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17歳
866 わかってしまった(sideカミール)
しばらくテオドールと無意味な会話を続けていた俺であるが、その間もずっと寝室から出てこないルイス様のことが気になって仕方がない。
まさか本当に寝たのか?
気になっていたのはテオドールも同様。チラチラと寝室のドアに目をやっていた彼だが、おもむろに立ち上がった。
「おい」
「ちょっと様子見るだけだって」
ひらひらと手を振るテオドールは、なぜか足音を殺してドアに近寄る。その動き、怪しいからやめろ。
そのまま音を立てないように、ゆっくりとドアノブを回すテオドール。
細く開いたドアを覗いて中の様子を確認しているが、特に物音は聞こえてこない。するとテオドールが急に大胆になった。
ドアを大きく開け放った彼は、早足に中へと入る。
驚いた俺は、慌てて後を追った。
ベッドまで近寄った彼は、ルイス様の顔を覗き込んだ。
「……寝てる」
「本当に寝たの?」
俺も隣に行くと、そこには確かにすやすや眠るルイス様がいた。枕元には猫ちゃんもいる。
「え? どうする?」
テオドールに丸投げしたい気になるが、そういうわけにもいかないだろう。俺の部屋に移るかと尋ねると、テオドールが腕を組んだ。
「誰か呼ぶ? 一応報告しておいた方がよくないか」
「テオドールにしてはまともなことを言ったな」
「カミール。おまえは俺をなんだと思っているんだ」
肩をすくめるテオドールは、踵を返す。
そのまま誰かを呼びに行くのかと思いきや、ソファに腰をおろしてしまった。おい、テオドール。
寝室のドアをきっちり閉めてから、俺はテオドールの前に進んだ。
「呼びに行かないのか」
「行ってこいよ」
「はぁ?」
なんだよ、その偉そうな態度は。
眉間に皺を寄せるが、ここで言い合っていても仕方がない。
仕方なく廊下に出た俺は、左右を見渡す。
人の姿を探してみるが、時間も時間なので誰もいない。
迷った末に、ルイス様の自室方面へと足を伸ばしてみた。ドアの前までたどり着いて、緩く首を振った。ルイス様の部屋だって今は無人である。ここに来ても仕方がないだろう。
アロン子爵はどこに行ったのだろうか。あの人の部屋の場所なんて知らないからなぁ。
もっと人のいそうな場所に移動しよう。
もと来た道を戻ろうとしたところ、目の前のドアが静かに開いた。驚いて足を止めると、中からティアンさんが出てきた。
どうやらルイス様の隣室は、ティアンさんの部屋だったらしい。
「どうしました?」
俺の姿を認めるなり優しく微笑むティアンさんは、廊下に出てきて後ろ手にドアを閉めた。あまりこの人と会話したことはないのだが、たぶん優しい人だと思う。
ちょうどいい。
俺は手短に事情を説明した。黙って耳を傾けていたティアンさんは、少し眉を寄せてから首筋に手をやった。
「えっと、なんか申し訳ないです。ルイス様がご迷惑を」
「いえ、そんな」
ルイス様が自由なのは出会った当初からだ。
もう慣れたと思っていたのだが、全然慣れていなかった。ルイス様はこちらの想像を超えて自由だった。
ルイス様のことを連れ帰ってくれるというので、ティアンさんと共に客室へと戻る。
ソファでふんぞり返っていたテオドールが、ティアンさんの姿を見つけて立ち上がった。
足早に寝室へと入ったティアンさんは、熟睡しているルイス様を見て苦笑する。
「ルイス様。戻りますよ」
肩を揺すっているが、ルイス様は起きる気配がない。
仕方ないですね、と。
控えめに笑ったティアンさんがルイス様を横抱きにした。
「ご迷惑をおかけしました」
「あ、いえ。俺たちは別に」
ぶんぶんと手を振って、迷惑ではないと伝えておく。
すごく優しい表情でルイス様の寝顔を見つめるティアンさん。その柔らかな雰囲気に、俺は首を傾げる。
ティアンさんは普段からルイス様の護衛をしているらしいが、なんだろう。それだけではない親密さのようなものを感じる。
「あの、もしかしてずっと起きてました?」
俺が部屋の前を通った時、ティアンさんはすぐに顔を出した。もしやと思って尋ねると、ティアンさんがばつの悪そうな顔になった。
「いえ、その。ルイス様がまだお部屋に戻っていないようだったので」
夜更かしはダメだと言ったんですけどね、と。少し照れたように言い添えたティアンさんを見て、俺の中でひとつの確信が生まれた。
ルイス様が言っていた恋人。
あれって絶対ティアンさんのことだろ。
まさか本当に寝たのか?
気になっていたのはテオドールも同様。チラチラと寝室のドアに目をやっていた彼だが、おもむろに立ち上がった。
「おい」
「ちょっと様子見るだけだって」
ひらひらと手を振るテオドールは、なぜか足音を殺してドアに近寄る。その動き、怪しいからやめろ。
そのまま音を立てないように、ゆっくりとドアノブを回すテオドール。
細く開いたドアを覗いて中の様子を確認しているが、特に物音は聞こえてこない。するとテオドールが急に大胆になった。
ドアを大きく開け放った彼は、早足に中へと入る。
驚いた俺は、慌てて後を追った。
ベッドまで近寄った彼は、ルイス様の顔を覗き込んだ。
「……寝てる」
「本当に寝たの?」
俺も隣に行くと、そこには確かにすやすや眠るルイス様がいた。枕元には猫ちゃんもいる。
「え? どうする?」
テオドールに丸投げしたい気になるが、そういうわけにもいかないだろう。俺の部屋に移るかと尋ねると、テオドールが腕を組んだ。
「誰か呼ぶ? 一応報告しておいた方がよくないか」
「テオドールにしてはまともなことを言ったな」
「カミール。おまえは俺をなんだと思っているんだ」
肩をすくめるテオドールは、踵を返す。
そのまま誰かを呼びに行くのかと思いきや、ソファに腰をおろしてしまった。おい、テオドール。
寝室のドアをきっちり閉めてから、俺はテオドールの前に進んだ。
「呼びに行かないのか」
「行ってこいよ」
「はぁ?」
なんだよ、その偉そうな態度は。
眉間に皺を寄せるが、ここで言い合っていても仕方がない。
仕方なく廊下に出た俺は、左右を見渡す。
人の姿を探してみるが、時間も時間なので誰もいない。
迷った末に、ルイス様の自室方面へと足を伸ばしてみた。ドアの前までたどり着いて、緩く首を振った。ルイス様の部屋だって今は無人である。ここに来ても仕方がないだろう。
アロン子爵はどこに行ったのだろうか。あの人の部屋の場所なんて知らないからなぁ。
もっと人のいそうな場所に移動しよう。
もと来た道を戻ろうとしたところ、目の前のドアが静かに開いた。驚いて足を止めると、中からティアンさんが出てきた。
どうやらルイス様の隣室は、ティアンさんの部屋だったらしい。
「どうしました?」
俺の姿を認めるなり優しく微笑むティアンさんは、廊下に出てきて後ろ手にドアを閉めた。あまりこの人と会話したことはないのだが、たぶん優しい人だと思う。
ちょうどいい。
俺は手短に事情を説明した。黙って耳を傾けていたティアンさんは、少し眉を寄せてから首筋に手をやった。
「えっと、なんか申し訳ないです。ルイス様がご迷惑を」
「いえ、そんな」
ルイス様が自由なのは出会った当初からだ。
もう慣れたと思っていたのだが、全然慣れていなかった。ルイス様はこちらの想像を超えて自由だった。
ルイス様のことを連れ帰ってくれるというので、ティアンさんと共に客室へと戻る。
ソファでふんぞり返っていたテオドールが、ティアンさんの姿を見つけて立ち上がった。
足早に寝室へと入ったティアンさんは、熟睡しているルイス様を見て苦笑する。
「ルイス様。戻りますよ」
肩を揺すっているが、ルイス様は起きる気配がない。
仕方ないですね、と。
控えめに笑ったティアンさんがルイス様を横抱きにした。
「ご迷惑をおかけしました」
「あ、いえ。俺たちは別に」
ぶんぶんと手を振って、迷惑ではないと伝えておく。
すごく優しい表情でルイス様の寝顔を見つめるティアンさん。その柔らかな雰囲気に、俺は首を傾げる。
ティアンさんは普段からルイス様の護衛をしているらしいが、なんだろう。それだけではない親密さのようなものを感じる。
「あの、もしかしてずっと起きてました?」
俺が部屋の前を通った時、ティアンさんはすぐに顔を出した。もしやと思って尋ねると、ティアンさんがばつの悪そうな顔になった。
「いえ、その。ルイス様がまだお部屋に戻っていないようだったので」
夜更かしはダメだと言ったんですけどね、と。少し照れたように言い添えたティアンさんを見て、俺の中でひとつの確信が生まれた。
ルイス様が言っていた恋人。
あれって絶対ティアンさんのことだろ。
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