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第一章 祓い師
【肆】ー2
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「ところで、あなたはどちら様かしら?」
貴人の声にそうだったと彼を振り返る。晴明は目を見張った。
暗い地下では分からなかったが、一緒に上がって来た男の格好は昼と夜の狭間に溶ける藍色の空に燃えるようなもみじの葉が堂々と咲き誇っている雅な和服を纏っていた。
その藍色の着物は金色の髪が良く映える。
下も何か穿いているのか白地の細袴のような物がちらりと覗いている。
所々着崩しているにもかかわらず品が良く見えるのは長身で滑らかな立ち姿に合っているからなのか。彼は自分の見せ方を良く分かっている。
男はただ晴明だけを見つめ、優雅に佇んでいるばかりで貴人の質問には反応すら示さない。
「ちょっと、聞いてるの?」
その視線を遮るように晴明の前に立つと、漸く金色の瞳が貴人に向けられた。
「何か?」
「とぼけないで頂戴。聞こえてたでしょ? ……晴明に何か用?」
男の晴明を見る目が気に入らない貴人は棘のある口調で相手を問いただす。
「関係者以外立ち入りは許可されていないはずよ。此処には何をしに来たの? 何処から入ったのか知らないけど用が済んだのなら即刻立ち去りなさい!」
貴人も明らかに男が人間でないことを見抜いている言い回しだ。
男はクッと笑った。
「ふざけたことを言うな。用があって出向いた先にコレが立っていたのだ。前はこんな物はなかった。後から入ってきたのはそちらだろう」
そのまま聞くと何を言っているのかと問いたくなるところだが、この施設が立つ以前にも男はここを訪れていて、後から立てたのだから自分に非はないと主張しているのだ。
屁理屈云々より驚愕な発言が飛び出たものだ。施設が立ったのはもう何十年も前。見るからに若々しいこの男はそれ以前から存在していることを平然と明かしたことになる。
彼の目的は分からないが、嫌な感じは全くしない。
かといって警戒を解いて全てを信用することもできないので暫くは様子を見る他なさそうだ。
貴人の声にそうだったと彼を振り返る。晴明は目を見張った。
暗い地下では分からなかったが、一緒に上がって来た男の格好は昼と夜の狭間に溶ける藍色の空に燃えるようなもみじの葉が堂々と咲き誇っている雅な和服を纏っていた。
その藍色の着物は金色の髪が良く映える。
下も何か穿いているのか白地の細袴のような物がちらりと覗いている。
所々着崩しているにもかかわらず品が良く見えるのは長身で滑らかな立ち姿に合っているからなのか。彼は自分の見せ方を良く分かっている。
男はただ晴明だけを見つめ、優雅に佇んでいるばかりで貴人の質問には反応すら示さない。
「ちょっと、聞いてるの?」
その視線を遮るように晴明の前に立つと、漸く金色の瞳が貴人に向けられた。
「何か?」
「とぼけないで頂戴。聞こえてたでしょ? ……晴明に何か用?」
男の晴明を見る目が気に入らない貴人は棘のある口調で相手を問いただす。
「関係者以外立ち入りは許可されていないはずよ。此処には何をしに来たの? 何処から入ったのか知らないけど用が済んだのなら即刻立ち去りなさい!」
貴人も明らかに男が人間でないことを見抜いている言い回しだ。
男はクッと笑った。
「ふざけたことを言うな。用があって出向いた先にコレが立っていたのだ。前はこんな物はなかった。後から入ってきたのはそちらだろう」
そのまま聞くと何を言っているのかと問いたくなるところだが、この施設が立つ以前にも男はここを訪れていて、後から立てたのだから自分に非はないと主張しているのだ。
屁理屈云々より驚愕な発言が飛び出たものだ。施設が立ったのはもう何十年も前。見るからに若々しいこの男はそれ以前から存在していることを平然と明かしたことになる。
彼の目的は分からないが、嫌な感じは全くしない。
かといって警戒を解いて全てを信用することもできないので暫くは様子を見る他なさそうだ。
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