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事件
18話
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「で、ノゾム君は何ー? なんか言いかけてたけど」
僕は言葉を飲み込んだ。
今までのキクのことを思い出したようだ。
キクにとって都合の悪いことがおきると、確実に災いのようなことがおきることを思い出したのだ。
僕は、もう微かに気付き始めていた。
逆らったら自分が今度は危ない目にあう、と。
僕はキクにならって、隣にしゃがみこむ。
「猫、可愛いね」
「でしょー?」
キクは満面の笑みで僕に答える。
「名前はあるの?」
「カラスとツバメ!」
「猫なのに鳥の名前なの?」
「こっちがカラスを捕まえてきて、こっちはツバメを捕まえてきたから!」
「へ、へー……」
少し引きぎみの僕である。
「キクにどや顔でプレゼントしてくれたんだよ! すごいよねー!」
キクの無邪気に話すその様子には、最近の事件との関係はないように思えるが、きっと犯人なのだろうなぁ、と僕は思いながら、一緒になって二匹を撫でようとする。
「あ、馴れてないとどっちとも引っ掻くよ」
キクの言葉通り、僕に向かって二匹ともシャーッと鳴き声をあげ、猫パンチを繰り出そうとする。
「危なっ! 早く言ってよー!」
「あんなに威嚇されたんだから、まさか触ると思わないじゃん」
「……それもそうか」
僕達二人は顔を見合わせて笑いあう。
静かに夜の帳がおりるのであった。
僕は言葉を飲み込んだ。
今までのキクのことを思い出したようだ。
キクにとって都合の悪いことがおきると、確実に災いのようなことがおきることを思い出したのだ。
僕は、もう微かに気付き始めていた。
逆らったら自分が今度は危ない目にあう、と。
僕はキクにならって、隣にしゃがみこむ。
「猫、可愛いね」
「でしょー?」
キクは満面の笑みで僕に答える。
「名前はあるの?」
「カラスとツバメ!」
「猫なのに鳥の名前なの?」
「こっちがカラスを捕まえてきて、こっちはツバメを捕まえてきたから!」
「へ、へー……」
少し引きぎみの僕である。
「キクにどや顔でプレゼントしてくれたんだよ! すごいよねー!」
キクの無邪気に話すその様子には、最近の事件との関係はないように思えるが、きっと犯人なのだろうなぁ、と僕は思いながら、一緒になって二匹を撫でようとする。
「あ、馴れてないとどっちとも引っ掻くよ」
キクの言葉通り、僕に向かって二匹ともシャーッと鳴き声をあげ、猫パンチを繰り出そうとする。
「危なっ! 早く言ってよー!」
「あんなに威嚇されたんだから、まさか触ると思わないじゃん」
「……それもそうか」
僕達二人は顔を見合わせて笑いあう。
静かに夜の帳がおりるのであった。
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