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二章
17話
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「誰かが、人形のメンテナンスをしている、ということになるんだよな……」
「それって……!」
そこまで聞いて、ミナウィンは声をあげた。
「な、なんなんだよ……」
「危険な三体の人造人間は、匿えば死刑になる重罪よ、それは無害と言われている人形でも同じよ」
「匿うどころか、メンテナンスして延命していれば重い罪である」
クルエラは強めの口調で言った。
「総合人造人間研究局に、壊れた人造人間……人でいう死体を局に送らなければいけないのだが、それもまだ来ていない、ということは、誰かがメンテナンスをしている可能性があるのだ。死体を放置すると、一つの国が消し炭になる威力の爆発をするのだ」
思わぬ回答に、イエンは息を飲む。
「こっわー……」
しかし、クルエラは柔らかく笑ってやる。
「でも、人形は基本的な危険機能はないのだ。頭がすごく良い訳でも、運動神経が抜群な訳でもない。唯一危険だと言われる理由は『成長』をすることだ。普通の人造人間は、見た目も能力も変化しない。だが、人形だけが身長も伸びるし、知識もつける。これが延命してしまったら、本当の意味で危険になってしまうから、寿命は一応設定しているのだ」
ミナウィンも謎だったらしく、なるほど、と納得する。
「頭脳形は頭がよくて戦法も完璧、戦闘形は戦に強くて全く疲れない……なんで人形が危険なのかと思ってましたが、そういうことでしたか」
クルエラは、さて、とひとしきり話した後、座っていた地面から立ち上がる。
「そろそろ出発しましょう。だいぶ休めたでしょう」
イエンは、自分のせいで休憩をとっていたことに気付き、少し恥ずかしがっていた。
「あ、俺、ジェーン探してきますね!」
頼むよ、とクルエラの言葉を聞き、イエンはジェーンが消えた新緑の中に姿を眩ませた。
「それって……!」
そこまで聞いて、ミナウィンは声をあげた。
「な、なんなんだよ……」
「危険な三体の人造人間は、匿えば死刑になる重罪よ、それは無害と言われている人形でも同じよ」
「匿うどころか、メンテナンスして延命していれば重い罪である」
クルエラは強めの口調で言った。
「総合人造人間研究局に、壊れた人造人間……人でいう死体を局に送らなければいけないのだが、それもまだ来ていない、ということは、誰かがメンテナンスをしている可能性があるのだ。死体を放置すると、一つの国が消し炭になる威力の爆発をするのだ」
思わぬ回答に、イエンは息を飲む。
「こっわー……」
しかし、クルエラは柔らかく笑ってやる。
「でも、人形は基本的な危険機能はないのだ。頭がすごく良い訳でも、運動神経が抜群な訳でもない。唯一危険だと言われる理由は『成長』をすることだ。普通の人造人間は、見た目も能力も変化しない。だが、人形だけが身長も伸びるし、知識もつける。これが延命してしまったら、本当の意味で危険になってしまうから、寿命は一応設定しているのだ」
ミナウィンも謎だったらしく、なるほど、と納得する。
「頭脳形は頭がよくて戦法も完璧、戦闘形は戦に強くて全く疲れない……なんで人形が危険なのかと思ってましたが、そういうことでしたか」
クルエラは、さて、とひとしきり話した後、座っていた地面から立ち上がる。
「そろそろ出発しましょう。だいぶ休めたでしょう」
イエンは、自分のせいで休憩をとっていたことに気付き、少し恥ずかしがっていた。
「あ、俺、ジェーン探してきますね!」
頼むよ、とクルエラの言葉を聞き、イエンはジェーンが消えた新緑の中に姿を眩ませた。
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