攻略対象様に寄る悪役令嬢攻略事情(仮)

mitokami

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 この繰り返しに置いてのメイン攻略対象様達の努力の結果と、今までの繰り返しでの悪役令嬢達の試行錯誤の結果が少しばかりながら実を結んでいた。

 まず…、第二王子であるアヴィドが代表して「私に制服が似合わないから、私に似合う様に制服をリニューアルしたい」と言う名目で…今までの繰り返しの中で一番早く生徒会長に就任…地位と権力を利用して魅了対策が施されたデザインの制服へと強制的に変更していた事と…購入が難しい者には貸し出しの制度を導入し、新しい制服を確実に浸透させ…、制服同様、予算の関係で配布はできなかったが、この繰り返しから学園の購買で売り出されていた魅了対策が施されたデザインの校章付きの文具や…同じく魅了対策が施されたデザインの校章付きの学園で暮らす為に必要に成る生活用品を原価に近い設定で売り出した結果…、ファータに魅了される者、魅了され続ける者が減っていた……。
序に、校章がデザインされた商品を学園の購買で限定販売した結果、記念品としてや御土産として購入する者が存在するらしく購買の売り上げが伸びに伸び、必要経費を回収&アヴィド達の自費投入分も出戻り、新たな対策アイテム開発資金も手に入っていたのは、また別の御話。

 そして、悪役令嬢達が繰り返しに気付いてから販売し続けている商品。婚約者等にプレゼントし、携帯し続けて貰う事で効果を発揮する御守り[婚約指輪]又は[結婚指輪]と言う名前で売り出された魅了対策アイテムも…、魅了対策が施されたデザインの校章に使う為に魔石技術が向上し…、この繰り返しではしっかりと力を発揮している……。
これら全ての複合的効果の御蔭で、メイン攻略対象様達がファータの魅了に抵抗している事を知らないファータは、攻略対象の魅了が完了しない事を悪役令嬢達の仕業だと思い込んだまま、盲目的に悪役令嬢達に対して逆恨みの炎を燃やし、メイン攻略対象様達の活動に気付けていない。逆恨みされる悪役令嬢達にしてみれば、迷惑極まりない逆恨みではあるが、メイン攻略対象様に取ってしてみれば、悪役令嬢達は良い隠れ蓑であり、逆恨み状況は悪役令嬢攻略の足掛かりに成る可能性を秘めた状況である。これは自作自演ではなくヒロインに襲われる悪役令嬢を助ける機会を得る為に必要な過程であった。

 …の、だが…しかし……。悪役令嬢攻略に必要なピースが、いつの間にか幾つか足りなくなっている事に、ある時、アヴィドは偶然に気付く事と成る。

 切っ掛けは、夏のとっても暑い日。メイン攻略対象である三人組は、香水臭さを兼ね備えた物体Ⅹ入り魔法薬を所持する天敵ファータから逃げ延び、今では誰も立ち寄る事の無く成った芋虫に木々の葉すら食い荒らされた花畑付近の建物の木陰に隠れ、半分行き倒れに近い状態で休憩していた。そこへ偶然、悪役令嬢達が通り掛かったのである。

「あらやだ…、最近、多いわねぇ~……」
「あ、ホントだ!ブリちゃん、ラフィーちゃん…(金持ちそうだし)ちょっと私、商売しに行きたいのだけど……」と話し、メイン攻略対象である三人組の元へ悪役令嬢達がやって来たのであった…が、悪役令嬢様達ってば遠目だから相手が婚約者や婚約者候補である事に気付かなかったのかな?と思いきや、今回の繰り返しでは、そもそも彼等が自分達の婚約者や婚約者候補であった事を忘れ、顔を全く覚えていなかっただけの御様子。
三者三様の簡単な自己紹介と、キアッキエーラに寄る自分達が立ち上げた商会の説明に、饒舌な取り扱っている商品の紹介。空気清浄機能のある精霊石や暑さ対策の魔石、冷感ひんやりな魔法アイテム等を実演交えて並べて見せて…、ブリランテとラッフィナートに寄る至れり尽くせりの接待仕様での商品の御試しを経て…「金額分の品質保証はしましてよ」と自分達の婚約者や婚約者候補であるメイン攻略対象三人を三人で惑わし…、やっぱり基本的にチョロかったらしい彼等の有り金を全部毟り取る勢いで多くの商品を売り付け…、何かに気付いた様子は勿論、後ろ髪惹かれる様子も名残惜しそうにする様子も無く…「御買い上げありがとうございました」と言い残し…、颯爽と楽し気に会話しながら立ち去って行かれてしまった……。

 魅了魔法も魅了アイテムも無しに、言葉と行動と態度だけで魅了され頬を染め、心臓を鷲掴みされてしまったメイン攻略対象である三人は、婚約者や婚約者候補である悪役令嬢達の後腐れ無い雰囲気の去り際の態度に一時、呆然とする。

「え?嘘でしょ?マジですか?!」
「アッティーヴォ…、現実を見た方が良いかもしれません…私も気付きたくなかったのですが……」
「…忘れられた?だと?嘘だろ?酷くないか?」
「アジェンテ…今までの繰り返しの中で、私達がしてきた事に比べれば可愛いモノかもしれませんよ?」
「いや、確かにそうかもしれないが…、でも、これは流石に無いだろ?…あっ!もしかしたらこれは、俺達に対する何かしらのアピール?そうだ!そうに違いない!!これは婚約者である彼女等、ラッフィナート達の何かしらの作戦かもしれないぞ!」
何かしらって何だと言いたいのであろうか?正直、これはアジェンテの考え過ぎである。この繰り返しでラッフィナートはアジェンテの婚約者では無く、直接の面識すら無かったのだから。
「だよね!親戚筋で幼馴染である僕をキアとラフィが忘れる筈が無いよね!」
アッティーヴォのも自意識過剰が過ぎる。何処から出て来た?その自信。この繰り返しではキアッキエーラもアッティーヴォの完全な婚約者では無く、生まれる前から決めてはいたが婚約者(仮)状態、書類は王宮に未提出。だからキアッキエーラもラッフィナートも、アッティーヴォを普通より面識薄い親戚と言う認識で、親同士は相変わらず仲が良いのだが、彼女等はアッティーヴォの事を幼馴染だとか思いもしていない。
「そうだと良いのですが…」
既に王命と言う最終手段を国王が用い、ブリランテを婚約者にしている状態のアヴィドは、この時点で(二人はこの繰り返しで彼女等の正式な婚約者にも成れてないのに、楽観的過ぎやしませんかね?)と思うのだった。
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