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事件
15話
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イサムは、ぐいっと顔を僕に近づける。
「なぁ、俺らでその白い着物姿の女の子、探してみないか?」
僕は、あからさまに嫌そうな顔をしてやる。
「絶対そういうの関わんない方いいって」
「なんだよ、ノゾムは怖いのかー」
「実際その女の子に関わると病院行きになってるんでしょ? わざわざ病院行きになりたくないよ」
「じゃあ、遊びじゃなくて、宿題として探そうぜ!」
宿題?、と、僕は不思議そうにおうむ返しをする。
イサムは、それに一つ頷いた。
「もうすぐ夏休みだから、夏休みの自由研究の宿題として!」
「嫌だよ!」
僕は我慢できずに、音を立てて席を立つ。
「やらないのー? 俺一人で探しちゃうぞー?」
「しつこい!」
僕の背中にイサムは問いかけたが、それをピシャリと退ける。
後ろでイサムがつまらなそうな声をあげていたが、僕は見向きもせず、目的地もなく廊下へと出た。
キク本人に直接事件との関連を聞こうと僕は考えていたが、また随分とキクに会っていない。
次の休みにまたあのお寺に張り込もう、夏休みになれば、毎日でもお寺に入り浸ろう、僕はそう心に決めた。
もう梅雨も終わりそうな七月半ばに入ろうとしているが、僕の心の空模様は、まだまだ梅雨の状態であった。
「なぁ、俺らでその白い着物姿の女の子、探してみないか?」
僕は、あからさまに嫌そうな顔をしてやる。
「絶対そういうの関わんない方いいって」
「なんだよ、ノゾムは怖いのかー」
「実際その女の子に関わると病院行きになってるんでしょ? わざわざ病院行きになりたくないよ」
「じゃあ、遊びじゃなくて、宿題として探そうぜ!」
宿題?、と、僕は不思議そうにおうむ返しをする。
イサムは、それに一つ頷いた。
「もうすぐ夏休みだから、夏休みの自由研究の宿題として!」
「嫌だよ!」
僕は我慢できずに、音を立てて席を立つ。
「やらないのー? 俺一人で探しちゃうぞー?」
「しつこい!」
僕の背中にイサムは問いかけたが、それをピシャリと退ける。
後ろでイサムがつまらなそうな声をあげていたが、僕は見向きもせず、目的地もなく廊下へと出た。
キク本人に直接事件との関連を聞こうと僕は考えていたが、また随分とキクに会っていない。
次の休みにまたあのお寺に張り込もう、夏休みになれば、毎日でもお寺に入り浸ろう、僕はそう心に決めた。
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