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それは森の妖精のようで マクシミリアン目線
しおりを挟む半ば強引に決まった婚約ではあったが、
私は大きな不安だけでなく、自身の婚約者となるソフィアという名前の女の子を楽しみにしていた。
お茶会の形で彼女と会えるということで私はスミュール家の庭に来ていた。
彼女を待つ間、どんな女の子だろうとずっと考えていた。
スミュール侯爵によると、とても朗らかで愛らしいお嬢様だという。
そして、誰かがやってくる気配がして私は振り向いて後ろを見た。
…そこには、まるで舞い降りて森と戯れるかのような美しく愛らしい妖精が立っていた。
声が聞きたい!という衝動に駆られすぐに挨拶をしていたのは反射に近いものだったと思う。
とにかく、彼女の声が聞きたかった。
そして、彼女の口から出た声は鈴を転がしたようなとても澄んだ美しいものだった。
しかし、その声にも表情にも感情のようなものは感じられなかった。
彼女は突然の婚約に怒っているのか、
困っているのか、それすら読めない不思議な雰囲気を放っていた。
それでも、そんな態度の彼女のことがお茶会がおわってからも頭から離れなかった。
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