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17歳
878 見ないで
なんだかよくわからないので、これ以上首を突っ込むのはやめておこう。修羅場大好きな綿毛ちゃんは、楽しそうに尻尾を振っているけど。
セドリックの新しいストーカーも気になるが、面倒な事態になりそうだ。この件については、なにかわかったことがあればニックに教えてもらおうと思う。へらへら笑っている綿毛ちゃんを回収して、アロンに絡まれているセドリックを見上げた。
「なんか、頑張ってね」
「……」
適当にセドリックを応援して、俺は彼に背中を向けた。セドリックに話を聞きに行こうと言い出したのは、アロンである。俺はそこまで興味ない。
ティアンの背中をちょんちょんと触って、帰ろうと促す。俺の意図を正確に汲んでくれたティアンが「じゃあ僕たちはこれで」と話を切り上げてくれた。
アロンがちょっぴり不満そうな顔をしているけど、彼もそこまでセドリックには興味ないのだろう。軽く肩をすくめて、俺の後を追いかけてくる。
「ばいばい、ロニー!」
仕事が忙しいロニーとも、ここでお別れである。
「アロンは仕事しなくていいの?」
「俺はブルース様に追い出されてしまったので」
「そう言えばそうだったね」
そもそもは、ブルース兄様からアロンをどうにかしてくれと頼まれていたんだったと思い出す。
「仕事した方がいいよ。ブルース兄様が困ってるよ」
「でも俺を追い出したのはブルース様ですからね」
それはアロンが仕事をしないからだよ。
なんだか堂々巡りである。首を傾げて、俺は屋敷に戻ろうと早足になる。
屋敷に駆け込んだ俺は、アロンにも手を振った。
「ばいばい」
「嫌です」
「仕事して」
「嫌ですよ」
「我儘だなぁ」
動かないアロンは、どうやら俺と一緒にいたいらしい。仕方がないので、しばらく好きにさせておこうと思う。そのうち飽きて帰るだろう。
部屋に戻った俺は、早速日記を書こうとしたのだが肝心のノートが見当たらない。
「ユリス様のお部屋では?」
きょろきょろしていると、ティアンがそう教えてくれた。たしかに、ユリスの部屋で日記を書こうとしていた記憶がある。そのままユリスの部屋に置いてきてしまったのだろう。
「ユリス! 俺のノート返して」
「そこに置いてある」
ユリスの部屋に戻ると、ノートはテーブルの上に置きっぱなしだった。いそいそとノートを広げる俺に、ユリスが「だから。自分の部屋で書けと言ってるだろ」と冷たく言ってくる。別にいいじゃんね、日記書くくらい。
ユリスの文句を無視して、ペンを握る。ティアンと手を繋いだと書こうとして、咄嗟にアロンを振り返った。
「……書かないんですか?」
不思議そうな顔で俺の手元を覗き込んでくるアロン。その顔を見て、俺は考える。こいつの前で、そんなことを書いてもいいのだろうかと。なんか面倒くさい事態に発展しそうな気がする。
「見ないで!」
「なんで急にそんなこと言うんですか?」
一歩も引かないアロンは、本当に大人げないと思う。気が利かないとも言う。
「だから自分の部屋でこっそり書けばいいだろ」
呆れたような目を向けてくるユリスの言う通りだったかもしれない。そもそも日記ってひとりで書くようなものだという気がしてきた。みんなが見ている前で書くのは、なんか違う気がする。
「やっぱりあとで書く」
ノートを閉じて宣言すると、アロンの眉間に皺がよった。腕を組んで訝しむアロンは、その目をティアンに向けてしまう。
「ルイス様。俺が代わりに書いてあげますよ」
「それはもはや俺の日記じゃないよね?」
アロンが書いたら、それは普通にアロンの日記になってしまう。
「ティアンが何の役にも立たなかったと書いておきます」
「だーめ」
俺はそんなこと書かないもん。
アロンに呆れた目を向けるティアンとタイラー。後輩騎士から呆れられても、アロンは自分の主張を曲げない。
「もう! 俺が書くって言ってるでしょ!」
アロンがうるさいので、この場で書く羽目になってしまう。仕方がないので、当たり障りのない内容にしておく。ティアンと手を繋いだ件は、後で書き足しておくことにしよう。
適当にセドリックを探しまわった件を書いて「はい終わり!」とノートを閉じる。
「アロン。ブルース兄様のところに戻って。俺は忙しいからアロンと遊んでる暇はないの」
「ルイス様。そんな冷たいこと言わないでくださいよ」
途端に悲しい顔になったアロンの背中をぐいぐい押して、廊下に追い出しておいた。
セドリックの新しいストーカーも気になるが、面倒な事態になりそうだ。この件については、なにかわかったことがあればニックに教えてもらおうと思う。へらへら笑っている綿毛ちゃんを回収して、アロンに絡まれているセドリックを見上げた。
「なんか、頑張ってね」
「……」
適当にセドリックを応援して、俺は彼に背中を向けた。セドリックに話を聞きに行こうと言い出したのは、アロンである。俺はそこまで興味ない。
ティアンの背中をちょんちょんと触って、帰ろうと促す。俺の意図を正確に汲んでくれたティアンが「じゃあ僕たちはこれで」と話を切り上げてくれた。
アロンがちょっぴり不満そうな顔をしているけど、彼もそこまでセドリックには興味ないのだろう。軽く肩をすくめて、俺の後を追いかけてくる。
「ばいばい、ロニー!」
仕事が忙しいロニーとも、ここでお別れである。
「アロンは仕事しなくていいの?」
「俺はブルース様に追い出されてしまったので」
「そう言えばそうだったね」
そもそもは、ブルース兄様からアロンをどうにかしてくれと頼まれていたんだったと思い出す。
「仕事した方がいいよ。ブルース兄様が困ってるよ」
「でも俺を追い出したのはブルース様ですからね」
それはアロンが仕事をしないからだよ。
なんだか堂々巡りである。首を傾げて、俺は屋敷に戻ろうと早足になる。
屋敷に駆け込んだ俺は、アロンにも手を振った。
「ばいばい」
「嫌です」
「仕事して」
「嫌ですよ」
「我儘だなぁ」
動かないアロンは、どうやら俺と一緒にいたいらしい。仕方がないので、しばらく好きにさせておこうと思う。そのうち飽きて帰るだろう。
部屋に戻った俺は、早速日記を書こうとしたのだが肝心のノートが見当たらない。
「ユリス様のお部屋では?」
きょろきょろしていると、ティアンがそう教えてくれた。たしかに、ユリスの部屋で日記を書こうとしていた記憶がある。そのままユリスの部屋に置いてきてしまったのだろう。
「ユリス! 俺のノート返して」
「そこに置いてある」
ユリスの部屋に戻ると、ノートはテーブルの上に置きっぱなしだった。いそいそとノートを広げる俺に、ユリスが「だから。自分の部屋で書けと言ってるだろ」と冷たく言ってくる。別にいいじゃんね、日記書くくらい。
ユリスの文句を無視して、ペンを握る。ティアンと手を繋いだと書こうとして、咄嗟にアロンを振り返った。
「……書かないんですか?」
不思議そうな顔で俺の手元を覗き込んでくるアロン。その顔を見て、俺は考える。こいつの前で、そんなことを書いてもいいのだろうかと。なんか面倒くさい事態に発展しそうな気がする。
「見ないで!」
「なんで急にそんなこと言うんですか?」
一歩も引かないアロンは、本当に大人げないと思う。気が利かないとも言う。
「だから自分の部屋でこっそり書けばいいだろ」
呆れたような目を向けてくるユリスの言う通りだったかもしれない。そもそも日記ってひとりで書くようなものだという気がしてきた。みんなが見ている前で書くのは、なんか違う気がする。
「やっぱりあとで書く」
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アロンが書いたら、それは普通にアロンの日記になってしまう。
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「だーめ」
俺はそんなこと書かないもん。
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「もう! 俺が書くって言ってるでしょ!」
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