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僕に対して[王都に戻った初日に国から内密に殺害命令出ていた]って事を元義賊仲間は知っていたのだろうか?知っていたとすると、突き放す言葉に僕が思っていたのとは違う意味が含まれいたのではないか?と思え、昔の仲間に裏切られた感で重く成っていた心が、ほんの少しだけ軽く成った。
この時、心の中で本当に少しだけ魔法使いに感謝したのだが、次の瞬間に、その魔法使いはそんな僕の気持ちを台無しにしてくれる。こんなに沢山、魔法使いと話したのは初めての事だが、若しかしたら魔法使いは、元からそんな類いの人種だったのかもしれない。
そう、魔法使いは「少し話を戻すぞ?勇者の婚約者、勇者の将来の結婚相手は王位継承権100番台の姫って言ったのを覚えているか?」と言って来た。
魔法使いの言葉に僕が頷くと魔法使いは「英雄職には治外特権があれど、英雄本人が王侯貴族と結婚した場合には、例え結婚の相手が後ろ盾も無い王位継承権100番台の姫だったとしても、爵位を与えられたのと同じく、貴族としての義務が生じてしまう、ここまではOK?」と言って僕が頷くのを待った。勿論、僕は頷く。
他人の支配や規制に依る拘束を受けない代わりに、世界を救うのが英雄の使命だ。
「ここで問題だ、城で働く貴族子女は勿論、気に入れば平民にも手を出す好色漢、明らかに堪え性の無い王様が、英雄職を自分の命令で動かせる権利と言う名の外交カードを手に入れた場合、その外交カードを使わずにいられると思うか?」
魔法使いが発した言葉に色々な意味で僕の肝が冷える。間違っちゃいないが、出題の内容自体が王様に対して不敬だし、問題の内容が誰かに聞かれると現実的にヤバイ。
「ちょっと待って!そう言う話は秘密厳守の御高い店の個室で話すべきでは?」
そんな僕の意見に魔法使いは真っ向から反対し「それのがやべぇ~だろ!密談を密談全っとした場所でヤル奴は、密談を公言しているようなモノだと思わないか?個室使うのに身分の証明が必要に成るし、秘密が厳守されるって言っても、店を護る為に怪しければ盗聴されるし従業員が耳にした情報は記録されて王命があれば開示される」って、何か今、高級店の裏の顔を魔法使いに教えられた気がする。
「そもそも、それすると、普段と違う格好した意味が無く成る…無駄に成るだろ?」
全くもって、変装の件に付いてはその通りだが、魔法使いは魔法使いとして素顔を晒したくないだけではなかろうか?これはきっと、気の所為ではない。
「それに、この手の場所での会話なら、酒の席での戯言で通せると思わないか?」
それは大雑把が過ぎる考えなのではなかろうか?
「誰も話の内容を本気で聞きゃしないって、王様が勇者を盾に近隣国に対して傘下に入れって脅してるってな話」
押して引いて、後から魔法使いは気軽にとんでもねぇ~爆弾発言を落してきやがった。
「マジで?」
「マジマジ、勇者と我が国の姫の結婚式するから貢ぎ物持って来いよ的な書状に挑発的な文面があるんだ」と言って魔法使いは懐から取り出した何処か宛ての書状を僕の目の前で開きやがった。然も、そこには[祝福しなきゃ戦争だ]的な事が本当に書いてある。
「これ、本物?」
「今週中の晴れた日に届ける予定の隣国宛ての本物~♪国王様発信だぞw凄かろう?」
「(何が、凄かろだ?)盗んだのか?」
「ヌスンデナイヨ?預けられたから中を検めただけ♪」
「(嘘臭いなぁ~…)他人様宛ての書状をこんな場所で開けて見ちゃ駄目では?」
「駄目ジャナイヨ?この手の書状は使者が持って行って相手方様の前で開いて読まなくちゃ駄目だから、事前に文面を読み込んで、本番では噛まずに読まなきゃイケナイんだ」
「誰だよ!魔法使いを使者にした奴!!」
「勇者だよ?最後の仕事として、晴れた日にドドォ~ンと発表してくれって依頼されたんだ♪」
最後の仕事?今、魔法使いが[最後の仕事]って言ったか?
気に成って「最後とは?」と僕が魔法使いに質問すると魔法使いは晴れやかな笑みを浮かべ「足の引っ張り合いも派閥争いも面倒だから、偶然居合わせた勇者の目の前で、宮廷魔導師団のトップにクビを言い渡させてみた結果?」と言う。それ、絶対に偶然じゃないだろ?の他に[オマエ、宮廷魔導師団のトップに何をした?]等、色々と言いたい事は沢山あるが、気に成るけど訊いた所で心労が溜まるだけに成るだろうから、今回は「そうなんだ…」と言って笑って黙って放置する事にする。
それより何より問題なのは、魔法使いが野放しに成った事である。然も、携えた書状は自国発信の挑発的な物。魔法使いが面白半分で戦争を勃発させないかが心配と成る。
「魔法使いさん、何かトンデモナイ事を画策してたりしませんよね?」
「ははっ、何の事かな?って言うか、御一緒に如何ですか?破滅工作♪」
「戦争とか内戦を引き起こすと言う事なら反対ですよ?」
正直、突き放されたとは言え、昔馴染みが巻き込まれるような事は避けておきたい。
「嫌だなぁ~、そんな大事にはしないよ?」
「ホントに?」
「ホント、ホント♪この私との約束を反故にした愚か者に制裁を加えるだけだよ?盗賊くんだって、魔王討伐って仕事の報酬のオマケに、報酬の減額と自分への殺害命令を受けた人間の派遣がセットに成ってたとか、怒って然るべき案件があったよね?」
確かに僕は、殺害命令があった事を耳にして憤りはした。けれども、この件に関して、何故に魔法使いは僕を誘いに来たのかが凄く気に成る。
魔法使いが何も無しに僕を誘いに来たりしないだろう事は、魔王討伐の旅の中での付き合いで得た情報から分かる。魔法使いは訳も無しに他人様を巻き込んだりしない性格だ。逆に言えば、理由さえあったら完全に完璧に巻き込んで来るタイプだ。
それに先程[私との約束を反故にした愚か者に制裁を加えるだけ]と言っていた。魔法使いの方も旅立つ前から何かしらの訳アリだったのだろう。
で…今回…何かがあって…、僕の何かしらの能力が必要に成ったのかもしれない…、訳くらいは話してくれるだろうか?と…僕が様子を窺うように魔法使いの方を見ていると……。「まずは仕事を頼みたいから、これ、報酬的なアレね♪」と、僕が魔王討伐に参加する事を了承した理由の一つ、元々は僕の物ではあったのだが、褒賞として得る筈だった品物、返却して貰える筈だった僕の宝物が魔法使いから手渡された。
この時、心の中で本当に少しだけ魔法使いに感謝したのだが、次の瞬間に、その魔法使いはそんな僕の気持ちを台無しにしてくれる。こんなに沢山、魔法使いと話したのは初めての事だが、若しかしたら魔法使いは、元からそんな類いの人種だったのかもしれない。
そう、魔法使いは「少し話を戻すぞ?勇者の婚約者、勇者の将来の結婚相手は王位継承権100番台の姫って言ったのを覚えているか?」と言って来た。
魔法使いの言葉に僕が頷くと魔法使いは「英雄職には治外特権があれど、英雄本人が王侯貴族と結婚した場合には、例え結婚の相手が後ろ盾も無い王位継承権100番台の姫だったとしても、爵位を与えられたのと同じく、貴族としての義務が生じてしまう、ここまではOK?」と言って僕が頷くのを待った。勿論、僕は頷く。
他人の支配や規制に依る拘束を受けない代わりに、世界を救うのが英雄の使命だ。
「ここで問題だ、城で働く貴族子女は勿論、気に入れば平民にも手を出す好色漢、明らかに堪え性の無い王様が、英雄職を自分の命令で動かせる権利と言う名の外交カードを手に入れた場合、その外交カードを使わずにいられると思うか?」
魔法使いが発した言葉に色々な意味で僕の肝が冷える。間違っちゃいないが、出題の内容自体が王様に対して不敬だし、問題の内容が誰かに聞かれると現実的にヤバイ。
「ちょっと待って!そう言う話は秘密厳守の御高い店の個室で話すべきでは?」
そんな僕の意見に魔法使いは真っ向から反対し「それのがやべぇ~だろ!密談を密談全っとした場所でヤル奴は、密談を公言しているようなモノだと思わないか?個室使うのに身分の証明が必要に成るし、秘密が厳守されるって言っても、店を護る為に怪しければ盗聴されるし従業員が耳にした情報は記録されて王命があれば開示される」って、何か今、高級店の裏の顔を魔法使いに教えられた気がする。
「そもそも、それすると、普段と違う格好した意味が無く成る…無駄に成るだろ?」
全くもって、変装の件に付いてはその通りだが、魔法使いは魔法使いとして素顔を晒したくないだけではなかろうか?これはきっと、気の所為ではない。
「それに、この手の場所での会話なら、酒の席での戯言で通せると思わないか?」
それは大雑把が過ぎる考えなのではなかろうか?
「誰も話の内容を本気で聞きゃしないって、王様が勇者を盾に近隣国に対して傘下に入れって脅してるってな話」
押して引いて、後から魔法使いは気軽にとんでもねぇ~爆弾発言を落してきやがった。
「マジで?」
「マジマジ、勇者と我が国の姫の結婚式するから貢ぎ物持って来いよ的な書状に挑発的な文面があるんだ」と言って魔法使いは懐から取り出した何処か宛ての書状を僕の目の前で開きやがった。然も、そこには[祝福しなきゃ戦争だ]的な事が本当に書いてある。
「これ、本物?」
「今週中の晴れた日に届ける予定の隣国宛ての本物~♪国王様発信だぞw凄かろう?」
「(何が、凄かろだ?)盗んだのか?」
「ヌスンデナイヨ?預けられたから中を検めただけ♪」
「(嘘臭いなぁ~…)他人様宛ての書状をこんな場所で開けて見ちゃ駄目では?」
「駄目ジャナイヨ?この手の書状は使者が持って行って相手方様の前で開いて読まなくちゃ駄目だから、事前に文面を読み込んで、本番では噛まずに読まなきゃイケナイんだ」
「誰だよ!魔法使いを使者にした奴!!」
「勇者だよ?最後の仕事として、晴れた日にドドォ~ンと発表してくれって依頼されたんだ♪」
最後の仕事?今、魔法使いが[最後の仕事]って言ったか?
気に成って「最後とは?」と僕が魔法使いに質問すると魔法使いは晴れやかな笑みを浮かべ「足の引っ張り合いも派閥争いも面倒だから、偶然居合わせた勇者の目の前で、宮廷魔導師団のトップにクビを言い渡させてみた結果?」と言う。それ、絶対に偶然じゃないだろ?の他に[オマエ、宮廷魔導師団のトップに何をした?]等、色々と言いたい事は沢山あるが、気に成るけど訊いた所で心労が溜まるだけに成るだろうから、今回は「そうなんだ…」と言って笑って黙って放置する事にする。
それより何より問題なのは、魔法使いが野放しに成った事である。然も、携えた書状は自国発信の挑発的な物。魔法使いが面白半分で戦争を勃発させないかが心配と成る。
「魔法使いさん、何かトンデモナイ事を画策してたりしませんよね?」
「ははっ、何の事かな?って言うか、御一緒に如何ですか?破滅工作♪」
「戦争とか内戦を引き起こすと言う事なら反対ですよ?」
正直、突き放されたとは言え、昔馴染みが巻き込まれるような事は避けておきたい。
「嫌だなぁ~、そんな大事にはしないよ?」
「ホントに?」
「ホント、ホント♪この私との約束を反故にした愚か者に制裁を加えるだけだよ?盗賊くんだって、魔王討伐って仕事の報酬のオマケに、報酬の減額と自分への殺害命令を受けた人間の派遣がセットに成ってたとか、怒って然るべき案件があったよね?」
確かに僕は、殺害命令があった事を耳にして憤りはした。けれども、この件に関して、何故に魔法使いは僕を誘いに来たのかが凄く気に成る。
魔法使いが何も無しに僕を誘いに来たりしないだろう事は、魔王討伐の旅の中での付き合いで得た情報から分かる。魔法使いは訳も無しに他人様を巻き込んだりしない性格だ。逆に言えば、理由さえあったら完全に完璧に巻き込んで来るタイプだ。
それに先程[私との約束を反故にした愚か者に制裁を加えるだけ]と言っていた。魔法使いの方も旅立つ前から何かしらの訳アリだったのだろう。
で…今回…何かがあって…、僕の何かしらの能力が必要に成ったのかもしれない…、訳くらいは話してくれるだろうか?と…僕が様子を窺うように魔法使いの方を見ていると……。「まずは仕事を頼みたいから、これ、報酬的なアレね♪」と、僕が魔王討伐に参加する事を了承した理由の一つ、元々は僕の物ではあったのだが、褒賞として得る筈だった品物、返却して貰える筈だった僕の宝物が魔法使いから手渡された。
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