2 / 2
第1章 記憶
暗家
しおりを挟む
暗家の茶室には2人の仙氏が談笑をしていた。
1人は天賦の才をもち、先代は『この子は無限の可能性をもつだろう』と感嘆の声をあげた、暗家当主の1番弟子、暗 夜明
もう1人は先代の弟、とても厳粛で白髪の頭に長い髭をたらした、暗家当主、暗 光
「当主…………
と師兄に拝借します。」
明夜の弟子、燐が流れるような所作で、驚いたという目で夜明をみながら、丁寧に礼をした。
「当主、ただいま戻りました。」
「燐、おかえり。遠路遥々、偵察ご苦労じゃった。」
燐がちらっと、夜明の方をみた。
夜明は、きょとんとした顔で燐をみていた。
「構わん、続けなさい。」
「ごほん。
当主が読んだとおり、あれは星 蘭威じゃありません。
所作、身なりは星の若様そっくりで、星家の象徴、紅の蓮花が額に咲いてありましたが、言動にすごく違和感を感じました。」
神妙な面持ちで燐が言った。
「うん、そうか……とても信じ難いが、変幻の術を使えるようじゃのう。しかも、そこまで似せるとなるとかなり強力な者じゃ。」
「『怨死の事件は暗家のせいだ』という噂を信じている仙氏たちがいて、注意しようとしたところ、星蘭威がでてきました。星蘭威は何がしたいのか……。」
「ふむ。
その流れだと暗家を庇ったんじゃろう。」
「何か裏に意図があるかもしれませんね。」
「ふむ……。」
「変幻の術……?
2人はなんの話をしているのですか?」
2人の話を黙ってきいていた夜明が、問う。
その場に不釣り合いな明るい声は、2人を笑顔にするには充分だった。
「師兄!そのことも覚えていないのですか!!伝書鳩で師兄の容態を当主から聞いておりましたが、はぁ。」
燐は、"ありえない"と言った顔で、師兄をみた。
夜明は相変らず、きょとんとしている。
笑いながら暗光は言う。
「ははっ!燐、やめなさい。
夜明よく覚えておくんじゃ。
変幻の術は、今では滅びてしまった邪家の能力じゃ。
邪家は、『虫、鳥、獣、人間』などの生き物に自由自在に変幻できる能力をもっている。」
「虫や鳥になれるなんてすごいですね!その能力なら稽古を抜け出してもバレない!うん!最こ……ごもごも。」
「なっ!師兄!!!」
燐が慌てて、夜明の口を手で塞いだ。
「ごほん。
とにかくじゃ、滅んだはずの邪家の能力。そして、怨死の事件。特に星蘭威が何者か分からない以上、暗家の者は、これ以上絶対に関わらないように。
燐、今言った言葉を一門一句違わぬよう、皆に伝えるのじゃ。行きなさい。」
「承知しました。」
燐は、去り際にちらっと夜明の方をみる。
目が合った夜明はこてんっと頭をかしげて、燐に微笑みかけた。
夜明の性格は、穏やかで生来から笑顔が取り柄の明るくて人懐っこい子。
どんなに悲しい時も辛い時も笑顔を絶やさないような子なのである。
燐は満足したのか、夜明に聞こえない小さな声で言った。
「またね。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
燐が去った後、夜明も忍び足で一緒に去ろうとしたが暗光に捕まった。
「夜明、待つんじゃ。
稽古を抜け出してもバレない……とは?」
「いやぁ、当主違うんです。あれは言葉のあやと言いますか……」
「家訓を1から1000まで書き写さんかい!!」
「はいぃぃぃぃぃぃぃ!」
夜明は、字が下手くそなため書き写すのに1週間かかりました(´>∀<`)ゝてへぺろ
1人は天賦の才をもち、先代は『この子は無限の可能性をもつだろう』と感嘆の声をあげた、暗家当主の1番弟子、暗 夜明
もう1人は先代の弟、とても厳粛で白髪の頭に長い髭をたらした、暗家当主、暗 光
「当主…………
と師兄に拝借します。」
明夜の弟子、燐が流れるような所作で、驚いたという目で夜明をみながら、丁寧に礼をした。
「当主、ただいま戻りました。」
「燐、おかえり。遠路遥々、偵察ご苦労じゃった。」
燐がちらっと、夜明の方をみた。
夜明は、きょとんとした顔で燐をみていた。
「構わん、続けなさい。」
「ごほん。
当主が読んだとおり、あれは星 蘭威じゃありません。
所作、身なりは星の若様そっくりで、星家の象徴、紅の蓮花が額に咲いてありましたが、言動にすごく違和感を感じました。」
神妙な面持ちで燐が言った。
「うん、そうか……とても信じ難いが、変幻の術を使えるようじゃのう。しかも、そこまで似せるとなるとかなり強力な者じゃ。」
「『怨死の事件は暗家のせいだ』という噂を信じている仙氏たちがいて、注意しようとしたところ、星蘭威がでてきました。星蘭威は何がしたいのか……。」
「ふむ。
その流れだと暗家を庇ったんじゃろう。」
「何か裏に意図があるかもしれませんね。」
「ふむ……。」
「変幻の術……?
2人はなんの話をしているのですか?」
2人の話を黙ってきいていた夜明が、問う。
その場に不釣り合いな明るい声は、2人を笑顔にするには充分だった。
「師兄!そのことも覚えていないのですか!!伝書鳩で師兄の容態を当主から聞いておりましたが、はぁ。」
燐は、"ありえない"と言った顔で、師兄をみた。
夜明は相変らず、きょとんとしている。
笑いながら暗光は言う。
「ははっ!燐、やめなさい。
夜明よく覚えておくんじゃ。
変幻の術は、今では滅びてしまった邪家の能力じゃ。
邪家は、『虫、鳥、獣、人間』などの生き物に自由自在に変幻できる能力をもっている。」
「虫や鳥になれるなんてすごいですね!その能力なら稽古を抜け出してもバレない!うん!最こ……ごもごも。」
「なっ!師兄!!!」
燐が慌てて、夜明の口を手で塞いだ。
「ごほん。
とにかくじゃ、滅んだはずの邪家の能力。そして、怨死の事件。特に星蘭威が何者か分からない以上、暗家の者は、これ以上絶対に関わらないように。
燐、今言った言葉を一門一句違わぬよう、皆に伝えるのじゃ。行きなさい。」
「承知しました。」
燐は、去り際にちらっと夜明の方をみる。
目が合った夜明はこてんっと頭をかしげて、燐に微笑みかけた。
夜明の性格は、穏やかで生来から笑顔が取り柄の明るくて人懐っこい子。
どんなに悲しい時も辛い時も笑顔を絶やさないような子なのである。
燐は満足したのか、夜明に聞こえない小さな声で言った。
「またね。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
燐が去った後、夜明も忍び足で一緒に去ろうとしたが暗光に捕まった。
「夜明、待つんじゃ。
稽古を抜け出してもバレない……とは?」
「いやぁ、当主違うんです。あれは言葉のあやと言いますか……」
「家訓を1から1000まで書き写さんかい!!」
「はいぃぃぃぃぃぃぃ!」
夜明は、字が下手くそなため書き写すのに1週間かかりました(´>∀<`)ゝてへぺろ
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
あなたにおすすめの小説
影武者の天下盗り
井上シオ
歴史・時代
「影武者が、本物を超えてしまった——」
百姓の男が“信長”を演じ続けた。
やがて彼は、歴史さえ書き換える“もう一人の信長”になる。
貧しい百姓・十兵衛は、織田信長の影武者として拾われた。
戦場で命を賭け、演じ続けた先に待っていたのは――本能寺の変。
炎の中、信長は死に、十兵衛だけが生き残った。
家臣たちは彼を“信長”と信じ、十兵衛もまた“信長として生きる”ことを選ぶ。
偽物だった男が、やがて本物を凌ぐ采配で天下を動かしていく。
「俺が、信長だ」
虚構と真実が交差するとき、“天下を盗る”のは誰か。
時は戦国。
貧しい百姓の青年・十兵衛は、戦火に焼かれた村で家も家族も失い、彷徨っていた。
そんな彼を拾ったのは、天下人・織田信長の家臣団だった。
その驚くべき理由は——「あまりにも、信長様に似ている」から。
歴史そのものを塗り替える——“影武者が本物を超える”成り上がり戦国譚。
(このドラマは史実を基にしたフィクションです)
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
日露戦争の真実
蔵屋
歴史・時代
私の先祖は日露戦争の奉天の戦いで若くして戦死しました。
日本政府の定めた徴兵制で戦地に行ったのでした。
日露戦争が始まったのは明治37年(1904)2月6日でした。
帝政ロシアは清国の領土だった中国東北部を事実上占領下に置き、さらに朝鮮半島、日本海に勢力を伸ばそうとしていました。
日本はこれに対抗し開戦に至ったのです。
ほぼ同時に、日本連合艦隊はロシア軍の拠点港である旅順に向かい、ロシア軍の旅順艦隊の殲滅を目指すことになりました。
ロシア軍はヨーロッパに配備していたバルチック艦隊を日本に派遣するべく準備を開始したのです。
深い入り江に守られた旅順沿岸に設置された強力な砲台のため日本の連合艦隊は、陸軍に陸上からの旅順艦隊攻撃を要請したのでした。
この物語の始まりです。
『神知りて 人の幸せ 祈るのみ
神の伝えし 愛善の道』
この短歌は私が今年元旦に詠んだ歌である。
作家 蔵屋日唱
マルチバース豊臣家の人々
かまぼこのもと
歴史・時代
1600年9月
後に天下人となる予定だった徳川家康は焦っていた。
ーーこんなはずちゃうやろ?
それもそのはず、ある人物が生きていたことで時代は大きく変わるのであった。
果たして、この世界でも家康の天下となるのか!?
そして、豊臣家は生き残ることができるのか!?
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
対ソ戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
1940年、遂に欧州で第二次世界大戦がはじまります。
前作『対米戦、準備せよ!』で、中国での戦いを避けることができ、米国とも良好な経済関係を築くことに成功した日本にもやがて暗い影が押し寄せてきます。
未来の日本から来たという柳生、結城の2人によって1944年のサイパン戦後から1934年の日本に戻った大本営の特例を受けた柏原少佐は再びこの日本の危機を回避させることができるのでしょうか!?
小説家になろうでは、前作『対米戦、準備せよ!』のタイトルのまま先行配信中です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
続きが早くみたいです!(ノシ 'ω')ノシ バンバン
ありがとうございます!頑張ります(*`・ω・)ゞ
作品登録した
作品登録ありがとうございます(*´ω`*)
作品登録しときますね♪
ありがとうございます(〃・д・) -д-)