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夏休み
19話
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いつの間にか、蝉が鳴く季節になっていた。
あんなに降っていた雨も止み、どうやら梅雨明けをしていたらしい。
教室の窓からは、気持ちのいい青空が広がっていた。
黒板には、夏休みの過ごし方や次回の登校日等の連絡事項が書かれている。
「怪我や事故がおこらないように。特に水の事故と火遊び、交通事故には気を付けること!」
先生が長々しい説明をこれで締めくくった。
待ってましたと言わんばかりに、生徒達は教室を後にする。
僕もみんなと同じように、ランドセルを背負って教室を出ようとした。
ふと見た教室の時計は十一時半。
家に着いても十二時前。
僕の家は共働きで、今家に帰っても誰もいないことを知っていた。
校門を出るまで、僕は寄り道をしようか、まっすぐ帰ろうか悩んでいた。
すると、校門の前で見慣れた二つの影を僕は発見した。
「カラスとツバメだ!」
辺りには他の生徒達もいるというのに、二匹の黒猫・カラスとツバメは、すました顔で僕をお出迎えしていた。
周りの生徒達もなんの反応もしない。
野良猫だからスルーしているのか、それとも見えていないのか、という程に無反応である。
普通の小学生なら、なんらかのリアクションがあってもおかしくないはずなのに、明らかに異様だった。
「どうしたの?」
僕は二匹に近寄りしゃがみこんで声をかけると、二匹の猫は踵を返す。
「……ついて来いって?」
ちょうど時間潰しをしようか考えていた僕は、二匹の後をニコニコしながらついて行く。
夏の太陽が僕の影を地面にくっきりと照らし出していた。
あんなに降っていた雨も止み、どうやら梅雨明けをしていたらしい。
教室の窓からは、気持ちのいい青空が広がっていた。
黒板には、夏休みの過ごし方や次回の登校日等の連絡事項が書かれている。
「怪我や事故がおこらないように。特に水の事故と火遊び、交通事故には気を付けること!」
先生が長々しい説明をこれで締めくくった。
待ってましたと言わんばかりに、生徒達は教室を後にする。
僕もみんなと同じように、ランドセルを背負って教室を出ようとした。
ふと見た教室の時計は十一時半。
家に着いても十二時前。
僕の家は共働きで、今家に帰っても誰もいないことを知っていた。
校門を出るまで、僕は寄り道をしようか、まっすぐ帰ろうか悩んでいた。
すると、校門の前で見慣れた二つの影を僕は発見した。
「カラスとツバメだ!」
辺りには他の生徒達もいるというのに、二匹の黒猫・カラスとツバメは、すました顔で僕をお出迎えしていた。
周りの生徒達もなんの反応もしない。
野良猫だからスルーしているのか、それとも見えていないのか、という程に無反応である。
普通の小学生なら、なんらかのリアクションがあってもおかしくないはずなのに、明らかに異様だった。
「どうしたの?」
僕は二匹に近寄りしゃがみこんで声をかけると、二匹の猫は踵を返す。
「……ついて来いって?」
ちょうど時間潰しをしようか考えていた僕は、二匹の後をニコニコしながらついて行く。
夏の太陽が僕の影を地面にくっきりと照らし出していた。
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