オタク思考強めな腐女子が頑張ってみた

mitokami

文字の大きさ
5 / 29

004.5

しおりを挟む
 次期東の辺境伯として育てられた俺、チュテレール・エストゥには、ガルディアと言う名の、俺より一ヶ月早く生まれた従姉が存在する。6歳を過ぎるまで出会う事の無かった血の繋がった従姉、俺の父親の弟の子供だ。
アイツは一見…、小動物とか愛玩用の小型の犬猫の様に見えるのだが…、育った環境が悪かったのか?中身は勇敢ながら獰猛…血気盛んな猟犬の類に類似している…、ちゃんと従わせる者が存在しなければ、狂暴化する種類の犬みたいな性格をしている……。更に言えば、母親を知らずに育ったからか?他の身内に会わせなかった難のある父親に5歳まで箱入り状態で育てられ、捨てられ、東の辺境伯騎士団の寮に住む祖父に引き取られ、祖父に騎士として育てられたからか?ガルディアは、貴族令嬢として規格外が過ぎ、6歳くらいから俺達と一緒に育ち、少しはマシには成ったが、今でも十分、貴族令嬢的とは言い難い。

 俺の知らない間に立ち消えて違う相手に代わっていたが、ガルディアが俺の婚約者であった時期もあり、エメラルドグリーンが入った縦巻きロールの金髪ツインテールに大きな翡翠色の瞳が印象的な猫目の、飾る為だけに存在している人形を模した様な幼女時代の肖像画が、俺の家に残っている。その短い時代が一番、貴族令嬢的だったのではないかと思われるが…、絵なので、何処まで真実が描かれているのか分からない……。若しかしたら、肖像画は画家が描いた幻想で、そんな時代は無かった可能性もある。

 現在の、俺達が出会ってからのガルディアの髪型は三つ編みで一つに弾ねられ、昔に描かれた肖像画より人形っぽさは無い。二筋のエメラルドグリーンが入った金髪と、一度目が合うと暫く目が離せなくなる大きな翡翠色の瞳は相変わらず。中身は詐欺レベルで別物だが、見た目だけは細身で小柄な為に実年齢よりも幼くも見える。本当に見た目だけは、可愛らしい少女に育っている。
 然も、その愛らしさを強調するかの如く、前髪に混ざる2房のエメラルドグリーンの髪がはねて、耳が生えている様に見える時がある。三つ編みで一纏めにした長い髪は尻尾にも見え、その耳や尻尾が、ガルディアの気持ちや気分を表す様に動いて見えるのは、俺達の気の所為では無いのではなかろうか?あの愛らしさは、完全に罠だ!今日も、ガルディアの見た目だけの愛らしさに騙され、簡単に従わせられると勘違いした馬鹿が、ガルディアに寄って血祭りに上げられている。
今日も、幼馴染である俺達…、俺か、ガルディアの現在の婚約者であるファレーズが…、ガルディアに手を出した馬鹿を救出に行かなきゃ駄目なんだろうな…、今回の相手は犯罪者っぽいし、自業自得だからと放置するって訳にもいかない……。ガルディアが相手を拘束する為にペットを呼び出したり、ペットの方がガルディアを心配して出てきてしまう前に何とかして置かないと不味い。

 俺は一つ年上のファレーズに合図を送り、互いに目で会話して走り出した。ガルディアに加勢すると見せ掛けて、上手に相手を救出する為だ。ガルディアのペットが出て来てしまうと俺達でも手出しが難しく成ってしまう。

「「ディア!(相手は)大丈夫か?」」
「あ、チュ~さんとファ~さん…、心配しなくても大丈夫やよ?」
首を傾げる仕草は可愛いけども、ガルディアのやっている事は可愛くない。周囲の空気が焦げ臭い。体術と剣術だけでなく、接触時に放電して感電させたのだろう。
金属鎧を身に着けている奴は御気の毒…、頭を蹴られた奴、御愁傷様…、金属製の武器でガルディアに立ち向かった奴は手だけだが、暫く武器は持てないだろう…、他、それなりに感電による火傷を負った事だろうが、自業自得と思って欲しい……。
「うん、取り敢えず…頓所と診療所に連絡だな…、チュテ頼めるか?」
「了解、ファーさん…、(これ以上ガルディアが)暴れない様に見張っててね?」

 そして俺達は今日も、ガルディアにストレスを掛け過ぎぬ様に、ガルディアを放し飼いし過ぎない様に、ガルディアが呼び寄せる面倒事に自ら巻き込まれに行くのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

処理中です...