16 / 31
2章瓶 お酒の力を……
14杯目 プロローグ
しおりを挟む
大学に入り、2度目の春が過ぎていた。僕は、誕生日が5月と言う事もあり、お酒が飲めるようになっていた。最初は、お酒なんてハマることは無いんだろうな。と思っていたのだが、いざ飲んでみるとお酒の魔力に惹き込まれていった。
それから毎日のように、大学が終わると居酒屋や、バーに通っている。
それだけお酒が好きなのだが、一つだけ欠点があった。
それは……
『びっくりするくらいお酒に弱い』
と言うものだった。ただお酒が弱いだけなら、まだいいのだが。僕の場合、お酒に酔うと、性格が180度変わってしまう。と言うものだった。具体的に言うと、目元まである髪をかき上げ、伊達のメガネを外して、一人称が『俺』になり、逆ナンだってされた事があるくらいには、喋ることができる。
イケメンだとは思わないが、普段よりは多少マシにはなると思う。まあ、だからなんだって話ではあるんだけどね。
そんなに性格が変わるなら、友達の一人は増えたのかって? 結論から言うとNOである。それで友達ができるくらいなら、この世界みんな友達だろう。
と、前置きはこのくらいにして、俺と陽華の物語はここから本格的に始まって行くのである。
◇◇◇
「根暗くん! 今日遊びに行かない?」
「根明さん……ご、ごめん……今日は忙しくて……」
「そっか! わかった! いつもごめんね!」
「……こちらこそいつもごめん」
はぁ。今日で10回目か。と私は、悲しみに打ちひしがれていた。彼は、半年ほど前の愛理ちゃんと遊びに行って以降、少し様子が変わった。もしかして何かあった? と思い聞いてみても、はぐらかされるだけで特に何も教えてくれる事はなく。
私が帰った後、一体何があったんだろう。気になった私は、遂に意を決して愛理ちゃんに聞くことに。
〔 (陽華)愛理ちゃん? 今少し話せる?〕
とりあえず私は、メッセージを一文だけ送っておいた。返事がすぐ返ってくる事はなく、講義が始まるので準備を始める。そんな時だった。
「陽華さん! メッセージ見ました! どうしたんですか?」
私の通う大学に入学していた、愛理ちゃんが直接話しかけてきた。私は、何を言われても言いように覚悟を決めてから、彼女に問う。
「急にごめんね。根暗くんと何かあった?」
「……その件ですか。センパイからは何か聞いてませんか?」
「うん」
私の問いに対して、彼女は一言根暗くんから聞いてないか? と言い、頷くと、こう続けた。
「じゃあ、私が話しますか。その、先に謝らせてください。すみません」
「何を?」
謝られる事何かあったかな? なんて考えてる私に、彼女はとんでもない事を語った。
「私、陽華さんがセンパイの事好きだってことを知っているのに、センパイをデートに誘い、その……キ、キ……キスをしてしまいました」
え? なんで私の気持ち知ってるんだろう? 戸惑いながらも、私は言う。
「わ、私が根暗くんをって……な、何を言ってるの……って、えっ!? キス……」
「はい。イルカショーを見ている時に……」
「そう……だったんだ……それで……その、根暗くんとはその、つ、付き合ってるの?」
「それが……センパイあれから私の事を避けてるようで……」
それ以降の話はちゃんと聞くことができなかった。根暗くん……愛理ちゃんのことをどう思ってるの? 振り向いて欲しいけど、愛理ちゃんも好きみたいだし……
私はその日、家に帰ってからもずっと何もする気力が起きなかった。
それから毎日のように、大学が終わると居酒屋や、バーに通っている。
それだけお酒が好きなのだが、一つだけ欠点があった。
それは……
『びっくりするくらいお酒に弱い』
と言うものだった。ただお酒が弱いだけなら、まだいいのだが。僕の場合、お酒に酔うと、性格が180度変わってしまう。と言うものだった。具体的に言うと、目元まである髪をかき上げ、伊達のメガネを外して、一人称が『俺』になり、逆ナンだってされた事があるくらいには、喋ることができる。
イケメンだとは思わないが、普段よりは多少マシにはなると思う。まあ、だからなんだって話ではあるんだけどね。
そんなに性格が変わるなら、友達の一人は増えたのかって? 結論から言うとNOである。それで友達ができるくらいなら、この世界みんな友達だろう。
と、前置きはこのくらいにして、俺と陽華の物語はここから本格的に始まって行くのである。
◇◇◇
「根暗くん! 今日遊びに行かない?」
「根明さん……ご、ごめん……今日は忙しくて……」
「そっか! わかった! いつもごめんね!」
「……こちらこそいつもごめん」
はぁ。今日で10回目か。と私は、悲しみに打ちひしがれていた。彼は、半年ほど前の愛理ちゃんと遊びに行って以降、少し様子が変わった。もしかして何かあった? と思い聞いてみても、はぐらかされるだけで特に何も教えてくれる事はなく。
私が帰った後、一体何があったんだろう。気になった私は、遂に意を決して愛理ちゃんに聞くことに。
〔 (陽華)愛理ちゃん? 今少し話せる?〕
とりあえず私は、メッセージを一文だけ送っておいた。返事がすぐ返ってくる事はなく、講義が始まるので準備を始める。そんな時だった。
「陽華さん! メッセージ見ました! どうしたんですか?」
私の通う大学に入学していた、愛理ちゃんが直接話しかけてきた。私は、何を言われても言いように覚悟を決めてから、彼女に問う。
「急にごめんね。根暗くんと何かあった?」
「……その件ですか。センパイからは何か聞いてませんか?」
「うん」
私の問いに対して、彼女は一言根暗くんから聞いてないか? と言い、頷くと、こう続けた。
「じゃあ、私が話しますか。その、先に謝らせてください。すみません」
「何を?」
謝られる事何かあったかな? なんて考えてる私に、彼女はとんでもない事を語った。
「私、陽華さんがセンパイの事好きだってことを知っているのに、センパイをデートに誘い、その……キ、キ……キスをしてしまいました」
え? なんで私の気持ち知ってるんだろう? 戸惑いながらも、私は言う。
「わ、私が根暗くんをって……な、何を言ってるの……って、えっ!? キス……」
「はい。イルカショーを見ている時に……」
「そう……だったんだ……それで……その、根暗くんとはその、つ、付き合ってるの?」
「それが……センパイあれから私の事を避けてるようで……」
それ以降の話はちゃんと聞くことができなかった。根暗くん……愛理ちゃんのことをどう思ってるの? 振り向いて欲しいけど、愛理ちゃんも好きみたいだし……
私はその日、家に帰ってからもずっと何もする気力が起きなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる