愛しい隠れ美少年はサキュバスだった。

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想田くんに夢中

夢の中では恋人?

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夜21時、俺はすでに布団の中に入って目をつむっていた。

「……」

(ダメだ、ワクワクして眠れない……)

ここ最近幸せな夢を見るようになった。
だからこんな早い時間から就寝する。
けど毎日ワクワクしてすぐに寝つけないでいた。
俺は寝返りをうってどうにかやり過ごそうとした。

「ん?」

寝返りをうつと、そこに想田くんがいた。
想田くんが俺の隣で安心した顔で眠ってる。

(え?俺いつの間にか寝ちゃってた……)

ここは夢の中だ。
現実なら俺のベッドに想田くんは入って来ないし……というか、今俺がいる場所は俺の部屋じゃなくて保健室だ。
毎晩ここで想田くんと会ってる。
厳密には俺が毎晩想田くんと保健室で過ごす夢を見てる。

「……」

いつも前髪と眼鏡で見えにくい想田くんの表情が無防備にさらされてる。
俺は指で撫でるように想田くんの前髪を横に流した。
さらに想田くんの愛らしい寝顔が見えやすくなった。

(想田くん……地味に見えて実は整った顔してるよな)

まつ毛が長いし、眉の形もキレイで、鼻もスラッと高くて小さい、唇も程よくふっくらしてて血色もいい、肌も白くてふわふわしてる……想田くんって実は隠れ美少年だよね。
想田くんの顔の造形を目と感触で楽しんでるとゆっくり想田くんの目が開いた。
俺の顔を見るなり顔を真っ赤にして素早くそっぽを向いてしまった。

「睦治、こっち向いてよ」
「やだ……」

俺は夢の中で想田くんのことを『睦治』って下の名前で呼んでる。
じゃないと現実とごちゃ混ぜになって現実の想田くんにも馴れ馴れしい態度とっちゃいそうだから……。
睦治も俺のこと『彰悟くん』って呼んでくれる。

(現実の想田くんには名前を呼んでもらったことすらないけど……)

せつなくなって後ろから睦治のことぎゅうっと抱きしめた。

「寝顔見られて恥ずかしかった?」
「俺がこういうの慣れてないって知ってるでしょ……っ、」
「睦治恥ずかしくなると耳も頬っぺも赤くなるね」
「いちいち言わないで!」
「ふふ、可愛い」

さらにぎゅうっと抱きしめた。
そしたら睦治が無理矢理引き剥がして俺から距離を取った。

「?なんか機嫌悪い?」
「別に……」
「俺、睦治が気に病むことしちゃった……?」
「……」

睦治も想田くんも俺と関わり合うことに消極的だ。
たまに俺や周りの言動を気にしすぎて、こうやって拒絶反応を示すことがある。

以前、想田くんがお昼ご飯食べてる所に俺が勝手にお邪魔して一緒に過ごそうとした、そしたら俺が女友達に絡まれちゃって想田くんの穏やかな昼休みを壊してしまったことがあった。
想田くんが一人で穏やかに過ごしてる所を邪魔しちゃったから俺は想田くんに謝った、そして夢の中でも睦治に謝った。
現実の想田くんは「別に大丈夫……」の一言だけだったけど、夢の中の睦治はなんだか明らかに元気がなくて俺は焦って「嫌われたくない!睦治の気持ち教えて!」って泣きついた。
そしたら睦治は俺が女子を蔑ろにして睦治に執着してるのが良くないと説得してきた。
俺は正直その話に「?」ってなった。
睦治は睦治と一緒にいたら俺が不幸になるかもしれないって心配になるらしい。

(ネガティブっていうか……ここまで不安になるって多分過去に何かトラブったトラウマとかあるんだろうな)

俺は睦治の不器用な優しさが好きなんだけどなって思った。

「睦治……また俺の気持ち否定してる」
「笹木さんと付き合える絶好のチャンスなのに……」
「睦治までそういうこと言うの?」
「俺と夢の中で会ってるから俺が好きって錯覚してるんだよ……」
「錯覚じゃない。俺が睦治を好きになったのはあの日睦治が親切にしてくれたからだもん」

そう、あの階段転落騒動の日。
その日に睦治のことを好きになった。

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