シンデレラなのか…

mitokami

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 ある日、御父様が街に買い物に行くと言った時、御土産は何が良いかと聞いて来た。確か私は綺麗なドレスを強請る役だった筈なので、ここは改変を加えて「仕事に使う作業着」と答える。妹は原作通り宝石を強請るのかと思ったのだけど何故か「針を通せる穴の開いたビーズ」と答え、原作通りの注文をしたのは義妹のエラだけだった。
妹の変化は、節約・倹約・序に商売、異世界知識で廃棄野菜を使って染め物(の為に色素を取った廃棄野菜は豚の餌にする)、無駄を省いた財産を目減りさせない生活を私が強要している所為かもしれない。と、言う余談は置いておいて、エラの話である。

 私が物語を変えてしまう前と同じ様にエラはハシバミの枝を手に入れていた。自分の母親の墓の隣に植え一日三回御参りして、涙でハシバミの木を育てている。
それを見ていて思ったのだが、やっぱり何かの魔術っぽい。然もそれは結果を伴う魔術だ。その為に木の育つのが早い事早い事。普通は実を付ける木に成るまで何年も、木登りできる程の樹木に成るまでに最低でも何十年かは掛かるモノだと思うのだけど、気が付いたら、私が低木だと認識していたハシバミの木は、我が家のどの庭木よりも立派な大木に成っていた。私も正直、その魔術が使える様に成れるなら成りたい。若しくはエラさんが率先して、その魔術で私の商売を手伝ってくれないかなぁ?
それにしても、ハシバミって…ヘーゼルナッツの木の事だったんだね…、帰り道で父親の帽子に最初に当たった小枝が…ピスタチオや銀杏だったら落ちた実が臭かったり…誤って触って皮膚炎起こしたりして大変だったろうな……。因みに、ピスタチオ(中央アジア又は西アジア原産)と銀杏(中国原産)は探したら庭木として生えていたので私の商売の役に立って貰っている。けど、童話集の出版次期は何時だっけ?南米原産の落花生も見掛けるから古い物語と言っても私が思ってたより古く無いのか?それとも、私とかの異物の所為で余分な要素が入り込んで変な事に成っているのか?は、不明である。不明ではあるが、私的には有難い。

 …と、言う訳で……。教会併設の孤児院から人材を募って、豆&ナッツ園を開き、何時しか商人として家計を支え、御父様からは「前妻みたいだ」と嫌われ、物語の強制力が影響しているのか?エラの代わりに使用人を扱き使い消費しかしていない御母様から「女の幸せは結婚する事よ!」と言われて意味が分からなくて困惑している。
私は稼いでいないと不安に成って、気分的に不幸に成るのですが?(←営業課所属に発生しがちな社畜精神)な、今日この頃。

 我が豆&ナッツ園の従業員と一緒に我が家の庭で漆科のナッツの洗浄をしている時、物語の通りにエラが二羽の白い鳩を従えているのを発見した。これも、物語通りの設定である。鳩使い…、俗に言うテイマーですか?折角、面白転生したんだし、私もそんなファンタジーな能力が欲しかったなぁ~……。
え?あれ?エラさん?「御手伝いします!」は良いけど、そもそも基本的に仕事をさぼってませんか?事ある毎に鳩任せにして、身支度までも鳩に手伝って貰ってませんかね?この子、鳩が居なきゃ何にもできないズボラ娘ですか?あ、これ、ヤバいかも?物語通りに何にもしなくて済む王子様に嫁いで貰わないと、何かの拍子に魔女認定受けて、魔女狩りに会う危険性があるのでは?この世界のこの時代に魔女狩り文化があるかどうかは知らないけど!童話集が発売された時代が、それくらいの時代だった様な気が最近するので気に成る所です。

 だけども取り敢えず今は、エラの世話まで手が回らないから放置しておこう。でも後で、エラさんが御世話に成っている白い鳩さん達に、感謝の言葉を伝えて、麦や[あわひえきび(土壌改善&商品として作っている穀物)]でも差し入れさせて貰っておこうかな?とも思う。鳩さん達、エラさんが結婚するまでの御世話係をこれからも御願いします。出来るだけ隠密的に!

 等と、色々頑張っている内に王子様が結婚適齢期な年齢に入った御様子。物語と同じ様に、御城から結婚適齢期の未婚の娘が存在する家宛に、人数分の3日間連日で続く御城での舞踏会への招待状が届けられた。無差別無選別に届けられていると言う噂の招待状は、犯罪者でもウエルカム状態で正気の沙汰とは思えないが、私にとって好都合。価値を上げる為に多少もったいぶって、義妹のエラさんを王子様に押し付けてあげようではありませんか!

 その後、物語の通り自称御父様と、御母様はエラが御城の舞踏会へ行くのを反対したけれども、そんな事は、この私が許しません!エラを王子に嫁がせ、その伝手で妹を優良物件に嫁がせ、私は更にその伝手も一緒に利用して商売繁盛!程良き所で程良き婿養子をゲットするか、従順な青年を掴まえて育てて養子にして後継ぎにするも良し!と言う計画があるのです。

 だから、はぁ?灰の中からレンズ豆拾い?ナッツも売ってるけど豆売りを生業としている私が、そんな事を許すとでも?御母様が灰にレンズ豆を混ぜたのなら、責任を持って、御母様自身にレンズ豆を仕分けさせますが何か?え?寧ろ、母が灰だらけ?そんな事を私は気にしません!
エラに着せて行くドレスが無い?孤児を雇って地味な商売してますけど、家計を支えている以上、ドレスを買う買わないの権限は私にもあります。そのようなイジメは許しません!が、鳩にドレスと靴を持って来て貰った方が良いモノが手に入る可能性があり、そこだけは気がかりです。私の財力で何処までエラさんの魅力を引き出せるでしょうか?
礼儀作法にダンスが出来なきゃ笑われる?何を寝ぼけた事言ってんですか?私のポケットマネーで姉妹三人揃って習いに行きましたので御心配無く!寧ろ自称御父様と、御母様の方の礼儀作法の方が心配です。私達に恥を掻かせないで下さいね?

 こうして強気の態度で押し切り、物語を改変!イジメてないから復讐しないでね?爪先を切断するのも、眼球を鳩に刳り貫かれるのも、足を切り落とされるのも嫌だからね!と心底思いながら姉妹三人揃って仲良く御城の舞踏会へ行く事が出来ました。

 そして、行った先で私がやるべき事は[社交]です。社交と言う名の売込みです!エラさん共々、妹を売り込みますよぉ~!と、2人を褒め称え称賛して回っている内に王子様登場!
王子様はエラさんを見て一目惚れしてくれたっぽい♪良質な食事と最良のメンテナンスで肌艶・髪質は良好。私自ら磨きに磨き上げたエラさんの魅力にノックアウトして頂けましてありがとうございます!はぁ?このままお持ち帰りですか?駄目ですよ?持ち帰れるのは結婚が認められた後限定です。

 私は黄昏時にエラさんと妹を見せびらかし乍ら連れ帰りました。勿論、3日間連続で!
その結果、初日、鳩小屋は御父様に斧で破壊される事無く無事です。二日目、梨の木も御父様に切り倒される事無く無事です。三日目、エラを家に帰したくない王子様のオイタはありましたが、その罠で階段から落ちて死ぬ可能性を周知徹底させて事無きを得ました。
それでも駄々を捏ねる王子様に置きましては「まず、王様にエラさんとの結婚の許可を得て来なさい」と言い放ち、エラが履いていた靴だけを譲り渡し「ウチのエラさんに似合う靴を仕立てて迎えに来なさい」「その靴をエラさんが気に入って、その靴を履いて嫁に行く事を決めたなら許しましょう」と言ってエラさんを御姫様抱っこで連れ帰ってやりましたら、翌日には結婚の許可証と明らか高級な靴を何十箱も携え、王子様自らエラさんを迎えに着やがりました。

 一つの靴を多人数が試した物語が逆転して、一人に大量の靴と成りましたが…御後が宜しいようでめでたしめでたし…って…、あれ?これで良いのか?エラさんがシンデレラって呼ばれる要素が…、無くは無かった?エラさんってば、シンデレラって呼ばれてる?呼ばれてるね?何でだろう?と…調べてみたら…、私自身が[妹廃人]と言う綽名を付けられ、廃人の[廃]を妹達が嫁に行けば熱も冷めて[灰]に成るだろうと言う意味?願い?誰の願望?も込めて[灰]に変え…、灰人シンディーに愛され過ぎた[エラ]で[シンデレラ]に成っていた……。
誰だ?何処にいる?高確率で何処かに私以外の日本人が居るだろ!悪い事は無いけど誰が上手い事を言えと言った!

 取り敢えず色々思う所は有りますが、こうしてもどうしても物語の通りに、シンデレラは王子様と幸せに成りましたとさ♪おしまい。
私にだけ、解せなさ感が残りましたけどね!皆、それなりに幸せです。

HAPPY END ?
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