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三章
28話
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日向の村についたその日は、宿屋のお風呂に浸かり、そのままイエンは泥のように眠ったようだ。
次に目が覚めたのは、窓から差し込む朝日の光でだった。
時計のない部屋のため、今が何時なのかが分からない。
しかし、イエンは外の空気を吸おうと、宿屋の外へと出た。
「……おや、お早いお目覚めですね、イエン様。おはようございます」
宿屋の外にいたのは、ポニーテール姿のガーディだった。
「時間、分かるのか? 時計もないのに……」
「……ここの村の人達は時計で時間を測るのではなく、太陽の位置で行動しているのです……今の時期だと、まだ朝の六時前ですよ」
「そうなのか……で、そんな朝早くに、ガーディはどこに行くんだ?」
イエンは眠気眼をこすりながらガーディに聞く。
「……一度ケヴィン国へ。兵に指示を出した後、すぐにこちらに戻ります」
ガーディは身なりを整え、将軍としての威厳が漂っていた。
イエンは、そっぽを向いたまま口を開く。
「なぁ……その将軍の役割、誰かに頼んだりできねぇのかよ?」
「……そのつもりで、今からケヴィン国に戻るのです」
「……え?」
思ってもいない返答にイエンは目を丸めた。
「……昨日はミナウィン様の危険を察知して、一度離れるとだけ言ってここに来ましたので。これからは大将に軍の指示をお願いしようと思います」
イエンは、ゆっくりとガーディの方に視線を向ける。
「……スズヌ森の中でのイエン様の問いは、ミナウィン様のことをちゃんと守れよ、とでも言いたかったのでしょう?」
イエンは無言のまま一つ頷く。
「……今回は、なんとか回復できたものの……自分も役不足だったと反省しました」
イエンに背を向け、ガーディは歩みを進め始めた。
次に目が覚めたのは、窓から差し込む朝日の光でだった。
時計のない部屋のため、今が何時なのかが分からない。
しかし、イエンは外の空気を吸おうと、宿屋の外へと出た。
「……おや、お早いお目覚めですね、イエン様。おはようございます」
宿屋の外にいたのは、ポニーテール姿のガーディだった。
「時間、分かるのか? 時計もないのに……」
「……ここの村の人達は時計で時間を測るのではなく、太陽の位置で行動しているのです……今の時期だと、まだ朝の六時前ですよ」
「そうなのか……で、そんな朝早くに、ガーディはどこに行くんだ?」
イエンは眠気眼をこすりながらガーディに聞く。
「……一度ケヴィン国へ。兵に指示を出した後、すぐにこちらに戻ります」
ガーディは身なりを整え、将軍としての威厳が漂っていた。
イエンは、そっぽを向いたまま口を開く。
「なぁ……その将軍の役割、誰かに頼んだりできねぇのかよ?」
「……そのつもりで、今からケヴィン国に戻るのです」
「……え?」
思ってもいない返答にイエンは目を丸めた。
「……昨日はミナウィン様の危険を察知して、一度離れるとだけ言ってここに来ましたので。これからは大将に軍の指示をお願いしようと思います」
イエンは、ゆっくりとガーディの方に視線を向ける。
「……スズヌ森の中でのイエン様の問いは、ミナウィン様のことをちゃんと守れよ、とでも言いたかったのでしょう?」
イエンは無言のまま一つ頷く。
「……今回は、なんとか回復できたものの……自分も役不足だったと反省しました」
イエンに背を向け、ガーディは歩みを進め始めた。
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