誰だよ BLが最高だとか言ってる奴

名も知らぬ素人

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じゃあね

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俺は喫茶店で、呼び出した、ある人物をコーヒーを飲みながら待っていた

店に、その人物が入ってきた

その人物は、俺を見つけると、嬉しそうに、笑顔で俺の席にやってきた

柊「君から、誘ってくるなんて珍しいね」

そう、俺の待っていた人物というのは柊のことだ

楓「お前に聞きたい事があってな」

柊「何?」

俺は、海での事を話した

あの2人が来る前に、俺たちは物陰に隠れた。柊は来る事を事前に知っていたのではないか

ホテルでもそうだ。2人はレストランで食事をしていた。なのに柊は、「2人の隣の部屋」と言って鍵を持ってきた。何故、フロントは鍵を渡したのか?

更に金沢も椿に、嘘の情報を吹き込んだ

つまり金沢と柊はグルだったって事だ。それなら辻褄が合う

ただ、目的が分からない

楓「目的は、なんだ?」

そう聞くと

柊は「うーん、バレちゃったのか」と認めた

柊「目的も、なにも、2人の関係をメチャクチャにするのが、楽しいだけだよ」

楓「それだけか?」

柊「うん、それだけ」

楓「そうか」

柊「意外だなー、もっと、こう、怒るのかと思った」

柊の答えを聞きながら、俺は無言でコーヒーを飲んだ

柊は真剣な顔で

柊「君にとって、椿ちゃんって何?」

柊「友達?、それとも、それ以上?」

楓「友達だ。男同士で、それ以上なんて」

「嘘!」そう言って、柊は俺の答えを遮った

気まずい間が、空く

何か、柊の様子が、おかしい

柊は「・・・最後に」そう言いかけて「やっぱり、いいや」と誤魔化した

柊は席を立ち「じゃあね」と言って、行ってしまった

家に向かう途中で、両手に買い物袋を持った椿にバッタリ会った

椿「あっ」

楓「あっ」

予想外の出来事だった

俺は、さっきの柊の問いを思い出していた

俺にとって、こいつは、一体なんなのだろう?

俺は、マジマジと椿の顔を見ていた

椿「何?、人の顔をジッと見て、気持ち悪い」

いつもの椿だ

まあ、今は、どうでもいいか

楓「一つ持ってやるよ」

椿「え?あっ、うん」

俺は、袋を一つ持って、椿と一緒に帰った

その後、俺達2人は、柊と会う事は無かった

理由は定かではないが、学校を辞めたらしい



それから、数年後

俺達も成人し、社会人になった

電車の中、俺は席に座っている一人の女性が気になっていた

メガネをかけた銀髪の褐色ギャルで、大きな封筒を抱きしめる様に持っている

歳は同じ位、かなり可愛い

ギャルといっても、とても大人しく落ち着いた雰囲気だ

俺の視線に気がついたのか、女性と目が合った

ヤバい、バレたと思っていると

褐色ギャルが「君、もしかして、楓君か?」

俺は、こんなギャルの知り合いに心当たりが無い

褐色ギャル「私だ、柊だ」

楓「柊!?」

俺達は、その後、喫茶店に入った

柊「お茶を一杯飲む位、時間は、あるだろ」

そう言って柊は、タバコに火をつけた

楓(俺が昔吸ってたヤツと同じ銘柄)

柊「最近調子はどうだい?」

楓「ボチボチかな」

俺もタバコに火をつけた

楓「そっちは?」

柊「うーん、まあ、こっちもボチボチかな」

再会したのはいいが、話題がなく、気まずい

柊が、自分の女物の腕時計を見て

柊「おっと時間だ、そろそろ行かなくては」

俺達は、同時に店を出る

柊「じゃあね」

楓「じゃあな」

そう言って、俺達はお互い背を向け、真逆の方向に歩き出した

お互い、決して振り向く事はなかった













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