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第四章 GW 〜揺れて、ほどけて〜
🩷58話 触れて、恋しくて
そんなケイを知ってか知らずか……
あやの、何度目かの、夢―――
「会いたかったの、わたしも」
言った瞬間、頬に彼の指がそっと触れる。
あたたかい指先が、髪を耳にかけるようになぞり、そのまま首筋へと降りてきた。
「……っ」
くすぐったさと一緒に、ふわりと熱が走る。
首筋の薄い皮膚の下で、脈が少し速くなるのが自分でもわかる。
その手はゆっくり肩へ、そして鎖骨のあたりをなぞっていく。
指先が肌の上を通るたび、胸の奥がきゅっと縮み、呼吸がほんの少しずつ浅くなる。
「ここ、好き?」
低く囁かれ、肩が小さく震えた。
「……うん」
恥ずかしくて目を逸らしながら答えると、彼は唇の端だけで、小さく笑った。
次の瞬間、反対の手が腰に添えられる。
服の上からなのに、指の形までわかるほど意識が集中してしまう。
そのまま背中をゆっくり撫でられ、薄い布越しに熱がじわじわと染み込んでくる。
「ん……」
小さな声が漏れてしまい、顔が熱くなる。
腰にあった手がそっと脇腹へ移動し、指先が敏感なところを掠める。
その感触に、思わず背筋が伸びた。
「……かわいい」
耳元で吐き出されたその声に、心臓が跳ねる。
頬の熱、胸の鼓動、下腹にたまっていく甘いざわめき。
触れられているうちに、恥ずかしさと一緒に、何かが静かに外れていくような感覚があった。
「……わたしも、触ってみたい」
気づけば、その言葉がこぼれていた。
彼がわずかに目を細める。
その反応だけで、鼓動がさらに速くなる。
そっと、シャツの胸元に指を這わせる。
さっきまで自分がされていたことを、今度はわたしから返すみたいに。
胸に置いた手を少し強く押しあてると、下にある鼓動が指先に伝わってきた。
「ほんとうに、この人に……」という想いが、より鮮やかに燃えあがっていく。
「……あや」
甘く低い声が耳に触れ、背筋がぞくりと震える。
「……嬉しいよ、あやが……触ってくれるの」
もう迷いはなかった。
胸元をゆっくりと開き、肌に直接触れる。
さっき自分が感じていた熱を、今は彼に届けるように――。
現実では、まだ触れられてもないのに。
でも、今は違う──
彼の言葉に背中を押されるように、指先が自然と動きはじめる。
シャツの前を、そっと開く。
ゆっくり、慎重に。でももう、怖くない。
「ここ……?」
そう問いかけながら、胸元から下へと滑らせていく指。
その感触の下にある、彼の体の熱が、じわじわとあやの身体へも伝わってくる。
「うん……あやの、手……すごく気持ちいい」
その言葉に、喉の奥が熱くなった。
触れているのは、わたしのはずなのに──
なんでこんなに、体の奥がじわっと熱くなってくるの……。
「こんなふうにされるの……初めてかも」
そう囁いた彼の手が、あやの髪をそっと撫でた瞬間、胸の奥がきゅんと締めつけられる。
──夢でもいい。
彼の「嬉しいよ」って言葉が、わたしの中に、とても優しく響いていた。
「……んっ……」
指先がほんの少し動いただけで、彼の息が浅くなる。
その変化を感じた瞬間、胸の奥に甘いしびれが走った。
(感じてる……)
夢の中だからか、恥ずかしさよりも、その反応がうれしくてたまらない。
ゆっくりと指をすべらせ、胸の真ん中をなぞる。
その下にある硬さと柔らかさが混ざった感触に、 自分の呼吸も自然と乱れていく。
「ここ……?」
問いかけながら、乳首にそっと触れると、
彼の身体がピクンと小さく震えた。
「……っ……あや……」
途切れた甘い声が落ちてきて、全身がふわっと熱に包まれる。
もう一度、今度は少しだけ強く指で押す。
その瞬間、彼の吐息が熱を帯びて耳に届く。
「……ん……そこ、すごく……」
さっきまで触れられていたときの自分の感覚が重なって、胸の奥がきゅんと締めつけられる。
もっと見たい――
彼の乱れた顔、甘い声、全部。
自然と、指先は細かく円を描きはじめる。
それに合わせて、彼の息がどんどん荒くなる。
「あや……いい……」
呼ばれるたびに、胸の奥の熱が膨らみ、下腹がじんと疼きだす。
触れているのはわたしのはずなのに、自分まで奥からじわじわと溶かされていく。
「もっと……?」
小さく尋ねると、彼は唇を噛んでうなずいた。
その表情がたまらなくて、夢の中のあやは、指先の動きをさらに大胆にしていった――。
(かわいい……)
それは、彼に向ける言葉ではなく、自分の胸に浮かんだ想いだった。
いつもクールで落ち着いているケイくんが、こんなふうに弱く、熱を帯びた顔をするなんて、想像もしなかった。
指先をほんの少し動かすたびに、彼の声が小さく震え、そのたびにあやの心は熱く揺れた。
「んっ……あや……」
息が途切れがちで、けれどどこか甘い響き。
その声に包まれて、あやは自然と顔を赤らめた。
夢の中で、でも確かに感じている、彼のこんな一面に触れることができる幸福感が、胸の中にじわじわと広がっていった。
「んっ……あや……すごく、いい……」
その抑えられた声と恥ずかしそうな表情に、あやは胸の奥がきゅんと締めつけられた。
(ああ……ケイくん、こんな顔、初めて見た。
かわいいな……)
ためらいなく指先を動かすと、彼の吐息は深くなり、表情はより熱を帯びていく。
「もっと……触って……」
甘い声に胸が熱くなり、指先はさらに繊細に、でも大胆に動く。
体の反応を感じながら、夢の中のあやは自分から触れる喜びに満ちていた。
ちょうどその瞬間、ゆっくりと意識が遠のき、夢は終わりを告げる。あやの瞳がゆっくりと開いた。
まだ胸の奥に夢の温もりが残っていて、ふわりと心が揺れている。
「初めて、自分から触った……」
ぽつりと呟いたその言葉に、ほんの少しの照れと、どこか誇らしさが混ざっていた。
夢の中のケイは、普段とは違う顔を見せてくれた。
恥ずかしそうで、でも素直に感じてくれて――
その表情が、あやの心に深く刻まれている。
(あの顔、かわいかったな……)
自然と胸が熱くなり、今までとは違う、自分の中の新しい気持ちがじわじわと広がっていくのを感じた。
目覚めたあやの胸には、まだ夢の余韻がじんわりと残っていた。
ケイがあやへの気持ちを完全に確認した夜だった。
あやもまた、次に会う日が、待ち遠しくてたまらなかった。
―――
📖 第四章、完結!
次回からはいよいよ第五章へ。
あやの心の迷いと決意、ケイを揺らす出来事、そして同僚・ゆりの物語まで――盛りだくさんでお届けします。
さらに注目は……
第61話で登場する新キャラクター!
どうぞお楽しみに♡
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