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第四章 GW 〜揺れて、ほどけて〜
🩷42話 入らないタンポン〜聞かれた秘密〜
ワイワイと集合した仲間たちは、にぎやかにバンに乗り込み、
快晴の空のもと、川沿いのコテージへと無事に到着した。
「うわ~、空気ちがう!」
「水、めっちゃ綺麗~!」
「よし、荷物降ろして水着に着替えてからBBQ準備ねー!」
みんなが楽しげに準備を始める中──
あやは着替えた仲間たちの背中を見送りながら、こっそりとトイレにこもっていた。
(……やっぱり、うまく入らない)
初めて使うタンポン。
説明書は何度も読んだ。深呼吸もした。
でもどうしても、力が入ってしまって、うまく収まってくれない。
(もう……どうしよう……)
顔をしかめながら、とぼとぼと車へ戻る。
まだ水着にも着替えられていない自分が情けなく感じて、駐車してあるバンの横で、ふと足を止める。
「──あや?まだ着替えてなかったの?」
声をかけてきたのは、しっかり者で面倒見のいい、かなこだった。
看護師になった彼女は、何かと世話を焼きたがるけれど、いつも押しつけがましくなく、さらっとしている。
「あっ……うん。実はね……」
あやは戸惑いながらも、ぽつりぽつりと生理が来たこと、タンポンがうまく入らないことを打ち明けた。
「なるほど、そっか……」
かなこは少し頷くと、周りを見てから車のスライドドアを開けた。
「中、座ろっか。今、誰もいないよ」
……でも実は、最後部のシートにいたりょうが、
車酔いで寝込んでいた。
タオルケットを頭までかぶって静かに横になっていたせいで、あやもかなこも、その存在にまったく気づいていなかった──。
「うーん、じゃあ、わたしが入れてあげようか?」
「えっ……!?」
目をまんまるに見開いたあやに、かなこはあっけらかんと笑ってみせる。
「オムツ交換とか、尿道カテーテルとか、日常茶飯事だし。
こういうの、なんとも思わないから。
それに水泳部だったから、中学時代からタンポン使ってたし」
「で、でも、さすがに……」
「大丈夫。経験なくても入るから」
その言葉に、あやの顔が一気に赤くなる。
(け、経験……)
心の中で響いた単語に、自分でもわかるくらい戸惑う。
「ね、川が待ってるよ」
かなこは手をそっと差し出した。
あやはしばらく迷った末、うつむきながら頷く。
……そして、そっと窓のカーテンが引かれた。
タオルケットの下、音も立てずに息を潜めるりょうは、目をぎゅっと閉じたまま、心臓が跳ねるのを止められなかった。
「……経験なくても、入るから」
あのセリフが耳の奥に残って離れない。
(な、なんだよこれ……完全に……初めての……)
音や気配が生々しくて、まるで知らずに“見てはいけないシーン”を覗いてしまったような気持ちに襲われる。
体が熱くなっていくのを感じながら、りょうはどうすることもできず、ただじっと丸くなっていた──。
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