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最期
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正午すぎ、雲一つない晴天。風も穏やかで、私のポニーテールも揺れ動いてはいない。
「やっぱり私達二人の定位置はここだよね~」
屋上には影が二つ、私とあやなのものがあった。
あやなはその場で大きく伸びをする。
「今が13時半だから、あと二時間もないのかー……」
空を見上げながら大きく息を吐くあやな。
私も一緒になって、そうだねー、と息を吐いた。
「最初はさ」あやなが話始める「私は途中加入キャラだったから、新キャラ情報きたー!、とか騒がれてたのに、いざ登場したら顔がないバグで白けられて、そのままサ終とか最悪、とか思っちゃったよ」
私は初期メンバーだったので、あやな参戦の時の盛り上りがすごかったのは、今でも覚えている。
「でも、私達の部長は、そんなあやなをちゃんと愛してくれたじゃん」次は私が口を開く「ここがなくなっても、私達の部長は、きっと私達のこと忘れないで愛し続けてくれるよ」
「私達の部長が部長でよかったよね」
「本当にね。だからかな、最期のはずなのに、心穏やかでいれるの」
「確かに、色々あったけど、今はもう和んじゃってる」
私達は、ふふふ、とお互いをみて笑いあう。
「サ終決まった瞬間は、この世の終わりかと思ったけど」
「わかる。実際、この世界の終わりではあるけど。作るだけ作って、売り上げたたないから、はい終わり~って、次のアプリ制作してる運営なんなんだよって感じ!」
改めてあやなの愚痴を聞いて私は苦笑いをした。
「でも、作られてなかったら、部長には出会えなかった訳だし」
「そうだね、運営に見放されても、部長の中に何か私達のことが残ってくれてれば良しとしますか」
あやなはひとしきり語ったところで、よし、と締める。きっと、ヒメノ先輩の言っていた『未練』を吐き出したのだろう。
「私はそろそろイラスト見に行くけど、ゆまは?」
「私は……もう少し風にあたってから行こうかな」
わかった、と短く切って、あやなは踵を返した。
大きく深呼吸をする。空気がおいしい。清々しい。
この綺麗な空も、大きな校舎も、15時になったら、全てなかったことになるのかな。もちろん、私達部員も。
「なかったこと……嫌だな……」
私はゆっくりと屋上をあとにした。
サービス終了まで、あと一時間もなくなった。
生徒会室に入ると、すすり泣く声が聞こえる。
先に来ているはずのあやななのだろう、私は、大丈夫?、と泣き声がする方に声をかける。
目を真っ赤にして、鼻水を少したらしながら、ボロボロと泣いていた。スズ先輩が。
「え!? スズ先輩!?」
スズ先輩が泣いている驚きと、ため口を叩いてしまったことに対する焦りで大声を出してしまった。
「大丈夫……」スズ先輩はパソコンからこちらに向き直る「見たくなかったけど、部長のイラスト今全部見ちゃって、頭の中ヤバイことになってるだけ……」
いつも冷静沈着のスズ先輩、よほど抑えていたものが出てきたのだろう。
スズ先輩は、一度大きく鼻をかむと、パソコンの前から席をうつす。
「ほら、最終日イラスト見に来たんでしょ? あなたが最後よ。時間になる前に見なきゃ、一生後悔する代物よ」
スズ先輩に促され、私はパソコンに表示されていた部長のイラストを目にした。
言葉がでなかった。息がつまる。
今までで間違いなく一番の大作。
スズ先輩程ではないが、涙が頬を伝った。
--あぁ、私達の部長が部長で、本当によかった。
15時になる。
少女は呼吸をすることを忘れかけた。
「消えた……?」
その一言が、口をついて出た。
「やっぱり私達二人の定位置はここだよね~」
屋上には影が二つ、私とあやなのものがあった。
あやなはその場で大きく伸びをする。
「今が13時半だから、あと二時間もないのかー……」
空を見上げながら大きく息を吐くあやな。
私も一緒になって、そうだねー、と息を吐いた。
「最初はさ」あやなが話始める「私は途中加入キャラだったから、新キャラ情報きたー!、とか騒がれてたのに、いざ登場したら顔がないバグで白けられて、そのままサ終とか最悪、とか思っちゃったよ」
私は初期メンバーだったので、あやな参戦の時の盛り上りがすごかったのは、今でも覚えている。
「でも、私達の部長は、そんなあやなをちゃんと愛してくれたじゃん」次は私が口を開く「ここがなくなっても、私達の部長は、きっと私達のこと忘れないで愛し続けてくれるよ」
「私達の部長が部長でよかったよね」
「本当にね。だからかな、最期のはずなのに、心穏やかでいれるの」
「確かに、色々あったけど、今はもう和んじゃってる」
私達は、ふふふ、とお互いをみて笑いあう。
「サ終決まった瞬間は、この世の終わりかと思ったけど」
「わかる。実際、この世界の終わりではあるけど。作るだけ作って、売り上げたたないから、はい終わり~って、次のアプリ制作してる運営なんなんだよって感じ!」
改めてあやなの愚痴を聞いて私は苦笑いをした。
「でも、作られてなかったら、部長には出会えなかった訳だし」
「そうだね、運営に見放されても、部長の中に何か私達のことが残ってくれてれば良しとしますか」
あやなはひとしきり語ったところで、よし、と締める。きっと、ヒメノ先輩の言っていた『未練』を吐き出したのだろう。
「私はそろそろイラスト見に行くけど、ゆまは?」
「私は……もう少し風にあたってから行こうかな」
わかった、と短く切って、あやなは踵を返した。
大きく深呼吸をする。空気がおいしい。清々しい。
この綺麗な空も、大きな校舎も、15時になったら、全てなかったことになるのかな。もちろん、私達部員も。
「なかったこと……嫌だな……」
私はゆっくりと屋上をあとにした。
サービス終了まで、あと一時間もなくなった。
生徒会室に入ると、すすり泣く声が聞こえる。
先に来ているはずのあやななのだろう、私は、大丈夫?、と泣き声がする方に声をかける。
目を真っ赤にして、鼻水を少したらしながら、ボロボロと泣いていた。スズ先輩が。
「え!? スズ先輩!?」
スズ先輩が泣いている驚きと、ため口を叩いてしまったことに対する焦りで大声を出してしまった。
「大丈夫……」スズ先輩はパソコンからこちらに向き直る「見たくなかったけど、部長のイラスト今全部見ちゃって、頭の中ヤバイことになってるだけ……」
いつも冷静沈着のスズ先輩、よほど抑えていたものが出てきたのだろう。
スズ先輩は、一度大きく鼻をかむと、パソコンの前から席をうつす。
「ほら、最終日イラスト見に来たんでしょ? あなたが最後よ。時間になる前に見なきゃ、一生後悔する代物よ」
スズ先輩に促され、私はパソコンに表示されていた部長のイラストを目にした。
言葉がでなかった。息がつまる。
今までで間違いなく一番の大作。
スズ先輩程ではないが、涙が頬を伝った。
--あぁ、私達の部長が部長で、本当によかった。
15時になる。
少女は呼吸をすることを忘れかけた。
「消えた……?」
その一言が、口をついて出た。
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