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12歳
301 帰宅早々
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「もう帰るの?」
「うん。帰るよ」
むうっと頬を膨らませて、ベネットの腕を掴んでおく。
ベネットは僕のだよ、と得意気に言ってくるフランシスは、朝食後、すぐに帰宅の準備を始めてしまう。
俺はその間、荷物をまとめたりと、忙しそうにしているベネットのあとを、ずっとついていく。俺も手伝うと申し出るたびに、ベネットが少し慌てたような顔をする。
「ベネット。猫好き?」
「はい」
「あのね、向こうにでっかい噴水あるんだよ」
「左様でございますか」
そうして、ベネットに引っ付いてまわっていた時である。
「ルイスくん」
フランシスに手招きされて、振り返る。
きっちりとベストを着用した彼は、隙のない佇まいである。
「今度また、うちにおいでよ。キャリーも、君に会いたがっていたよ」
「キャリー」
なんとも懐かしい名前である。フランシスのお友達だ。そういえば、彼は俺が本当にユリスなのかと疑っていた。妙に勘のよろしいお兄さんだった。
「じゃあ今度、ユリスも連れて遊びに行くね」
「ぜひ」
そうして馬車の準備が整った頃、屋敷の中からオーガス兄様がひょっこりと現れた。
「なにしに来たの。兄様」
「見送りだけど」
半眼になる兄様に気が付いて、フランシスがにこやかに寄って来る。
「オーガス様。ありがとうございました。次はぜひ、シモンズの屋敷にもお越しください。歓迎しますよ」
「あぁ、いや。こちらこそ。弟がお世話になったようで」
またしても、猫被り同士で対峙するふたりは、なんだかバチバチしていた。
「いやぁ、それにしても。弟がここまで懐くなんて珍しい。一体なにがあったんだか」
ベネットに視線をやって、ははっと笑うオーガス兄様は、目が笑っていなかった。
「以前、街で迷子になっていたルイスくんを保護してからの付き合いですからね。それにしても、あの時は僕が声をかけていて正解でしたよ」
「あぁ、その件。ご心配をおかけしたようで。しかし、あの時はうちの騎士も周りにたくさんいたからね。君が保護しなくても、たいして問題はなかったと思うよ」
貼り付けたような笑みで、固く握手を交わす兄様とフランシス。どうみても、嫌味のぶつけ合いをしている。オーガス兄様が、すごく大人気ない。
「……オーガス兄様はね、プライド高いんだ」
こそっとベネットに教えてあげれば、彼はそっと目を伏せてしまう。どうやら、どう反応すればいいのか、わからないらしい。
オーガス兄様は、俺にとっては頼りない長男だけど。この国では、結構偉い人らしいから。
思えば、兄様はここ最近、新婚旅行に出掛けてしまったというエリックに、仕事を押し付けられている。そのせいで、苛々しているのかもしれない。きっと、そうだ。
そういえば、ブルース兄様たちが国境近くの巡回へと向かったのも、王立騎士団の手がまわらないからと聞いた。その原因は、エリック。騎士たちは、そちらの護衛で手一杯らしい。
今は、エリックの結婚で、国全体がお祭りムードになっている。全体的に浮かれた雰囲気になると、普段と違うことが起こる。例えば、小競り合いとか。それを阻止するための、巡回だ。先延ばしにするわけにはいかない。
せめて旅行の日程を後ろにずらせと、ブルース兄様がエリックに進言していたが、エリックは軽く笑うだけで受け入れはしなかったそうだ。
結論として、今回の結婚で一番苦労したのはブルース兄様というわけだ。オーガス兄様も苦労しているが、兄様は屋敷にこもっているだけである。
「やめなよ、兄様」
フランシスに八つ当たりしてどうすると注意するが、兄様はきれいに聞き流してしまう。散々言って満足したのか。「僕はこれで」と、あっさり背中を向けた兄様は、足早に屋敷へと戻ってしまう。
その後ろ姿が、完全に見えなくなるのを待ってから、フランシスが大きく息を吐いた。ひと仕事終えたと胸を撫で下ろす彼は、馬車の準備が整っていることを確認して、今度は俺を見据えてくる。
「じゃあまたね、ルイスくん」
爽やかに手を振ってくるフランシスに、俺も手を振りかえす。
「ベネットも、ばいばい」
長髪男子さんとのお別れは名残惜しいが、仕方がない。これ以上は、引きとめられないからな。
ロニー、ジャンと共にお見送りする。
青空の下、その姿が見えなくなるまで、大きく手を振った。
※※※
その日の午後。
庭を散歩していた俺は、正門が開かれる音を聞いた。
思わずロニーと顔を見合わせるが、彼も心当たりがなさそうな表情である。一体誰だろうか。
「見に行こう」
すかさずジャンにも声をかけて、正門へと走っていく。
近付くにつれて、黒い騎士服に身を包んだうちの騎士と、使用人の姿がちらほら確認できた。その中心にある馬車から、今まさにおりてきた人物を認識するなり、俺は目を輝かせる。
「ユリス!」
「なんだ。出迎えか?」
ニヤリと笑ったユリスは、疲れたと伸びをしている。
「おかえり! 帰ってくるのはやかったね」
「……まぁ。色々あったからな」
言葉を濁す彼は、ふいっと顔を背けてしまう。なにか不都合なことでもあったのだろうか。
不思議に思っていると、前から寄ってきたタイラーが、肩をすくめた。
「デニス様と喧嘩したんですよ」
「はぁ?」
なんじゃそりゃ。
どうやら、予定ではあと数日はお泊まりするはずだったらしい。けれども、デニスと大喧嘩してしまい、勢いで飛び出してきたのだとか。
さすがお子様。予想外の行動をする。
「どう考えても、デニーが悪い」
「……そうなんだ」
よくわからんが、多分ユリスが余計なことを言ったのだろう。こいつは、謎の上から目線発言で、よくブルース兄様を怒らせているから。デニス相手にも、そんな感じで雑に接したのだろう。憐れだな。
自室に戻るなり、どかりと椅子に腰を下ろすユリスは、不機嫌であった。荷解きもすべてタイラーに任せて、ムスッとしている。見兼ねたロニーとジャンが、お手伝いしている。
「楽しかったのか? お泊まり」
「この状況で、よくそういう言葉が出てくるな」
「楽しくなかったの?」
「だから。もういい。部屋に帰れ」
「そんなこと言うなよ」
冷たいユリスを無視して、向かいに腰掛ける。突然の帰宅だったため、事前に屋敷への連絡ができなかったらしい。タイラーも大変だな。
「さっきまでね、フランシスがいたよ」
「誰だ、それは」
「シモンズ侯爵家の人」
あぁ、と低く唸ったユリスは、どうやらフランシスのことを少しだけ知っているらしい。顔を合わせたことはないが、噂くらいは聞いたことがあるといった感じだ。
「ベネットっていう従者がいるんだけどね。すごいんだよ。髪の毛。黒でね、長いの」
「は?」
意味がわからないと目を閉じるユリスは、疲れたから放っておけアピールをしてくる。ちょっとくらい会話してくれても良くない?
「かっこいいんだよ、ベネット。髪長いし」
構わず喋り続けてみるが、ユリスは無反応である。イラッとした俺は、素早く立ち上がってから、ユリスの背後にまわり込んだ。
「真面目に聞け!」
ペシッと後頭部を叩いてやれば、反射で立ち上がったユリスが、掴みかかってくる。
「いきなりなんだ! おまえは!」
「そっちが真面目に聞かないからだろ!」
「聞く価値がない!」
「はぁ!?」
なんじゃ、このお子様。
負けじと俺も掴みかかるが、「はいはい。喧嘩しない」と、適当な感じで間に割り込んでくるタイラーが邪魔で、すぐに休戦へと持ち込まれる。ムッと睨みつけておくが、ユリスがビビる様子はない。それどころか、鼻で笑ってくる始末である。なんて嫌味なお子様だ。
「なんで帰って早々、喧嘩になるんですか」
腰に手を当ててこちらを見下ろしてくるタイラーに、俺はユリスを指差す。これはなんか知らんが、怒られる流れである。はやいところ、ユリスに押し付けておかねばならない。
「ユリスが俺の話聞かないから」
「ふざけるな。先に手を出したおまえが圧倒的に悪いだろ」
舌打ちするユリスに、一旦はおさまった怒りが、むくむくと沸いてくる。けれども、静かに振り上げた拳は、タイラーが無言で掴んでくる。発散方法を失った俺は、「もう!」と、ありったけの大声で叫んでおくことにした。
「うん。帰るよ」
むうっと頬を膨らませて、ベネットの腕を掴んでおく。
ベネットは僕のだよ、と得意気に言ってくるフランシスは、朝食後、すぐに帰宅の準備を始めてしまう。
俺はその間、荷物をまとめたりと、忙しそうにしているベネットのあとを、ずっとついていく。俺も手伝うと申し出るたびに、ベネットが少し慌てたような顔をする。
「ベネット。猫好き?」
「はい」
「あのね、向こうにでっかい噴水あるんだよ」
「左様でございますか」
そうして、ベネットに引っ付いてまわっていた時である。
「ルイスくん」
フランシスに手招きされて、振り返る。
きっちりとベストを着用した彼は、隙のない佇まいである。
「今度また、うちにおいでよ。キャリーも、君に会いたがっていたよ」
「キャリー」
なんとも懐かしい名前である。フランシスのお友達だ。そういえば、彼は俺が本当にユリスなのかと疑っていた。妙に勘のよろしいお兄さんだった。
「じゃあ今度、ユリスも連れて遊びに行くね」
「ぜひ」
そうして馬車の準備が整った頃、屋敷の中からオーガス兄様がひょっこりと現れた。
「なにしに来たの。兄様」
「見送りだけど」
半眼になる兄様に気が付いて、フランシスがにこやかに寄って来る。
「オーガス様。ありがとうございました。次はぜひ、シモンズの屋敷にもお越しください。歓迎しますよ」
「あぁ、いや。こちらこそ。弟がお世話になったようで」
またしても、猫被り同士で対峙するふたりは、なんだかバチバチしていた。
「いやぁ、それにしても。弟がここまで懐くなんて珍しい。一体なにがあったんだか」
ベネットに視線をやって、ははっと笑うオーガス兄様は、目が笑っていなかった。
「以前、街で迷子になっていたルイスくんを保護してからの付き合いですからね。それにしても、あの時は僕が声をかけていて正解でしたよ」
「あぁ、その件。ご心配をおかけしたようで。しかし、あの時はうちの騎士も周りにたくさんいたからね。君が保護しなくても、たいして問題はなかったと思うよ」
貼り付けたような笑みで、固く握手を交わす兄様とフランシス。どうみても、嫌味のぶつけ合いをしている。オーガス兄様が、すごく大人気ない。
「……オーガス兄様はね、プライド高いんだ」
こそっとベネットに教えてあげれば、彼はそっと目を伏せてしまう。どうやら、どう反応すればいいのか、わからないらしい。
オーガス兄様は、俺にとっては頼りない長男だけど。この国では、結構偉い人らしいから。
思えば、兄様はここ最近、新婚旅行に出掛けてしまったというエリックに、仕事を押し付けられている。そのせいで、苛々しているのかもしれない。きっと、そうだ。
そういえば、ブルース兄様たちが国境近くの巡回へと向かったのも、王立騎士団の手がまわらないからと聞いた。その原因は、エリック。騎士たちは、そちらの護衛で手一杯らしい。
今は、エリックの結婚で、国全体がお祭りムードになっている。全体的に浮かれた雰囲気になると、普段と違うことが起こる。例えば、小競り合いとか。それを阻止するための、巡回だ。先延ばしにするわけにはいかない。
せめて旅行の日程を後ろにずらせと、ブルース兄様がエリックに進言していたが、エリックは軽く笑うだけで受け入れはしなかったそうだ。
結論として、今回の結婚で一番苦労したのはブルース兄様というわけだ。オーガス兄様も苦労しているが、兄様は屋敷にこもっているだけである。
「やめなよ、兄様」
フランシスに八つ当たりしてどうすると注意するが、兄様はきれいに聞き流してしまう。散々言って満足したのか。「僕はこれで」と、あっさり背中を向けた兄様は、足早に屋敷へと戻ってしまう。
その後ろ姿が、完全に見えなくなるのを待ってから、フランシスが大きく息を吐いた。ひと仕事終えたと胸を撫で下ろす彼は、馬車の準備が整っていることを確認して、今度は俺を見据えてくる。
「じゃあまたね、ルイスくん」
爽やかに手を振ってくるフランシスに、俺も手を振りかえす。
「ベネットも、ばいばい」
長髪男子さんとのお別れは名残惜しいが、仕方がない。これ以上は、引きとめられないからな。
ロニー、ジャンと共にお見送りする。
青空の下、その姿が見えなくなるまで、大きく手を振った。
※※※
その日の午後。
庭を散歩していた俺は、正門が開かれる音を聞いた。
思わずロニーと顔を見合わせるが、彼も心当たりがなさそうな表情である。一体誰だろうか。
「見に行こう」
すかさずジャンにも声をかけて、正門へと走っていく。
近付くにつれて、黒い騎士服に身を包んだうちの騎士と、使用人の姿がちらほら確認できた。その中心にある馬車から、今まさにおりてきた人物を認識するなり、俺は目を輝かせる。
「ユリス!」
「なんだ。出迎えか?」
ニヤリと笑ったユリスは、疲れたと伸びをしている。
「おかえり! 帰ってくるのはやかったね」
「……まぁ。色々あったからな」
言葉を濁す彼は、ふいっと顔を背けてしまう。なにか不都合なことでもあったのだろうか。
不思議に思っていると、前から寄ってきたタイラーが、肩をすくめた。
「デニス様と喧嘩したんですよ」
「はぁ?」
なんじゃそりゃ。
どうやら、予定ではあと数日はお泊まりするはずだったらしい。けれども、デニスと大喧嘩してしまい、勢いで飛び出してきたのだとか。
さすがお子様。予想外の行動をする。
「どう考えても、デニーが悪い」
「……そうなんだ」
よくわからんが、多分ユリスが余計なことを言ったのだろう。こいつは、謎の上から目線発言で、よくブルース兄様を怒らせているから。デニス相手にも、そんな感じで雑に接したのだろう。憐れだな。
自室に戻るなり、どかりと椅子に腰を下ろすユリスは、不機嫌であった。荷解きもすべてタイラーに任せて、ムスッとしている。見兼ねたロニーとジャンが、お手伝いしている。
「楽しかったのか? お泊まり」
「この状況で、よくそういう言葉が出てくるな」
「楽しくなかったの?」
「だから。もういい。部屋に帰れ」
「そんなこと言うなよ」
冷たいユリスを無視して、向かいに腰掛ける。突然の帰宅だったため、事前に屋敷への連絡ができなかったらしい。タイラーも大変だな。
「さっきまでね、フランシスがいたよ」
「誰だ、それは」
「シモンズ侯爵家の人」
あぁ、と低く唸ったユリスは、どうやらフランシスのことを少しだけ知っているらしい。顔を合わせたことはないが、噂くらいは聞いたことがあるといった感じだ。
「ベネットっていう従者がいるんだけどね。すごいんだよ。髪の毛。黒でね、長いの」
「は?」
意味がわからないと目を閉じるユリスは、疲れたから放っておけアピールをしてくる。ちょっとくらい会話してくれても良くない?
「かっこいいんだよ、ベネット。髪長いし」
構わず喋り続けてみるが、ユリスは無反応である。イラッとした俺は、素早く立ち上がってから、ユリスの背後にまわり込んだ。
「真面目に聞け!」
ペシッと後頭部を叩いてやれば、反射で立ち上がったユリスが、掴みかかってくる。
「いきなりなんだ! おまえは!」
「そっちが真面目に聞かないからだろ!」
「聞く価値がない!」
「はぁ!?」
なんじゃ、このお子様。
負けじと俺も掴みかかるが、「はいはい。喧嘩しない」と、適当な感じで間に割り込んでくるタイラーが邪魔で、すぐに休戦へと持ち込まれる。ムッと睨みつけておくが、ユリスがビビる様子はない。それどころか、鼻で笑ってくる始末である。なんて嫌味なお子様だ。
「なんで帰って早々、喧嘩になるんですか」
腰に手を当ててこちらを見下ろしてくるタイラーに、俺はユリスを指差す。これはなんか知らんが、怒られる流れである。はやいところ、ユリスに押し付けておかねばならない。
「ユリスが俺の話聞かないから」
「ふざけるな。先に手を出したおまえが圧倒的に悪いだろ」
舌打ちするユリスに、一旦はおさまった怒りが、むくむくと沸いてくる。けれども、静かに振り上げた拳は、タイラーが無言で掴んでくる。発散方法を失った俺は、「もう!」と、ありったけの大声で叫んでおくことにした。
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