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17歳
708 縮んで
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「ジェフリーは、もう少し小さい方がいいと思うよ」
「そう言われましても」
困った顔で小首を傾げるジェフリーは、そろそろ本当に俺の身長を追い越してしまいそう。ここ最近、俺はジェフリーに会う度にひやひやしている。弟みたいだと思っていたジェフリーに、身長を抜かされるのはかなりショックだ。そんなに大きくなる必要ないと思うぞ。
今日もジェフリーの授業を見学するため、アーキア公爵家にお邪魔していた。
俺たちが到着するなり、まずデニスが出てきてユリスが一緒かどうかを確認する。ユリスがいるとわかれば、彼の腕を引いてにこにこと去っていく。ユリスがいなければ「なんで連れてこないの?」と、俺に文句を言ってから去っていく。これが毎回のお決まりだ。
今日、ユリスはお留守番。案の定、デニスは「つまんない」と文句を言っていた。俺に言われてもな。面倒くさがって外出しないのはユリスだ。文句であれば、ユリスに直接言ってもらわないと。
授業も終わり、ジェフリーと一緒におやつを食べる。カル先生は、ひとりで本を読みながら熱心にメモをとっている。
忙しそうなカル先生を横目に、俺はジェフリーの肩をグッと下に押してみる。ちょっと縮まないかなと奮闘するが、椅子に座ったジェフリーは困惑気味に「あの、多分縮まないと思います」と言ってのける。そんなのやってみないとわからないだろう。
「どうしてそんなに大きくなるの? なに食べてるの」
「えっと。普通に」
特別なことはなにも、と苦笑するジェフリーは、ティーカップを両手で包み込むようにしている。
出会った当初は弱そうなお子様だったのに。身長が伸びたせいなのか。顔つきもキリッとしてきた。兄のデニスが可愛い系なので、てっきりジェフリーも可愛い系のまま成長すると思っていたのに。予想に反して、なんだか男の子って感じに成長しつつある。このままだと可愛い弟枠から外れてしまうぞ。
「頑張って縮んで! やればできるよ! ジェフリーは小さい方が可愛いよ!」
「そう言われても。多分まだ伸びます」
「もう無理だよ」
「いいえ、伸びます」
頑なに主張するジェフリーは、まだまだ成長するつもりでいるらしい。ちょっと諦めた方がいいと思うぞ。
「それに、僕はかっこいい大人になって、ルイス様に認めてもらうという目標があるので」
「ダメ。ジェフリーは可愛いのが似合うよ。ちょっと綿毛ちゃんに似てるから、今のままがいいと思う」
「綿毛ちゃんに……」
なぜか半眼になってしまうジェフリーは、「綿毛ちゃんって、ルイス様の飼っている犬ですよね?」と不満そう。綿毛ちゃん似と言われるのが嫌なのか? もふもふだぞ。弱そうで可愛いんだぞ。
「カル先生」
「はい?」
熱心に仕事しているカル先生は、訝しむように顔を上げる。
「ジェフリーを縮ませたい。どうすればいい?」
カル先生ならなにか知っているかもしれないと訊いてみるが、先生ではなくジェフリーが「や、やめてください」と弱々しく声を上げた。カル先生も「さぁ? そういった方法は知りませんね」と素っ気ない。
はぁっと、ため息を吐く。
そのうちジェフリーは俺より大きくなる。すごく悲しい。
「そういえば、誕生日パーティーに参加されたんですよね。どうでした?」
不自然に明るい声を出すジェフリーは、話題を変えたいという本音が丸わかり。まぁ、ジェフリーの成長を嘆いていても仕方がないからな。
それにカミールの誕生日パーティーに参加するにあたって、ジェフリーには色々アドバイスしてもらった。どうすれば招待状を送ってもらえるのか、一緒に考えてもらったのだ。結果を報告するのは当然だろう。
「楽しかったよ。ヘイゼルと仲良くなった。あ、ヘイゼルっていうのは、カミールの妹でね」
パーティーでの出来事を思い出しながら、自然と頬が緩んでしまう。道中のお泊まりもすごく楽しかった。初めての経験がたくさんあったと報告する度に、ジェフリーは一緒になって喜んでくれる。
「あ、ヘイゼルはジェフリーと同じ十五歳だって。でもジェフリーより大人だったよ。落ち着きがあって、優しかった」
「ぼ、僕もこれから大人になります! 身長だって伸びます!」
いかにヘイゼルが大人な振舞いをしていたか説明すれば、ジェフリーが悔しそうに拳を握る。やはりヘイゼルのほうが断然大人だった。ジェフリーは、まだまだ子供っぽい。そのままでいいと思う。
「ちょっとね、ヘイゼルのこと好きだなぁって思ったけどね」
「え……」
固まるジェフリーは、「え」と繰り返す。
そのまま目を見開くジェフリーは、「え、好き?」と動揺を見せた。
あぁ、そういえば。ジェフリーも俺のこと好きとか言っていたなぁ。でもジェフリーのことはちゃんと振った。ジェフリーも理解してくれた。なにも問題はない。
「でも告白するのはやめておいた」
「そ、そうですか」
露骨に安堵するジェフリーは、カップを傾けて紅茶を飲み干してしまう。本を読んでいたはずのカル先生が、呆然とこちらを見ていた。
「そう言われましても」
困った顔で小首を傾げるジェフリーは、そろそろ本当に俺の身長を追い越してしまいそう。ここ最近、俺はジェフリーに会う度にひやひやしている。弟みたいだと思っていたジェフリーに、身長を抜かされるのはかなりショックだ。そんなに大きくなる必要ないと思うぞ。
今日もジェフリーの授業を見学するため、アーキア公爵家にお邪魔していた。
俺たちが到着するなり、まずデニスが出てきてユリスが一緒かどうかを確認する。ユリスがいるとわかれば、彼の腕を引いてにこにこと去っていく。ユリスがいなければ「なんで連れてこないの?」と、俺に文句を言ってから去っていく。これが毎回のお決まりだ。
今日、ユリスはお留守番。案の定、デニスは「つまんない」と文句を言っていた。俺に言われてもな。面倒くさがって外出しないのはユリスだ。文句であれば、ユリスに直接言ってもらわないと。
授業も終わり、ジェフリーと一緒におやつを食べる。カル先生は、ひとりで本を読みながら熱心にメモをとっている。
忙しそうなカル先生を横目に、俺はジェフリーの肩をグッと下に押してみる。ちょっと縮まないかなと奮闘するが、椅子に座ったジェフリーは困惑気味に「あの、多分縮まないと思います」と言ってのける。そんなのやってみないとわからないだろう。
「どうしてそんなに大きくなるの? なに食べてるの」
「えっと。普通に」
特別なことはなにも、と苦笑するジェフリーは、ティーカップを両手で包み込むようにしている。
出会った当初は弱そうなお子様だったのに。身長が伸びたせいなのか。顔つきもキリッとしてきた。兄のデニスが可愛い系なので、てっきりジェフリーも可愛い系のまま成長すると思っていたのに。予想に反して、なんだか男の子って感じに成長しつつある。このままだと可愛い弟枠から外れてしまうぞ。
「頑張って縮んで! やればできるよ! ジェフリーは小さい方が可愛いよ!」
「そう言われても。多分まだ伸びます」
「もう無理だよ」
「いいえ、伸びます」
頑なに主張するジェフリーは、まだまだ成長するつもりでいるらしい。ちょっと諦めた方がいいと思うぞ。
「それに、僕はかっこいい大人になって、ルイス様に認めてもらうという目標があるので」
「ダメ。ジェフリーは可愛いのが似合うよ。ちょっと綿毛ちゃんに似てるから、今のままがいいと思う」
「綿毛ちゃんに……」
なぜか半眼になってしまうジェフリーは、「綿毛ちゃんって、ルイス様の飼っている犬ですよね?」と不満そう。綿毛ちゃん似と言われるのが嫌なのか? もふもふだぞ。弱そうで可愛いんだぞ。
「カル先生」
「はい?」
熱心に仕事しているカル先生は、訝しむように顔を上げる。
「ジェフリーを縮ませたい。どうすればいい?」
カル先生ならなにか知っているかもしれないと訊いてみるが、先生ではなくジェフリーが「や、やめてください」と弱々しく声を上げた。カル先生も「さぁ? そういった方法は知りませんね」と素っ気ない。
はぁっと、ため息を吐く。
そのうちジェフリーは俺より大きくなる。すごく悲しい。
「そういえば、誕生日パーティーに参加されたんですよね。どうでした?」
不自然に明るい声を出すジェフリーは、話題を変えたいという本音が丸わかり。まぁ、ジェフリーの成長を嘆いていても仕方がないからな。
それにカミールの誕生日パーティーに参加するにあたって、ジェフリーには色々アドバイスしてもらった。どうすれば招待状を送ってもらえるのか、一緒に考えてもらったのだ。結果を報告するのは当然だろう。
「楽しかったよ。ヘイゼルと仲良くなった。あ、ヘイゼルっていうのは、カミールの妹でね」
パーティーでの出来事を思い出しながら、自然と頬が緩んでしまう。道中のお泊まりもすごく楽しかった。初めての経験がたくさんあったと報告する度に、ジェフリーは一緒になって喜んでくれる。
「あ、ヘイゼルはジェフリーと同じ十五歳だって。でもジェフリーより大人だったよ。落ち着きがあって、優しかった」
「ぼ、僕もこれから大人になります! 身長だって伸びます!」
いかにヘイゼルが大人な振舞いをしていたか説明すれば、ジェフリーが悔しそうに拳を握る。やはりヘイゼルのほうが断然大人だった。ジェフリーは、まだまだ子供っぽい。そのままでいいと思う。
「ちょっとね、ヘイゼルのこと好きだなぁって思ったけどね」
「え……」
固まるジェフリーは、「え」と繰り返す。
そのまま目を見開くジェフリーは、「え、好き?」と動揺を見せた。
あぁ、そういえば。ジェフリーも俺のこと好きとか言っていたなぁ。でもジェフリーのことはちゃんと振った。ジェフリーも理解してくれた。なにも問題はない。
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