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私とブランが城へ続く門を通る為の申請が下りたのが一週間前。もしかしたらソレ自分かも?な、行方不明者の捜索を協力させられる事に成って、気付けば一月程度経過していた。
そして、今更な御話だが、拠点を移す前は毎日通っていた門を久し振りに通った時、懐かしいなぁ~って思ったりした気がする。
呼び出された古株の門番さんは私の事をうろ覚えで、私だけでなくブランの事も「覚えている」「大きく成ったなぁ~、元気にしてたかぁ~」と言って懐かしそうに対応し、勝手解釈の昔話を繰り広げていた。けど、その話の御蔭で…、レヨンとサンティエの母親であるフロワが姉設定で…太陽を待ちわびる方が妹設定と成っていた事…、私は母親と病気がちな姫様に飲んで貰う薬の材料を採取に出掛けると言う名目で森まで出掛けていた事…が発覚した……。実際は、生活に困って生活費を稼ぐ為に冒険者組合に登録し、討伐で稼いだり薬を作って売って稼いだり、時には森で食材や香草等の調味料を調達して食べたりして過ごしていたのだけど、言ったらややこしい事に成るだろうから黙ってようと思う。そもそも、御捜しの姫、私かもよ?を信じて貰える気がしないので仕方が無い。(←後に、言って信じて貰えなくても、この時にでも言ってみりゃ良かったのでは?と、後悔したりもする)
門からの道も、久し振りに通って強いて言えば懐かしかったけど、そこにも特に思い入れは無かったので、何の情報も近衛の人に与える事無く通るだけ通った。
離宮の手前の植え込みの奥にあった庭師の爺さんと一緒に世話をしていた畑の方は気に成るけど、自由行動は制限されていて、そっちには行けなかったし、遠くの見える位置にあった食べられる果樹を収穫する事も許されなかったから、姫様が居たであろう当事の事を聞かれても、通る事が許された範囲内で、同行した近衛兵に話せる事は全く無くて詰まった会話に辟易する事と成る。
嘗て私が生活していた古い離宮は?と言えば、埃塗れの所を踏み荒らしたっぽく、離宮の主が何処に行ってしまったか?に繋がるモノを探す人が探して引っ掻き回し大いに散らかして回り、荒れに荒れてしまってゴミ屋敷状態。その庭は庭師の爺さんが家族に引き取られた時点で管理者を無くし草木が生い茂っていて出られない状況。
ここでも話せるネタは無くて困って「母親から習って調薬はしていたけど、流民な上に未成年の見習いが、投薬の現場に同席させて貰えると御思いですか?」と言ったら「確かに…血の繋がりがあるとは言え、生粋の流民の子供を王族の血が入った子がいる部屋の中入れはしないか…」と納得してくれた。若干意味の分からない理屈含みな近衛兵の人の返答に言葉を無くしたが、姫とかとの接点が私達に無いと思い込んでくれた事を感謝する事にしよう。と、この時は思った。
結果、私が本当に姫だったぽい事が私の中だけで発覚&確定した。
序に、4年毎にやって来ていたキャラバンと一緒に冒険者として旅へ出て、旅先でキャラバン共々行方不明に成ってしまった母親の言葉をその場で思い出して焦る。そう言えば「離宮に住んでた母娘は旅先で死んだ事にしておくから、誰かに聞かれたらそう言っといて」言ってた気がしないでもない。と…いう事は…、あ、やっべ…、行方不明は偽装なのかもしれない……。
そう思った私は「そう言えば、気付いた時には離宮に予算を出して貰えないとかで、私と母は城下に出稼ぎに出てたんですよね」と一番権限が無さそうな若い衛兵の一人に声を掛け、「は?」とか「え?!」とか言われつつ「その設定が確かなら、(設定的に)収入の大半は薬代で消えていたのかも…」と言い。意味が分からない風の近衛兵さんの様子を他所に「ここに居た頃、貴族出身でない私達(庭師の爺さんと私と母)は食うにも困ってたし…」と言葉を続け「そうそう…今更かもだけど…、母…フロワは必要に迫られ私達(庭師の爺さんと私)を残して、雇い主と一緒に…嘗て4年毎にやって来ていたキャラバンに頼み込んで護衛名目で王都を出たそうなんですよ…、そこん所…もう調べました?」と言ったら「雇い主ってそれ…それもっと早く言えよ!」と言われた。
因みに彼等が調べた結果、フロワと行方不明に成ったキャラバンは、完全成功報酬で太陽を待ちわびる方からの依頼を受け、病気の子供(病気の子供では無いが私)の病気(←嘘の名目)の治療の為、旅に同行する。と言う契約を結んでいたそうだ。
フロワもキャラバンも、王族を誘拐した訳では無い。と言う伏線を用意しているとか、我が母親の先見の明が凄過ぎる。
但し…、母親の先見の明の御蔭で身分詐称の罪を問われる事は無いけど…、私が本物だよ~って証明する証拠は全くない無いなぁ~…別に私は困らないけど…って思っていた事もありました……。
そう、当事の私は面倒だなぁ~接点無さそうだって思ったんなら、早くこの案件から解放してくれないかなぁ~って思う程度で姫君とやらが居ない事で私は困ってはいませんでした。が、私は普通に生きているし、母親も名前や見た目を変えて生きてるかもしれないけど、太陽を待ちわびる方とその娘の姫君が死んだ証拠が続々と揃い。姫君とやらが居ない事でとっても困っている人達が沢山出て来てしまい、大変な事に成った事等、私は知りもしませんでした。
そのよ~な事が最近の近況な、とある晴れた日の事。
ワンコモードのブランと一緒に森で狩りと採取をして冒険者ギルドに立ち寄ると、珍しくギルド長の執務室に呼び出される事に成った。不審に思いながらも犬なブランは入室を拒否されたので、その場に置いて行ってみると、不機嫌そうなギルド長と偉そうな近衛兵の人が居て「登録時や更新時の料金加算でサンティエさんのギルド証に表示された髪と目の色の表記は茶色ですが、ギルドの本登録情報は金髪碧眼で、魔道具に因る偽装と成っています」とギルドの秘書の人が言い、ギルド長がその場で「マジナイ屋のシャンティイ、魔道具を外して見せなさい」と言いやがった。
私が嫌そうな態度を前面に出し「行き成り訳も話さず犯罪者扱いですか?」と言うと「そう言う訳ではありません!緊急事態なんです」と秘書の人が言った。と言う事は、私の本当の年齢や名前がバレた訳では無い御様子。詰まり、私がやってる身分詐称案件系列、それを断罪をする為の確認ではなさそうだ。
それなら、取り敢えず。
「後、私が母親から貰った名前はサンティエです、勝手に二つ名も名前も付けないで下さい」と意思表示をしながら、多少の時間の引き伸ばしをしていたら、何時も通りにレヨンに化けたブランが、ギルド長の執務室に乱入して来て私を抱き締め「サンティエをイジメたら許さない」と犬が威嚇する時の様なひっくい声で唸る様に周囲を牽制してくれた。ブランさえ身近に居れば、もしもの時に逃げ出せるので安心していられる。と、普段は思うのだが、今回はレヨンの姿のブランの登場で受けたくないような依頼を強制で受けなければいけない状況に追い込まれる事と成った。
レヨンの姿のブランを見た偉そうな近衛兵の人が笑顔を浮かべ「この男の妹ならば似ていなくても問題無い!セットで使えば大丈夫だろう」と私の本当の姿を確認する事無く依頼書にサインをし、ギルド長が勝手に「マジナイ屋のシャンティイ、コレはギルド員が年に1回受けなければイケナイ強制依頼と成った!拒否は認められないよ♪」と言いやがったのである。
因みに、偉そうな近衛兵の人は、国王様直属の近衛隊長様なのだそうで「君達の母親とは面識が無いが、君達の母親の妹であるエクレール殿とは面識がある」と言いブランに対して「エクレール殿の息子だと名乗っても、これだけ似ていれば疑う者は居ないだろうが、そう言う訳にはイカナイ」と言って「今日から君達は兄妹ではなく、従兄妹と成る」と何やら勝手に決定事項を発表しやがった。まぁ、そもそも、本当は兄妹でもなく、飼い主とウェアウルフである。
ブランはレヨンの姿で首を傾げ、私も彼等が私達に何をさせたいかが分からなくて首を傾げていた。密かに秘書の人が、私とブランを見て、微笑ましいモノでも見るかのよ~に微笑んでいるのが気に成ったが、彼女が何を思っていたかは私に取って不明である。見なかった事にしよう。
この後は私に拒否権無く勝手に話が進み、私が愛用する変装用の魔道具、細い飴色のイヤーカフを外した時点でやっと、依頼の理由と内容が発表される。
近衛隊長様の御話によると、来年16歳に成る行方不明中の姫君に、隣国の王族との縁談が持ち上がり、断れない段階だとかで、本人、又は身代わりが必要に成ったとか言う事だった。
そうなってしまった理由は、前々から(現在行方不明中の)姫君と御見合いだけでもって言う打診があったのに、后妃が国王へ宛てられた手紙や書状の一部をを秘密裏に揉み消し、その姫君に対するモノだけ勝手に断って不義理を続けていたからだそうだ。
どうやら后妃は、愛妾であったエクレールを心底嫌い、その娘が隣国のであっても、地位ある王侯貴族と結婚するのが許せなかったっぽい。エクレールの娘である私が母親諸共死ぬか、最低でも市井に下って貧民に成るかして欲しかったらしい。多分じゃなくても有り得るっぽい御話だ私が幼少期に体験した結果がそう言う事なのだろう。
でも、そんな事を願う后妃の願いは、后妃が気付かぬ間にエクレールが行方不明に成り、后妃が知らぬ間にエクレールの娘の私が貧民街近くに住み着くと言う形で少しだけ叶っていたのだけど、その事を知る前に后妃自ら台無しにして、一番嫌がっていた様に成る様相を呈させてしまうとか、現在のこの国の后妃ってヤツは、運が無いのかもしれない。
つか、后妃は嫌がらせを指示して途中から放置したのか?悪意を撒き散らすだけ撒き散らして満足しやがるタイプなのか?面倒なタイプだなぁ~…、その手の輩は憤りを完全に消化させる事無く…思い出す度に憤って細々とヤラカシテくれるんだよなぁ~…、拘りたくねぇ~…、絶対に坊主憎けりゃ袈裟まで憎いで、似ているってだけで、悪意を向けて来るんだろうなぁ~…、まぁ、私は憤りの対象であるエクレールの娘なんだけども…、エクレールの娘である姫君の偽物として后妃の目に付く場所に出たとしても、憤って嫌がらせして来るに違いないなぁ~…高確率で……。
私は避けられない指名依頼を受ける覚悟を決め「私の身の回りの者達に后妃様が嫌がらせをしない様に徹底して下さいね」と言い「最低でもオマジナイ料理の店と従業員、店の常連客は守備範囲に入れると言う約束を書面にして下さい」と約束を取り付けた。そう言う悪意が存在すると知らないっぽい近衛隊長様は「后妃様がそんな事をしたりしないと思うがな」と気軽に了承してくれた。ギルド長の方は、思い当る事があったらしく「冒険者ギルドにその案件の手伝いを乞うのならば、近衛隊から依頼を出して依頼料を御支払いいただきます」と言ってその内容を秘密保持契約の書類に書き足してくれていた。
私はそれを見ながら…、近衛隊長、近衛隊長って高い地位にあるのに…騙されて財産奪われるタイプだな……。って思った。
そして、今更な御話だが、拠点を移す前は毎日通っていた門を久し振りに通った時、懐かしいなぁ~って思ったりした気がする。
呼び出された古株の門番さんは私の事をうろ覚えで、私だけでなくブランの事も「覚えている」「大きく成ったなぁ~、元気にしてたかぁ~」と言って懐かしそうに対応し、勝手解釈の昔話を繰り広げていた。けど、その話の御蔭で…、レヨンとサンティエの母親であるフロワが姉設定で…太陽を待ちわびる方が妹設定と成っていた事…、私は母親と病気がちな姫様に飲んで貰う薬の材料を採取に出掛けると言う名目で森まで出掛けていた事…が発覚した……。実際は、生活に困って生活費を稼ぐ為に冒険者組合に登録し、討伐で稼いだり薬を作って売って稼いだり、時には森で食材や香草等の調味料を調達して食べたりして過ごしていたのだけど、言ったらややこしい事に成るだろうから黙ってようと思う。そもそも、御捜しの姫、私かもよ?を信じて貰える気がしないので仕方が無い。(←後に、言って信じて貰えなくても、この時にでも言ってみりゃ良かったのでは?と、後悔したりもする)
門からの道も、久し振りに通って強いて言えば懐かしかったけど、そこにも特に思い入れは無かったので、何の情報も近衛の人に与える事無く通るだけ通った。
離宮の手前の植え込みの奥にあった庭師の爺さんと一緒に世話をしていた畑の方は気に成るけど、自由行動は制限されていて、そっちには行けなかったし、遠くの見える位置にあった食べられる果樹を収穫する事も許されなかったから、姫様が居たであろう当事の事を聞かれても、通る事が許された範囲内で、同行した近衛兵に話せる事は全く無くて詰まった会話に辟易する事と成る。
嘗て私が生活していた古い離宮は?と言えば、埃塗れの所を踏み荒らしたっぽく、離宮の主が何処に行ってしまったか?に繋がるモノを探す人が探して引っ掻き回し大いに散らかして回り、荒れに荒れてしまってゴミ屋敷状態。その庭は庭師の爺さんが家族に引き取られた時点で管理者を無くし草木が生い茂っていて出られない状況。
ここでも話せるネタは無くて困って「母親から習って調薬はしていたけど、流民な上に未成年の見習いが、投薬の現場に同席させて貰えると御思いですか?」と言ったら「確かに…血の繋がりがあるとは言え、生粋の流民の子供を王族の血が入った子がいる部屋の中入れはしないか…」と納得してくれた。若干意味の分からない理屈含みな近衛兵の人の返答に言葉を無くしたが、姫とかとの接点が私達に無いと思い込んでくれた事を感謝する事にしよう。と、この時は思った。
結果、私が本当に姫だったぽい事が私の中だけで発覚&確定した。
序に、4年毎にやって来ていたキャラバンと一緒に冒険者として旅へ出て、旅先でキャラバン共々行方不明に成ってしまった母親の言葉をその場で思い出して焦る。そう言えば「離宮に住んでた母娘は旅先で死んだ事にしておくから、誰かに聞かれたらそう言っといて」言ってた気がしないでもない。と…いう事は…、あ、やっべ…、行方不明は偽装なのかもしれない……。
そう思った私は「そう言えば、気付いた時には離宮に予算を出して貰えないとかで、私と母は城下に出稼ぎに出てたんですよね」と一番権限が無さそうな若い衛兵の一人に声を掛け、「は?」とか「え?!」とか言われつつ「その設定が確かなら、(設定的に)収入の大半は薬代で消えていたのかも…」と言い。意味が分からない風の近衛兵さんの様子を他所に「ここに居た頃、貴族出身でない私達(庭師の爺さんと私と母)は食うにも困ってたし…」と言葉を続け「そうそう…今更かもだけど…、母…フロワは必要に迫られ私達(庭師の爺さんと私)を残して、雇い主と一緒に…嘗て4年毎にやって来ていたキャラバンに頼み込んで護衛名目で王都を出たそうなんですよ…、そこん所…もう調べました?」と言ったら「雇い主ってそれ…それもっと早く言えよ!」と言われた。
因みに彼等が調べた結果、フロワと行方不明に成ったキャラバンは、完全成功報酬で太陽を待ちわびる方からの依頼を受け、病気の子供(病気の子供では無いが私)の病気(←嘘の名目)の治療の為、旅に同行する。と言う契約を結んでいたそうだ。
フロワもキャラバンも、王族を誘拐した訳では無い。と言う伏線を用意しているとか、我が母親の先見の明が凄過ぎる。
但し…、母親の先見の明の御蔭で身分詐称の罪を問われる事は無いけど…、私が本物だよ~って証明する証拠は全くない無いなぁ~…別に私は困らないけど…って思っていた事もありました……。
そう、当事の私は面倒だなぁ~接点無さそうだって思ったんなら、早くこの案件から解放してくれないかなぁ~って思う程度で姫君とやらが居ない事で私は困ってはいませんでした。が、私は普通に生きているし、母親も名前や見た目を変えて生きてるかもしれないけど、太陽を待ちわびる方とその娘の姫君が死んだ証拠が続々と揃い。姫君とやらが居ない事でとっても困っている人達が沢山出て来てしまい、大変な事に成った事等、私は知りもしませんでした。
そのよ~な事が最近の近況な、とある晴れた日の事。
ワンコモードのブランと一緒に森で狩りと採取をして冒険者ギルドに立ち寄ると、珍しくギルド長の執務室に呼び出される事に成った。不審に思いながらも犬なブランは入室を拒否されたので、その場に置いて行ってみると、不機嫌そうなギルド長と偉そうな近衛兵の人が居て「登録時や更新時の料金加算でサンティエさんのギルド証に表示された髪と目の色の表記は茶色ですが、ギルドの本登録情報は金髪碧眼で、魔道具に因る偽装と成っています」とギルドの秘書の人が言い、ギルド長がその場で「マジナイ屋のシャンティイ、魔道具を外して見せなさい」と言いやがった。
私が嫌そうな態度を前面に出し「行き成り訳も話さず犯罪者扱いですか?」と言うと「そう言う訳ではありません!緊急事態なんです」と秘書の人が言った。と言う事は、私の本当の年齢や名前がバレた訳では無い御様子。詰まり、私がやってる身分詐称案件系列、それを断罪をする為の確認ではなさそうだ。
それなら、取り敢えず。
「後、私が母親から貰った名前はサンティエです、勝手に二つ名も名前も付けないで下さい」と意思表示をしながら、多少の時間の引き伸ばしをしていたら、何時も通りにレヨンに化けたブランが、ギルド長の執務室に乱入して来て私を抱き締め「サンティエをイジメたら許さない」と犬が威嚇する時の様なひっくい声で唸る様に周囲を牽制してくれた。ブランさえ身近に居れば、もしもの時に逃げ出せるので安心していられる。と、普段は思うのだが、今回はレヨンの姿のブランの登場で受けたくないような依頼を強制で受けなければいけない状況に追い込まれる事と成った。
レヨンの姿のブランを見た偉そうな近衛兵の人が笑顔を浮かべ「この男の妹ならば似ていなくても問題無い!セットで使えば大丈夫だろう」と私の本当の姿を確認する事無く依頼書にサインをし、ギルド長が勝手に「マジナイ屋のシャンティイ、コレはギルド員が年に1回受けなければイケナイ強制依頼と成った!拒否は認められないよ♪」と言いやがったのである。
因みに、偉そうな近衛兵の人は、国王様直属の近衛隊長様なのだそうで「君達の母親とは面識が無いが、君達の母親の妹であるエクレール殿とは面識がある」と言いブランに対して「エクレール殿の息子だと名乗っても、これだけ似ていれば疑う者は居ないだろうが、そう言う訳にはイカナイ」と言って「今日から君達は兄妹ではなく、従兄妹と成る」と何やら勝手に決定事項を発表しやがった。まぁ、そもそも、本当は兄妹でもなく、飼い主とウェアウルフである。
ブランはレヨンの姿で首を傾げ、私も彼等が私達に何をさせたいかが分からなくて首を傾げていた。密かに秘書の人が、私とブランを見て、微笑ましいモノでも見るかのよ~に微笑んでいるのが気に成ったが、彼女が何を思っていたかは私に取って不明である。見なかった事にしよう。
この後は私に拒否権無く勝手に話が進み、私が愛用する変装用の魔道具、細い飴色のイヤーカフを外した時点でやっと、依頼の理由と内容が発表される。
近衛隊長様の御話によると、来年16歳に成る行方不明中の姫君に、隣国の王族との縁談が持ち上がり、断れない段階だとかで、本人、又は身代わりが必要に成ったとか言う事だった。
そうなってしまった理由は、前々から(現在行方不明中の)姫君と御見合いだけでもって言う打診があったのに、后妃が国王へ宛てられた手紙や書状の一部をを秘密裏に揉み消し、その姫君に対するモノだけ勝手に断って不義理を続けていたからだそうだ。
どうやら后妃は、愛妾であったエクレールを心底嫌い、その娘が隣国のであっても、地位ある王侯貴族と結婚するのが許せなかったっぽい。エクレールの娘である私が母親諸共死ぬか、最低でも市井に下って貧民に成るかして欲しかったらしい。多分じゃなくても有り得るっぽい御話だ私が幼少期に体験した結果がそう言う事なのだろう。
でも、そんな事を願う后妃の願いは、后妃が気付かぬ間にエクレールが行方不明に成り、后妃が知らぬ間にエクレールの娘の私が貧民街近くに住み着くと言う形で少しだけ叶っていたのだけど、その事を知る前に后妃自ら台無しにして、一番嫌がっていた様に成る様相を呈させてしまうとか、現在のこの国の后妃ってヤツは、運が無いのかもしれない。
つか、后妃は嫌がらせを指示して途中から放置したのか?悪意を撒き散らすだけ撒き散らして満足しやがるタイプなのか?面倒なタイプだなぁ~…、その手の輩は憤りを完全に消化させる事無く…思い出す度に憤って細々とヤラカシテくれるんだよなぁ~…、拘りたくねぇ~…、絶対に坊主憎けりゃ袈裟まで憎いで、似ているってだけで、悪意を向けて来るんだろうなぁ~…、まぁ、私は憤りの対象であるエクレールの娘なんだけども…、エクレールの娘である姫君の偽物として后妃の目に付く場所に出たとしても、憤って嫌がらせして来るに違いないなぁ~…高確率で……。
私は避けられない指名依頼を受ける覚悟を決め「私の身の回りの者達に后妃様が嫌がらせをしない様に徹底して下さいね」と言い「最低でもオマジナイ料理の店と従業員、店の常連客は守備範囲に入れると言う約束を書面にして下さい」と約束を取り付けた。そう言う悪意が存在すると知らないっぽい近衛隊長様は「后妃様がそんな事をしたりしないと思うがな」と気軽に了承してくれた。ギルド長の方は、思い当る事があったらしく「冒険者ギルドにその案件の手伝いを乞うのならば、近衛隊から依頼を出して依頼料を御支払いいただきます」と言ってその内容を秘密保持契約の書類に書き足してくれていた。
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