15 / 59
14 乗合馬車
しおりを挟む
「ところで今どのくらい持っておるのだ?」
次の町へ行く街道を歩いている道中、ふとマルが切り出した。
「なんの話だ?」
【マルはちょっとジャンプしてみろと言っています】
「言っとらん! ちょっと今の所持金が気になっただけだ!」
「ああ、金か。ええと、さっきの報酬も含めて2030ゴールドだ」
「思ったより貯めておらんかったのだな」
【SNSの投票式『付き合いたくない男』ランキングでは『金を浪費する男』は三位にランクインしていました。ちなみに一位は『金払いの悪い男』です】
「なんだその矛盾したランキングは」
とはいえ、思わぬ臨時収入が入ったおかげで金銭的にはかなりの余裕ができたのは確かだ。
船代に消えると考えると気は重いが、当面の生活に心配はない。
港町に着くまでに多少予算オーバーしたとしても、よほど無駄遣いしない限りは現地で簡単な日雇いの仕事でもすれば補充できるだろう。
「おお! あそこの屋台からうまそうな匂いがするぞ! 買っていこう!」
【私のグレープフルーツ電池が傷んできました。交換が必要です】
「……」
そう、無駄遣いさえしなければ。
◆
「おお、あれはなんだ?」
屋台の串焼きを頬張りながら、またしてもマルがなにかに目をつけた。
港町に近づくにつれ、殺風景な街道沿いにもチラホラと小さな商店や、地べたにシートを敷いて品物を並べている行商人などが目に付くようになり、それが珍しいようだった。
そんなマルが指さしたのは、二頭の馬にロープが結びつけられた、車輪の付いた大きな箱。
「あれは乗合馬車だな。馬に後ろの箱を引かせて人を運ぶんだ」
【自動車も鉄道もないこの星においては、徒歩以外の数少ない交通手段ですね】
「ふ~む、我も小さい頃、ドラゴンの仲間に重い岩を括りつけられて引かされたことがあったが、同じようなものか?」
それはイジメの一環だ。
と思ったが本人がそう思ってないようだから黙っておこう。
その馬車が停まっている場所は停留所になっており、近くに料金の書かれた看板が立っていた。
どうやら他の町を通過して港町にも一気に行けるらしい。
「乗車賃は一人200ゴールドか」
「ということは600ゴールド必要なのだな……」
「人外は計算する必要ないだろ」
「ということは、我もタダで乗れるのか!?」
なんだか既視感があるぞ。この会話。
「おーい、もうすぐ出発時間だよ。あんたたち乗るの? 乗らないの?」
御者の男が馬に乗ったままこちらを振り向く。
「金がもったいない。歩いて行くぞ」
「いやじゃ~。乗りたい乗りたい~」
子どもか。
いや、子どもの姿をしているとはいえドラゴンだろお前。
【人間の形態になったことで脳の容量も縮小した可能性があります】
結局、駄々をこねるマルに押し切られる形で馬車に乗り込むことになった。
「うひょ~、速い速い!」
馬車の窓から高速で後ろに流れる景色を見てはしゃぐドラゴンの雛。
「ドラゴンのお前ならもっと速く飛べるんじゃないのか?」
「それとこれとは別なのだ」
【この馬のペースなら三時間で港町に着きます。着いたらなにか仕事を探して不足分を補充しましょう。400ゴールド程度であれば荷物の積み下ろしなど、単純作業でもすぐに稼げます。剣を振る以外に資格も特技もないあなたでもすぐに見つかるでしょう。年齢制限に引っ掛かる可能性はありますが】
「あ~うるさい。マルと一緒に景色でも見てろ」
久しぶりに聞いた気がするこいつの皮肉だが、相変わらず半分も理解できないしこの先も理解できそうにない。
馬車が走る震動に身を任せながら軽く目を閉じていると、ふと、マルのはしゃぐ声が聞こえなくなったことに気づいた。
片目を開けて様子を見ると、マルは外の景色を眺めるのをやめ、口元を押さえている。
「う……気持ち悪いぞ……なにかの病気にかかったかもしれん」
【乗物酔いのようです。「動揺病」や「加速度病」とも呼称されますので病気といえば病気と言えます】
「ホントにドラゴンか? お前」
顔を覗き込むと、確かに顔色が悪い。
ドラゴンが吐いたらなにが出てくるんだとか、ブレスでも出るんじゃないかとかいう興味もあったが、他の客の迷惑を考えると我慢させるのが得策だろう。
【こういった場合はなにか別のことを考えて気を紛らわせるのが良いでしょう。群れにいた頃の楽しかった記憶などを思い出してください】
「群れにいた頃の思い出……虫のたくさん入った袋に入れられて紐で縛られた……うっ! ますます気持ち悪くなってきた……」
「イジメられた記憶しかないのかお前は」
その時、一際大きな揺れが俺たちを襲った。
馬車が急停止したようだ。
「!? ○×△☆♯□※!?」
マルはますます顔色が悪くなり、頬を膨らませてうずくまる。もうそこまで出かかっているという感じだった。
「どうした? なにがあった?」
俺は馬車の窓から顔を出し、馬を操縦している御者に尋ねる。
「ま、前にモンスターが壁を作ってるんだ! 馬が怯えて止まっちまった!」
前方に目をやると、数匹のモンスターの集団が街道のド真ん中に陣取っていた。
鋭い爪を持った四本足に、発達した牙、黒目のない混濁した瞳。
外見は犬やオオカミに似ているが、あれはバンダースナッチと呼ばれるモンスターだ。
次の町へ行く街道を歩いている道中、ふとマルが切り出した。
「なんの話だ?」
【マルはちょっとジャンプしてみろと言っています】
「言っとらん! ちょっと今の所持金が気になっただけだ!」
「ああ、金か。ええと、さっきの報酬も含めて2030ゴールドだ」
「思ったより貯めておらんかったのだな」
【SNSの投票式『付き合いたくない男』ランキングでは『金を浪費する男』は三位にランクインしていました。ちなみに一位は『金払いの悪い男』です】
「なんだその矛盾したランキングは」
とはいえ、思わぬ臨時収入が入ったおかげで金銭的にはかなりの余裕ができたのは確かだ。
船代に消えると考えると気は重いが、当面の生活に心配はない。
港町に着くまでに多少予算オーバーしたとしても、よほど無駄遣いしない限りは現地で簡単な日雇いの仕事でもすれば補充できるだろう。
「おお! あそこの屋台からうまそうな匂いがするぞ! 買っていこう!」
【私のグレープフルーツ電池が傷んできました。交換が必要です】
「……」
そう、無駄遣いさえしなければ。
◆
「おお、あれはなんだ?」
屋台の串焼きを頬張りながら、またしてもマルがなにかに目をつけた。
港町に近づくにつれ、殺風景な街道沿いにもチラホラと小さな商店や、地べたにシートを敷いて品物を並べている行商人などが目に付くようになり、それが珍しいようだった。
そんなマルが指さしたのは、二頭の馬にロープが結びつけられた、車輪の付いた大きな箱。
「あれは乗合馬車だな。馬に後ろの箱を引かせて人を運ぶんだ」
【自動車も鉄道もないこの星においては、徒歩以外の数少ない交通手段ですね】
「ふ~む、我も小さい頃、ドラゴンの仲間に重い岩を括りつけられて引かされたことがあったが、同じようなものか?」
それはイジメの一環だ。
と思ったが本人がそう思ってないようだから黙っておこう。
その馬車が停まっている場所は停留所になっており、近くに料金の書かれた看板が立っていた。
どうやら他の町を通過して港町にも一気に行けるらしい。
「乗車賃は一人200ゴールドか」
「ということは600ゴールド必要なのだな……」
「人外は計算する必要ないだろ」
「ということは、我もタダで乗れるのか!?」
なんだか既視感があるぞ。この会話。
「おーい、もうすぐ出発時間だよ。あんたたち乗るの? 乗らないの?」
御者の男が馬に乗ったままこちらを振り向く。
「金がもったいない。歩いて行くぞ」
「いやじゃ~。乗りたい乗りたい~」
子どもか。
いや、子どもの姿をしているとはいえドラゴンだろお前。
【人間の形態になったことで脳の容量も縮小した可能性があります】
結局、駄々をこねるマルに押し切られる形で馬車に乗り込むことになった。
「うひょ~、速い速い!」
馬車の窓から高速で後ろに流れる景色を見てはしゃぐドラゴンの雛。
「ドラゴンのお前ならもっと速く飛べるんじゃないのか?」
「それとこれとは別なのだ」
【この馬のペースなら三時間で港町に着きます。着いたらなにか仕事を探して不足分を補充しましょう。400ゴールド程度であれば荷物の積み下ろしなど、単純作業でもすぐに稼げます。剣を振る以外に資格も特技もないあなたでもすぐに見つかるでしょう。年齢制限に引っ掛かる可能性はありますが】
「あ~うるさい。マルと一緒に景色でも見てろ」
久しぶりに聞いた気がするこいつの皮肉だが、相変わらず半分も理解できないしこの先も理解できそうにない。
馬車が走る震動に身を任せながら軽く目を閉じていると、ふと、マルのはしゃぐ声が聞こえなくなったことに気づいた。
片目を開けて様子を見ると、マルは外の景色を眺めるのをやめ、口元を押さえている。
「う……気持ち悪いぞ……なにかの病気にかかったかもしれん」
【乗物酔いのようです。「動揺病」や「加速度病」とも呼称されますので病気といえば病気と言えます】
「ホントにドラゴンか? お前」
顔を覗き込むと、確かに顔色が悪い。
ドラゴンが吐いたらなにが出てくるんだとか、ブレスでも出るんじゃないかとかいう興味もあったが、他の客の迷惑を考えると我慢させるのが得策だろう。
【こういった場合はなにか別のことを考えて気を紛らわせるのが良いでしょう。群れにいた頃の楽しかった記憶などを思い出してください】
「群れにいた頃の思い出……虫のたくさん入った袋に入れられて紐で縛られた……うっ! ますます気持ち悪くなってきた……」
「イジメられた記憶しかないのかお前は」
その時、一際大きな揺れが俺たちを襲った。
馬車が急停止したようだ。
「!? ○×△☆♯□※!?」
マルはますます顔色が悪くなり、頬を膨らませてうずくまる。もうそこまで出かかっているという感じだった。
「どうした? なにがあった?」
俺は馬車の窓から顔を出し、馬を操縦している御者に尋ねる。
「ま、前にモンスターが壁を作ってるんだ! 馬が怯えて止まっちまった!」
前方に目をやると、数匹のモンスターの集団が街道のド真ん中に陣取っていた。
鋭い爪を持った四本足に、発達した牙、黒目のない混濁した瞳。
外見は犬やオオカミに似ているが、あれはバンダースナッチと呼ばれるモンスターだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
【完結】国外追放の王女様と辺境開拓。王女様は落ちぶれた国王様から国を買うそうです。異世界転移したらキモデブ!?激ヤセからハーレム生活!
花咲一樹
ファンタジー
【錬聖スキルで美少女達と辺境開拓国造り。地面を掘ったら凄い物が出てきたよ!国外追放された王女様は、落ちぶれた国王様゛から国を買うそうです】
《異世界転移.キモデブ.激ヤセ.モテモテハーレムからの辺境建国物語》
天野川冬馬は、階段から落ちて異世界の若者と魂の交換転移をしてしまった。冬馬が目覚めると、そこは異世界の学院。そしてキモデブの体になっていた。
キモデブことリオン(冬馬)は婚活の神様の天啓で三人の美少女が婚約者になった。
一方、キモデブの婚約者となった王女ルミアーナ。国王である兄から婚約破棄を言い渡されるが、それを断り国外追放となってしまう。
キモデブのリオン、国外追放王女のルミアーナ、義妹のシルフィ、無双少女のクスノハの四人に、神様から降ったクエストは辺境の森の開拓だった。
辺境の森でのんびりとスローライフと思いきや、ルミアーナには大きな野望があった。
辺境の森の小さな家から始まる秘密国家。
国王の悪政により借金まみれで、沈みかけている母国。
リオンとルミアーナは母国を救う事が出来るのか。
※激しいバトルは有りませんので、ご注意下さい
カクヨムにてフォローワー2500人越えの人気作
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる