攻略対象様に寄る悪役令嬢攻略事情(仮)

mitokami

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 国王の権威も彼女等の心に届かないのか?最初の方の繰り返しではメイン攻略対象の為に準備された婚約者設定だった筈の悪役令嬢達も、この繰り返しでは貴族の子女を名指しで招く王城の御茶会にすら参加する事無く、メイン攻略対象と悪役令嬢が交流する事無く、顔を合わせる事も無く、いつの間にか季節は移り替わり秋に成っていた。

 この頃には、これまでの繰り返しと同様にアヴィドの婚約者である歴代宰相を務める侯爵家の令嬢ブリランテの悪い噂が使用人方面から流れ出す。噂では、ブリランテは王妃教育を頻繁にさぼり、王妃教育の大切さを理解せず。気位が高くて意地悪で、平民出の男爵令嬢ファータを事ある毎にイジメ、他の生徒にもファータをイジメる様に命令し強要しているらしい。

 但し、王室に仕える蔭の調査報告書でのブリランテは、王妃教育も短期間に完全マスターする才女。学園の授業は完全に受けておらず。二人の友人と受ける家庭教師に寄る授業のみで学年主席をキープ。学園への出席は必要な試験を受けに来る程度。普段は辺境伯爵家令嬢のラッフィナート御気に入りの辺境伯爵領の砦に滞在し金属製の棒片手に魔獣討伐に参加するか、侯爵家令嬢キアッキエーラが建てた商会施設にて営業兼用心棒として滞在。雷と炎を纏う棍棒や棒術で敵を殴打する撲殺狂と言う暴力的な一面を見せる報告はあるモノの、ファータとの接点は無し。

 そもそも最近の繰り返しで、しっかり登校し授業を受けている女生徒は少数。学園内で行動する女生徒の殆どが御抱え魔導士が作り上げた幻影である。授業を受けに来ている者は勤労学生だけと成っている。この事に寄り、悪役令嬢以外の女生徒の殆どがブリランテとの面識は無い。勤労学生に至っては、ファータをイジメる暇があったら勉強するか学園が斡旋している写本の仕事を請け負う事だろう。勤労学生は写本の仕事をしている限り学園から保護されており、将来の仕事・就職先の確約を得る権利を持っている。それは無理して高位貴族に従うよりも重要であり価値があるので、勤労学生は何があっても無視して必死に写本を書き写すのであった。

 そう言った正しい情報を得て、今回の繰り返しでやっとアヴィドは気付けたのだが、今までの繰り返しで手にしていた情報の矛盾の多さに絶望する事にも成った。御蔭で一つ前までの繰り返しでファータの言い分だけを信じてしまっていた事をアヴィドは後悔してもしきらない。

 そんなこんなで、アッティーヴォの婚約者キアッキエーラの悪い噂もブリランテの噂同様、これまでの繰り返しと同様に使用人方面から広まっていた。
但し、アッティーヴォとキアッキエーラの婚約は王宮未承認。アヴィドとブリランテの婚約パーティーの時にアッティーヴォとキアッキエーラの親同士が、本当は婚約発表を合同で予定はしていたのだが…と言う話をしただけだった筈だ……。きっと、噂を作ったファータが、そのちょっと有名な事実を知らないのだろう。又は興味が無く、知ろうとしようともしていないのかもしれない。

 見兼ねたアッティーヴォがキアッキエーラの悪い噂を否定し、外交を担う侯爵家の令嬢キアッキエーラは小柄で幼く見える容姿と話術で大人を手玉に取り、我が国の出輸入の手助けをしていると言う話を流す様に成った訳なのだが…、それもこの繰り返しでは間違っている……。そうだったのは古い繰り返しに置いてのキアッキエーラの立ち位置。
現在の繰り返しでのキアッキエーラは自分達の商会を立ち上げ、時に話術、時には暴力肉体言語を用い、生産・製造・物流を掌握して、商会を切り盛りしているだけだ。外交はしていると言えばしているのだが、国の為では無く自分の商会の売り上げの為であろう。

 そして、言わずと知れた事かもしれないが…、アジェンテの婚約者ラッフィナートの悪い噂も出回っていた…、これまでの繰り返しと同様に使用人方面から…、これは完全な誤報だと、周囲が話し完全否定していた……。今回の繰り返しでは、アジェンテとラッフィナートは婚約していないのが周知の事実である。
次期辺境伯爵領の領主を狙う男共が、美化した肖像画に大袈裟に書かれた釣書・身上書を添えて辺境伯爵領の領主に送付して、今もアピール合戦を繰り広げている事からも明白だ。

 それもこれもアジェンテが余計な事をしでかし…、辺境の地を守護する辺境伯爵家令嬢のラッフィナートは、守護の魔法が得意で辺境伯領を護る騎士を後方支援で護り癒していると…、悪い噂を打ち消そうと頑張った結果だったりもする……。ライバルを増やしてどうするつもりだろうか?因みに、それはとっても、今回の繰り返しでは誤報である。
この繰り返しでのラッフィナートは最前線に出て極大魔法をブッ放し、敵を無慈悲に殲滅し続けている。と、蔭からの報告書でアヴィドは知っている。
昔の繰り返しでのラッフィナートは、アジェンテが言う様に聖女的な存在だったかもしれないが、最近の繰り返しでのラッフィナートは二つ名を付けるとすれば殲滅の魔女。どちらかと言うと、ファータが創作したであろう噂の方が今回の繰り返しのラッフィナートに近い気がするのは気の所為だろうか?野党や盗賊等の犯罪者限定にではあるが、確かに人間に向かって攻撃魔法を使用しているのは事実。面識無く、イジメてもいないファータに対して攻撃魔法を使ったりしていないけど…って言うか…、初めの方の繰り返しででも、攻撃魔法をファータに対して使う様な人物であったのか?ちょっとばかり疑問が残る御話でもある……。
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