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脱却2
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「何だかんだ腹空いたかも」
「そうだね、立ち話も長かったし。付き合わせちゃってごめんね」
「それはいいよ。李煌さんが悪いわけじゃないんだから」
「でも驚いた。まさか会うとは思わなかったから」
楽しそうに笑う李煌さんに、俺はホッとした。
俺と居る時くらいは、さっきのような表情はさせたくなかったから。
それでも一つ、俺にとっては嬉しいことがあった。
「李煌さん」
「なぁにー?」
食べながら緩い返事をする李煌さんに目を細める。
「今日、最初から俺の事誘うつもりだったんだね」
「――!! そ、それは……っ」
バッと上げた李煌さんの顔が真っ赤に染まる。
「それとも、期待しててくれたのか?」
「な、なんでそんなこと訊くの?」
「何でって、さっき先約があるから誘いを断ったって話してたから。まさか、俺以外の奴と行くとか考えてたわけじゃないだろ?」
「そんなことしないよ! 俺は――もう! 大人をからかわないのっ!」
染めた頬をそのままに食事を再開する李煌さん……。
(大人に見えないんだよ。本当に可愛い人だな)
俺はひっそりと笑いを噛み締めた。
マフラーを外して食事をする李煌さんの首元に俺は目を留めた。
「良かった。着けてくれてるんだ」
「え?」
俺の視線を辿った李煌さんが自分の首に掛けている指輪の通ったネックレスに微笑んだ。
「もちろんだよ。普段もつけてるんだけど、服の中に仕舞ってあるからね」
「どうして今は外に?」
「そんなの……決まってるじゃない。大河くんと二人きりだからだよ」
もごもごと恥ずかしそうに告げる様子に俺まで照れてしまいそうになる。
(こういうの、かなり嬉しいもんだな)
ニヤけてしまいそうになる口元を手で隠して、視線を外へと向けた。
駅前は相変わらず人が多い。
(そういえば、唐木は友達と会えたのか? まあ、アイツのことだから大丈夫だろうが……)
そのうち電話かメッセージが来そうで、ポケットの中にある携帯を確かめるように服の上から触れた。
(……いや、今日は掛かってきても無視しよう)
やっていいなら着信拒否設定にしておきたいが、さすがにそれは思い止まった。
「大河くん、デザートは何食べる? 今日は奢っちゃうよ~」
空になった食器をテーブルの脇へ追いやり、メニュー表のデザートのページを開いて俺に勧めて来た。
俺はそれをざっと眺める。
「どれも甘そうだな……。俺は李煌さんのを少しもらおうかな。それで十分」
「わかった。じゃああんまり甘くないのにしようか」
俺に合わせる必要はないのだが、こういう優しさは李煌さんらしくて微笑ましい。
そして運ばれてきたものは、チーズが濃厚甘さ控えめと銘打たれたチーズケーキだった。
「大河くん、お先にどうぞ」
「え……いや、俺は最後でいい。李煌さんが好きなだけ食べて。残ったらもらうから」
差し出された皿をスッと押し戻すと、李煌さんが僅かに眉尻を下げた。
「もー。高校生が変な遠慮しちゃダメだよ。大人になるのは高校卒業してからにして。そうじゃないと、ちょっと寂しいでしょ?」
(母親みたいなことを言う人だな)
「そうだね、立ち話も長かったし。付き合わせちゃってごめんね」
「それはいいよ。李煌さんが悪いわけじゃないんだから」
「でも驚いた。まさか会うとは思わなかったから」
楽しそうに笑う李煌さんに、俺はホッとした。
俺と居る時くらいは、さっきのような表情はさせたくなかったから。
それでも一つ、俺にとっては嬉しいことがあった。
「李煌さん」
「なぁにー?」
食べながら緩い返事をする李煌さんに目を細める。
「今日、最初から俺の事誘うつもりだったんだね」
「――!! そ、それは……っ」
バッと上げた李煌さんの顔が真っ赤に染まる。
「それとも、期待しててくれたのか?」
「な、なんでそんなこと訊くの?」
「何でって、さっき先約があるから誘いを断ったって話してたから。まさか、俺以外の奴と行くとか考えてたわけじゃないだろ?」
「そんなことしないよ! 俺は――もう! 大人をからかわないのっ!」
染めた頬をそのままに食事を再開する李煌さん……。
(大人に見えないんだよ。本当に可愛い人だな)
俺はひっそりと笑いを噛み締めた。
マフラーを外して食事をする李煌さんの首元に俺は目を留めた。
「良かった。着けてくれてるんだ」
「え?」
俺の視線を辿った李煌さんが自分の首に掛けている指輪の通ったネックレスに微笑んだ。
「もちろんだよ。普段もつけてるんだけど、服の中に仕舞ってあるからね」
「どうして今は外に?」
「そんなの……決まってるじゃない。大河くんと二人きりだからだよ」
もごもごと恥ずかしそうに告げる様子に俺まで照れてしまいそうになる。
(こういうの、かなり嬉しいもんだな)
ニヤけてしまいそうになる口元を手で隠して、視線を外へと向けた。
駅前は相変わらず人が多い。
(そういえば、唐木は友達と会えたのか? まあ、アイツのことだから大丈夫だろうが……)
そのうち電話かメッセージが来そうで、ポケットの中にある携帯を確かめるように服の上から触れた。
(……いや、今日は掛かってきても無視しよう)
やっていいなら着信拒否設定にしておきたいが、さすがにそれは思い止まった。
「大河くん、デザートは何食べる? 今日は奢っちゃうよ~」
空になった食器をテーブルの脇へ追いやり、メニュー表のデザートのページを開いて俺に勧めて来た。
俺はそれをざっと眺める。
「どれも甘そうだな……。俺は李煌さんのを少しもらおうかな。それで十分」
「わかった。じゃああんまり甘くないのにしようか」
俺に合わせる必要はないのだが、こういう優しさは李煌さんらしくて微笑ましい。
そして運ばれてきたものは、チーズが濃厚甘さ控えめと銘打たれたチーズケーキだった。
「大河くん、お先にどうぞ」
「え……いや、俺は最後でいい。李煌さんが好きなだけ食べて。残ったらもらうから」
差し出された皿をスッと押し戻すと、李煌さんが僅かに眉尻を下げた。
「もー。高校生が変な遠慮しちゃダメだよ。大人になるのは高校卒業してからにして。そうじゃないと、ちょっと寂しいでしょ?」
(母親みたいなことを言う人だな)
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