降り積もる雪のように

芙月みひろ

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 ヒロさんからDMが入ったのは、ちょうど仕事が終わり、帰り支度をしていた時だった。

 ―― 平西公園内の銀杏並木の辺りで待っています。

 どことなく堅苦しくも思えるその文面に小さく笑いながら、私も少し固めの文章で返信した。

 ―― 30分後くらいには到着できるかと思います。よろしくお願いします。

 私はロッカーに入れておいたカメラバッグを持つと、少し離れた駐車場に止めている車に乗り込んだ。

 指定された銀杏並木に向かうため、公園の駐車場に車を止めて少し歩く。銀杏の季節しか知らなかった私は、眼前に現れた景色に目を奪われた。

 秋には黄金色となるこの並木も、今は幹と枝ばかりの寂しい姿となっている。けれどここ数日で真っ白に雪化粧を施され、所々にある灯りの白い光に浮かび上がる様は幻想的でとても美しい。

 しばらくして、前方から近づいてくる人の姿に気がついた。

「ごめん、待たせたよね」

 ヒロさんだった。彼の顔の周りには、吐く息が白く立ち上っている。雪の中を急いで駆けてきたようだ。

「さっき来たところだったから、大丈夫だよ」

 にっこり笑ってそう言う私に、彼は安心したような顔をした。それから大きな息をひとつ吐くと、私の姿をじっと見つめた。

「今日も白いコートなんだね」

「あぁ、これ?暖かくて気に入ってるんだ」

「リナさんって感じがして、よく似合ってる」

「え、あ、それは、ありがとう……」

 急に褒められて私は動揺した。その上胸がどきどきしている。この前感じたときめきともどこか違う。
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