人造人間(アンドロイド)

幸輝

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四章

42話

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「……またいつか、会うことはできるのか?」
「確約はできん」
「そうか……俺には会わなくてもいいけどさ……」

 イエンは倒れているモモとミナウィンに目をやる。
つられてツカサも最後に二人に目をやった。

「どっちもこんなにお前のこと好きなんだからさ……」
「だからこそ、早く忘れてもらいたい」

 ツカサは踵を返した。
 イエンだけでなく、ガーディとジェーンも覚悟を決めたツカサを見ていた。

「我のような危険な人造人間とは、二人とも関わってはいけなかったのだから」

 傷口から見える銀色が冷たく輝く。
 ツカサは山道の中へと溶け込んでしまった。
 イエンは何の言葉もかけれず、その姿を見送った。

「……これから、どうしよう……」
「ケヴィン国に戻るにせよ、日向の村に戻るにせよ……とりあえず、こんな所に二人を寝かせてちゃいけない」

 イエンがぽつりとこぼすと、ガーディはミナウィンを背負い、ジェーンはモモを抱えた。

「ここ、うっすら火山灰が積もってるだろ? 僅かにでもずっと火山灰が降ってるんだ。二人が起きるまで近くの山小屋に移動しよう」

 ジェーンは山小屋の場所がわかるのか、先を歩き始めた。
 その時、イエンの右腕がぶらんと力が入らず垂れ下がった。

「あれ……ちょっと待って……」
「どうした?」
「わかんない、急に……」

 自分の体の異変に焦るイエンにガーディは近寄り、カバンから包帯を取り出す。

「……ここの火山灰は人造人間に有害です」

 ガーディはイエンがクルエラから受けた右手の甲の傷を隠すよう、包帯をぐるぐると巻きながら言う。

「……傷口から灰が入って機械が傷つき停止しますよ」
「こ、怖いこと言うな……」
「火山灰からの避難のためにも、山小屋に行かなくちゃな……そこで、これからのことを考えよう」

 イエンとガーディは頷き、一行は山小屋に向かうのであった。
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