。
「……僕も、それなりにモテるが?」
「あ、そうなんだ」
さすがマーティー。
たっぷり時間をかけて発した言葉がこれである。マーティーがモテる場面なんて想像できないけどな。でも一応は王子様だしね。なんかモテちゃうのかもしれない。
けれどもユリスは納得しない。
「なんで変な見栄を張るんだ?」
マーティーに強気で詰め寄るユリスに、マーティーがたじろいだ。「見栄なんて」ともごもご言っている。見栄を張ったのか?
『オレもモテるよ! 可愛い毛玉だからね!』
えっへんと胸を張る綿毛ちゃんは、いまいち話を理解していない。綿毛ちゃんはもふもふ毛玉だから人気なだけだ。モテるとは違う。
「ルイスと付き合って、大変じゃないのか?」
「さっきから失礼だぞ」
ティアンに対して変な質問を投げるマーティーは、まるで俺が面倒な人間と言わんばかりの態度だ。
しかしティアンは優しい。やや引きつった顔ではあるが、笑顔で「大変ではないですよ」と言ってくれた。これに俺は笑顔になっちゃう。へへっと笑っていると、綿毛ちゃんが『オレも? オレも大変じゃない?』と変な割り込みをしてくる。毛玉は黙っているんだ。微妙に話が噛み合っていないぞ。
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