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17歳
869 おとなしい猫
ニックいわく、セドリックに好きな人ができたらしい。普通に嘘だと思う。
疑いの目を向けていた俺であるが、そもそもニックがセドリックの想い人を知ってどうするのだろうか。まさか邪魔をするつもりなのだろうか。不穏な未来を想像した俺は、ニックを見上げた。
「えっと。セドリックの好きな人を探してどうするつもりなの?」
「とりあえず顔を見ます」
迷うことなく断言したニック。
俺が聞きたいのはそういうことではなくて。
「ニックって、セドリックの恋愛を阻止するつもりなの?」
「はぁ?」
盛大に顔をしかめたニックは「なんで俺がそんなことを」と言った。
だってニックは、セドリックのことが好きである。常にセドリックのことを考えているし、なんならずっとセドリックの後を追いかけている。
だからセドリックが他の人を好きになるのが許せなかったりするのかと。けれどもニックは「そんなわけないですよ」とあっさり否定した。
「俺、別に団長のこと好きってわけでもないので」
「好きでもないのに追いかけてんの? それは余計に怖いよ?」
ニックは、よくわからないがセドリックに憧れている。憧れているだけで恋愛感情はないらしいけど、それにしてはセドリックにべったりだ。セドリックも困っていると思う。
困惑する俺の隣で、ティアンが腕を組んだ。
「ルイス様。この人は相手にするだけ無駄ですよ」
あんまりな言い草をするティアンに、ニックが「おまえ、ほんと可愛くない」と半眼になってしまった。「エリスちゃんを迎えに行くのでは?」とティアンに言われて、俺はそうだったと思い出す。
「ごめんね、ニック。俺はエリスちゃんを迎えに行かないと。セドリックの恋愛話してる場合じゃないや」
「団長よりも猫が大事だって言いたいんですか!?」
「うん。そうだね」
急に大声を出すニックを適当に宥めて、俺は先を急ぐ。セドリックは大人である。ちょっと面倒くさがりなところはあるけど、普通に大人である。彼の私生活に俺が首を突っ込む必要はない。
なにやらニックが文句を言っているけど、聞き流しておく。ニックはセドリックのことになると暴走しがちなのだ。後でセドリックの好きな人とやらがどんな人だったのかだけ教えてもらおう。
足早にテオドールの客室に向かった俺は、ノックをする。すぐに出てきたテオドールは「おはようございます、ルイス様」と爽やかな笑みで出迎えてくれた。
着替えも済ませて準備バッチリである。
「おはよう、テオドール。昨日はごめんね」
知らないうちに迷惑をかけてしまった。両手を合わせて軽く謝ると、テオドールは「いえいえ」と笑顔で応じてくれる。
ドアを開いて、中へと誘ってくれる。遠慮せずに入ると、ソファを占領するカミールがいた。
「カミール! おはよう! 昨日はごめんね」
「あぁ、いえ。こちらこそ」
頭をかいたカミールは「勝手にすみません」と言う。どうやらティアンを呼んだことに関してらしい。そんなこと気にする必要もないのに。
なんかぎこちない笑みを浮かべたカミールは、ティアンを盗み見ている。なんでティアンを見るのだろうか。
考えるけど、わからない。
もしかしたら俺が寝ている間に、ティアンとの間で何かあったのだろうか。
首を傾げていると、テオドールが寝室へと引っ込んでいく。割とすぐに戻ってきたテオドールの腕には、エリスちゃんが抱えられていた。
「ルイス様。猫ちゃんお忘れですよ」
「エリスちゃん!」
テオドールからエリスちゃんを受け取って、抱きしめておく。眠そうな顔のエリスちゃんは特に異変はない。安心した。
「ありがとうね、テオドール」
「いえ。俺も猫は好きなので」
「え、ほんと!?」
頷くテオドールに、俺は嬉しくなる。だよね、猫は可愛いよね。
「おとなしくて良い子ですね」
「でしょ」
エリスちゃんは賢くて良い子なのだ。エリスちゃんの悪口言うのは綿毛ちゃんくらいである。どうして綿毛ちゃんはエリスちゃんを悪く言うのだろうか。同じ毛玉としてライバル視しているのかもしれないな。
疑いの目を向けていた俺であるが、そもそもニックがセドリックの想い人を知ってどうするのだろうか。まさか邪魔をするつもりなのだろうか。不穏な未来を想像した俺は、ニックを見上げた。
「えっと。セドリックの好きな人を探してどうするつもりなの?」
「とりあえず顔を見ます」
迷うことなく断言したニック。
俺が聞きたいのはそういうことではなくて。
「ニックって、セドリックの恋愛を阻止するつもりなの?」
「はぁ?」
盛大に顔をしかめたニックは「なんで俺がそんなことを」と言った。
だってニックは、セドリックのことが好きである。常にセドリックのことを考えているし、なんならずっとセドリックの後を追いかけている。
だからセドリックが他の人を好きになるのが許せなかったりするのかと。けれどもニックは「そんなわけないですよ」とあっさり否定した。
「俺、別に団長のこと好きってわけでもないので」
「好きでもないのに追いかけてんの? それは余計に怖いよ?」
ニックは、よくわからないがセドリックに憧れている。憧れているだけで恋愛感情はないらしいけど、それにしてはセドリックにべったりだ。セドリックも困っていると思う。
困惑する俺の隣で、ティアンが腕を組んだ。
「ルイス様。この人は相手にするだけ無駄ですよ」
あんまりな言い草をするティアンに、ニックが「おまえ、ほんと可愛くない」と半眼になってしまった。「エリスちゃんを迎えに行くのでは?」とティアンに言われて、俺はそうだったと思い出す。
「ごめんね、ニック。俺はエリスちゃんを迎えに行かないと。セドリックの恋愛話してる場合じゃないや」
「団長よりも猫が大事だって言いたいんですか!?」
「うん。そうだね」
急に大声を出すニックを適当に宥めて、俺は先を急ぐ。セドリックは大人である。ちょっと面倒くさがりなところはあるけど、普通に大人である。彼の私生活に俺が首を突っ込む必要はない。
なにやらニックが文句を言っているけど、聞き流しておく。ニックはセドリックのことになると暴走しがちなのだ。後でセドリックの好きな人とやらがどんな人だったのかだけ教えてもらおう。
足早にテオドールの客室に向かった俺は、ノックをする。すぐに出てきたテオドールは「おはようございます、ルイス様」と爽やかな笑みで出迎えてくれた。
着替えも済ませて準備バッチリである。
「おはよう、テオドール。昨日はごめんね」
知らないうちに迷惑をかけてしまった。両手を合わせて軽く謝ると、テオドールは「いえいえ」と笑顔で応じてくれる。
ドアを開いて、中へと誘ってくれる。遠慮せずに入ると、ソファを占領するカミールがいた。
「カミール! おはよう! 昨日はごめんね」
「あぁ、いえ。こちらこそ」
頭をかいたカミールは「勝手にすみません」と言う。どうやらティアンを呼んだことに関してらしい。そんなこと気にする必要もないのに。
なんかぎこちない笑みを浮かべたカミールは、ティアンを盗み見ている。なんでティアンを見るのだろうか。
考えるけど、わからない。
もしかしたら俺が寝ている間に、ティアンとの間で何かあったのだろうか。
首を傾げていると、テオドールが寝室へと引っ込んでいく。割とすぐに戻ってきたテオドールの腕には、エリスちゃんが抱えられていた。
「ルイス様。猫ちゃんお忘れですよ」
「エリスちゃん!」
テオドールからエリスちゃんを受け取って、抱きしめておく。眠そうな顔のエリスちゃんは特に異変はない。安心した。
「ありがとうね、テオドール」
「いえ。俺も猫は好きなので」
「え、ほんと!?」
頷くテオドールに、俺は嬉しくなる。だよね、猫は可愛いよね。
「おとなしくて良い子ですね」
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追記:読んでくださった皆さま、本当にどうもありがとうございました!!
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